今日の午後,神戸の川崎車両兵庫工場でJR貨物の新形交直流電気機関車EF510-300番代の報道公開が行なわれた.
 僕自身も,ぜひ現地へ赴きたかったのだけれど,とれいんレイルなどの編集作業が追い込み真最中.いかんともし難く,来住憲司さんに委ねることとなった.

概要は,現在発売中の最新号である12月号の“いちぶんのいち情報室”でお伝えした通り,九州地区で働いている17輛のEF81やED76を置き替えることにある.
 EF510そのものは,2001年の日本海縦貫専用を皮切りとして,一時的にJR東日本で使われた500番代を含め,全部で38輛が就役している.
 今回の300番代で新しいことは,これまで発電ブレーキだった電気ブレーキを,交流区間で回生ブレーキとすること.車体の塗装デザインを赤でもブルーでもなく,銀色基調としたことにある.これは,いうまでもなく,EF10以来の関門トンネル用機関車の特徴だったステンレス鋼製車体の銀色を意識したものである.
 また,これまで運転室周辺にだけ取り付けられていた雨樋が,車体全周に巡らされ,また前照燈がLED化(森尾電機の製品だろう角形16粒タイプ)されたことなどにより全体の印象が新しくなったことも,特筆すべきだろう.

報道公開は,残念ながら外観だけで,運転室の観察は叶わなかったようである.
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2エンド側から見た全景.車体裾とスカートの紺色が目に新しいが,青15号と同じ紺色だろうか.銀色との間には赤…写真ではピンクにも見えるストライプがあしらわれている.前照燈はLEDとなった.
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愛称は引き続いて“RED THUNDER ECO-POWER ”.ロゴデザインも同じに見える.
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パンタグラフは引き続いて東洋電機製造製のFPS5Aである.

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ナンバープレートの地色が,赤である.番号区分は,EF81 300番代を引き継ぐものであろうか.
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製造銘板.三菱電機との共同製作であることが判る.順序から類推して,三菱が主契約者なのだろうか.写真全て 2021-12-9 川崎車両 撮影全部:来住憲司

保安装置はJR貨物のATS-SFとJR九州のATS-DKと互換性のあるATS-DFを搭載している.

なお,量産先行機である301号機は,これまでのEF510と同じ発電ブレーキ関係機器を搭載しているが,ソフトウェアを切換の上で交流回生ブレーキの各種性能確認走行試験を実施し,試験結果確認後に発電ブレーキ関係機器を撤去する予定である.その結果として,直流区間では空気ブレーキだけで電気ブレーキを使わないということになる.

配布された資料によれば,運転整備重量100.8t,1時間定格出力3,390kW,最高速度110km/h,設計最高速度120km/hであり,この数値はこれまでのEF510と同じである.

配置は門司機関区だろう.運用区間はどうなるのだろうか.九州内全域は当然のこととして,直流区間,すなわち本州内はどこまで入って行くのだろう.これまで通りなのか,それともずっと東の方まで足をのばすことになるのか…….質疑応答の場で,これまでのEF81と同様,幡生までの運用であると明言されたそうである.残念……

2023年3月頃と発表されている本格的な運用就役と量産開始が,今から楽しみである.
※2021.12.10:運用区間について追記