今日の午後,JR東日本の宇都宮運転所で,日光線と東北本線用E131系の報道関係向けお披露目が催された.
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日光方から見たE131系600番代第2編成.編成番号はTN2.明るい海色だった房総地区用から,205系日光線仕様から引き継いだレトロ調の茶濃淡の帯がシックである.製造は総合車両製作所の新津事業所である.宇都宮運転所 2021-8-19

E131系は既に千葉地区での営業運転が始まっている.本誌でも6月号(通巻448号)のMODELERS FILEとして詳しくお伝えしているが,今回の日光線・東北本線用は,房総地区用が2輛ユニットであるのに対して3輛ユニットとなっていることが大きな違いである.
 また,寒冷地の勾配線区である日光線での使用に備えて,黒磯方先頭車であるクモハE131-601~の運転席上には霜取り用パンタグラフを備え,両先頭台車及び中間電動車の日光方には空転を防止するためのセラミック粉噴射装置を取り付けている.クハE130の屋根上には,房総地区用ではスペースが準備されただけだったブレーキ用抵抗器も,実際に搭載された.

そうそう,先に編成を記すべきだった,この,小山車両センター配置のE131系は600番代となり,編成は黒磯方からクモハE131-601~+モハE130-601~+クハE130-601~である.
 これらのうち,中間電動車モハE131-601~が新形式である.この電動車は,日光方台車だけに主電動機を備え,黒磯方は付随台車とした,いわゆる0.5M(編成で1.5M)方式である.
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黒磯方先頭車,屋根上に,僅かながら,折り畳まれた霜取り用パンタグラフが見える.

主制御装置は房総地区用と同じ日立製作所製ながら,クモハE131がSC126,モハE130がSC127と新形式となっている.電動空気圧縮機と補助電源装置は房総地区用と同様のタイプをクハE130に取り付けている..
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2群の装置がおさまる装置箱のうち片側だけを使ったような,特異な外観の,モハE131用主制御装置SC127.日立製作所製である.

さて室内.一部に向い合わせ式のクロスシートが採用された房総地区用と異なり,オールロングシートである.トイレはクハE130に大型車椅子対応タイプが設備された.
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クハE130の客室を運転室側から見る.一番奥がトイレである.腰掛の表地は,車体の帯色と軌を一にした茶濃淡を採用.鴨居部には千鳥状に情報表示装置を取り付け.側扉脇には半自動扱い開閉スイッチが設けられている.防犯カメラは両車端妻板上部に装備されている.
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運転室.基本的な機器配置は房総地区用と同じである.運転席頭上に車外ホームの様子を映し出すモニターが備えられているのも同様である.

さてこのE131系600番代,全部で15編成が投入される予定となっている.配置は小山車両センターである.8月上旬に最初の2編成が到着し,続く第3,第4編成も新津付近の信越本線で試運転を行なったのが目撃されている.
 15編成のうち2編成には線路設備モニタリング装置が取り付けられるが,房総地区用と同じように,番号が区分されるのだろうか.興味津々である.
 営業運転開始は来年春頃とアナウンスされている.

E131系は,この他に相模線へも投入される.こちらは500番代の4輛ユニット2編成が,7月12日と27日に国府津車両センターへ配置されている.全部で12編成48輛を投入の計画.営業運転開始は日光線・東北本線よりも早い秋頃の予定と発表されている.報道公開が待ち遠しい.

※2021.08.20:ブレーキ用抵抗器記述追加