相模鉄道では,2018年に東急電鉄線乗り入れ用20000系,翌年にJR東日本線乗り入れ用12000系と,立て続けに新形車を登場させてきた.JR東日本との相互直通運転は2019年11月30日から始まり,山手線東側住人の僕にとって,横浜ネイビーブルーは山手線の風景として,すっかり融けこんでいるように思う,今日この頃である.
もうひとつの20000系は,羽沢横浜国大から新横浜を経由して東横線の日吉までの“東急新横浜線”の開業をもって正式デビューとなる.今のところ,その完成は来年度下半期……2023年3月まで……とされている.しかしそれまでの間,遊ばせておくわけにもゆかないし,相模鉄道としては運転も検修も,新方式のシステムになじんでおく必要もあることから,7000系の置き替えを兼ねて,既に自社線内での営業運転に就役させている……というのは,ご存じの方も多いだろう.
今回登場した21000系は,10輛編成が単位である20000系の,8輛編成版である.なぜ8輛編成なのかといえば,同じ東急電鉄とはいっても,10輛編成は東横線方面にしか行くことができない.目黒線は,現在は6輛編成に過ぎない.とはいえ,8輛と10輛で運転されている相模鉄道線に6輛編成の列車が入り込むのは,いろいろ不都合が多くなるだろう.ということでの8輛編成である,と,思う.
実際,間もなく東急3000系に増結用中間車が落成し始めるし,東京地下鉄でも9000系中間車を製造して南北線の8輛編成かを実施することを,設備投資計画で発表している.
東京都交通局は,三田線の新形車である6500形を8輛編成で製造している.この電車は,まだ報道公開されていないが,現車は既に落成している.
そして相模鉄道21000系である.
9月3日に厚木操車場で,鉄道趣味誌向けの報道公開が実施された.当日はあいにくの空模様だが,外観撮影時にはほぼ止んだ状態で,車両部や広報の皆さんの行き届いた手配もあって,まずは充分な写真を撮影することができた.
羽沢横浜国大,新横浜方から見た“そうにゃん”表示中の21000系第2編成.車号は,こちら側から21102+21202+22202+21302+21402+21502+21602+21702+21802と,途中の欠番はない.
中間電動車21402.パンタグラフを海老名方に備えている.21202,21402,21502,21702が電動車である.
室内の表情も20000系と極めて似ている.変更点は天井に吊られていた21.5インチ液晶モニターによる情報・広告表示装置がなくなり,側扉鴨居部の装置が増設されたこと.
液晶画面の変更は,実は21000系からではなく,20000系の第2次車での変更点でもある.同時に防犯カメラ設置やユニバーサルデザインシートの高さ変更し,一般席にも設けたこと,さらにユニバーサルデザインシート上部には荷物棚の新設なども実施されていて,これらも20000系2次車や12000系での変更点でもある.
左から,やや座面を高くしたユニバーサルシート,液晶画面が増設されて防犯カメラが新設された側扉鴨居部,そして一般座席.
運転室の風景も,基本的には20000系と同じである.ただ,現在はまだ各乗り入れ先の保安装置扱いスイッチ類は取り付けられておらず,ホーム監視用CCTVモニターなどと同じく,準備工事が施されているだけである.
室内の表情も20000系と極めて似ている.変更点は天井に吊られていた21.5インチ液晶モニターによる情報・広告表示装置がなくなり,側扉鴨居部の装置が増設されたこと.
20000系で見慣れた運転台.運転士の左手方面や,この写真に写っていない範囲の各部に“取り付け準備工事”をうかがうことができる.直通運転が始まったら見ることができなくなる,ある意味貴重な状況といえる.
さてこの21000系電車.9月6日から相鉄線内での営業運転を開始した.充当されたのは,報道公開にも使われた第2編成である.
では第1編成は?といえば,本誌の9月号をお持ちの方なら既にお気付きの通り,今月下旬に厚木から長津田へ甲種輸送されることになっている.その目的はといえば,皆さんならすぐに合点がゆかれるだろう,“乗り入れ先での各種試験など”とのこと.従って,この第1編成には,長津田行きまでの間に,第2編成では準備工事となっている各種保安装置などが設置されることになっている.
東急線内に滞在するのはどのぐらいの期間なのか,いつごろ,東急線の本線に姿を見せるのか,などは,残念ながら未公表である.でも,たぶん,運のよい人は“あれ?なぜここにこの電車が?”という場面に遭遇することができることだろう.
夢は膨らむばかり.
もうひとつの20000系は,羽沢横浜国大から新横浜を経由して東横線の日吉までの“東急新横浜線”の開業をもって正式デビューとなる.今のところ,その完成は来年度下半期……2023年3月まで……とされている.しかしそれまでの間,遊ばせておくわけにもゆかないし,相模鉄道としては運転も検修も,新方式のシステムになじんでおく必要もあることから,7000系の置き替えを兼ねて,既に自社線内での営業運転に就役させている……というのは,ご存じの方も多いだろう.
今回登場した21000系は,10輛編成が単位である20000系の,8輛編成版である.なぜ8輛編成なのかといえば,同じ東急電鉄とはいっても,10輛編成は東横線方面にしか行くことができない.目黒線は,現在は6輛編成に過ぎない.とはいえ,8輛と10輛で運転されている相模鉄道線に6輛編成の列車が入り込むのは,いろいろ不都合が多くなるだろう.ということでの8輛編成である,と,思う.
実際,間もなく東急3000系に増結用中間車が落成し始めるし,東京地下鉄でも9000系中間車を製造して南北線の8輛編成かを実施することを,設備投資計画で発表している.
東京都交通局は,三田線の新形車である6500形を8輛編成で製造している.この電車は,まだ報道公開されていないが,現車は既に落成している.
そして相模鉄道21000系である.
9月3日に厚木操車場で,鉄道趣味誌向けの報道公開が実施された.当日はあいにくの空模様だが,外観撮影時にはほぼ止んだ状態で,車両部や広報の皆さんの行き届いた手配もあって,まずは充分な写真を撮影することができた.
羽沢横浜国大,新横浜方から見た“そうにゃん”表示中の21000系第2編成.車号は,こちら側から21102+21202+22202+21302+21402+21502+21602+21702+21802と,途中の欠番はない.
中間の電動車と付随車を1輛ずつ抜いての8輛編成で,これは“自在に編成を組むことができるように”という,20000系のコンセプトが見事に生かされたアレンジの結果である.
主制御装置は日立製作所のVFI-HR14210,補助電源装置は東洋電機製造製のSVH260-RG4084A-M,電動空気圧縮機はクノールブレムゼのVV180-T,台車は日本製鉄のSS184,いずれも20000系と同じ機器である.
室内の表情も20000系と極めて似ている.変更点は天井に吊られていた21.5インチ液晶モニターによる情報・広告表示装置がなくなり,側扉鴨居部の装置が増設されたこと.
液晶画面の変更は,実は21000系からではなく,20000系の第2次車での変更点でもある.同時に防犯カメラ設置やユニバーサルデザインシートの高さ変更し,一般席にも設けたこと,さらにユニバーサルデザインシート上部には荷物棚の新設なども実施されていて,これらも20000系2次車や12000系での変更点でもある.
左から,やや座面を高くしたユニバーサルシート,液晶画面が増設されて防犯カメラが新設された側扉鴨居部,そして一般座席.
運転室の風景も,基本的には20000系と同じである.ただ,現在はまだ各乗り入れ先の保安装置扱いスイッチ類は取り付けられておらず,ホーム監視用CCTVモニターなどと同じく,準備工事が施されているだけである.
室内の表情も20000系と極めて似ている.変更点は天井に吊られていた21.5インチ液晶モニターによる情報・広告表示装置がなくなり,側扉鴨居部の装置が増設されたこと.
20000系で見慣れた運転台.運転士の左手方面や,この写真に写っていない範囲の各部に“取り付け準備工事”をうかがうことができる.直通運転が始まったら見ることができなくなる,ある意味貴重な状況といえる.
さてこの21000系電車.9月6日から相鉄線内での営業運転を開始した.充当されたのは,報道公開にも使われた第2編成である.
では第1編成は?といえば,本誌の9月号をお持ちの方なら既にお気付きの通り,今月下旬に厚木から長津田へ甲種輸送されることになっている.その目的はといえば,皆さんならすぐに合点がゆかれるだろう,“乗り入れ先での各種試験など”とのこと.従って,この第1編成には,長津田行きまでの間に,第2編成では準備工事となっている各種保安装置などが設置されることになっている.
東急線内に滞在するのはどのぐらいの期間なのか,いつごろ,東急線の本線に姿を見せるのか,などは,残念ながら未公表である.でも,たぶん,運のよい人は“あれ?なぜここにこの電車が?”という場面に遭遇することができることだろう.
夢は膨らむばかり.
※2021.09.13:ユニバーサルデザインシートに関して修正と加筆