ずっと以前にも記したことがあるような気もするが,地下鉄の大江戸線や副都心線が開通してから,山手線への依存度が下がっている僕である.
 だから,E235系に乗ってから,“そういえばひと月ぶり”と気づくことがしばしばで,時によっては,2ヵ月以上も間が開くことがある.
 そんな昨今の中で,この1月は,何度かお世話になった.最初は中旬.巣鴨へ行って,そのあと原宿へ…という行程.そういうことで,ほんの少しだけれど,久々の原宿駅を観察してみた.

久し振りに降り立った原宿駅ホーム.調べてみたら,少なくともこのブログで採り上げたのは,“山手線原宿駅の新しい風景”とい題したエントリ以来らしい.2020年11月19日のことだった.その時点では旧本屋はまだ姿を留めていて,風見鶏が撤去される寸前の様子……と伝えている.
 レイルNo.117では高見彰彦さんがこの駅に関する画期的な論考を展開してくださったというのに…….
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1年余の間に,旧本屋は影も形も失せていた.かろうじて骨組みだけながらも跨線橋が姿を留めているに過ぎない.しかも解体に備えて仮の外壁などが設置されてしまったから,超望遠レンズを持ち込んでも銘を読むことは,不可能.

跨線橋といえば,そこに繋がるホームからの階段はどうなっている?と思い,内回りのホームへ降りてみると…….
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柱は古レールのままだった.本屋がモダンに衣替えしたのだから,跨線橋への階段も新調したのかと思っていたけれど.思い込みだったみたいである.そういえば,上屋も施工された各年代の様式がそのまま残されている.だから場所によっては古レール製の梁を見ることが,できる.
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というわけで,外回りホームへ移動してのクローズアップ.古レールの織り成す造形美…RaikArt…は,これからも鑑賞できるようである.残念ながら塗膜が厚くなっていて銘を読むことは困難だが.

そういえば宮廷ホームは?
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工事の仮囲いがまだ残っていて,先端まで行くことはできなかった.宮廷ホームに明かりは灯されていない.保線の作業用機材や車輛が置かれているのも,変わりない.でもまぁ,廃止とか撤去とかいう雰囲気は感じられないから,安心.

この日は薄暮ということもあって,観察はここまで.
 続くときは続くもので,2日後の午後,再び訪れるチャンスがあった.そこで今度は,駅の外から観察.DSCN3567
お目当ては跨線橋の骨組.銘を読むことは,やっぱりできない距離だけれど,組み方の観察は現役時代には不可能だったことである.

すぐそばに掲示されていた“労災保険関係成立票”によれば工事期間は今年の7月末となっていた.それまでの間に,あと何回観察することができるだろう.

ついでに,かつては古レール製の橋だった跨線橋,水無橋も訪れてみた.こちらはすっかり周囲の風景に溶け込んで……いたけれど,かつて国土開発の本社があった敷地は新しいビルが建てられて久しい.この日に気付いたのは,道を隔てて南側の建物も取り壊されて再開発の真っ盛りだったこと.その仮囲いが線路沿いにあったが,それも時代の記録である.
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やってきたのは,これもすっかり山手線に馴染んで,でも特別の客人という趣きも備えている相鉄の12000系だった.先頭の表示は“各駅停車 埼京線”というタイミング.それはよいのだが,正面窓にビームが盛大に移りこむタイミングでもあった.もう一瞬.,おそければ…だけれど,このあたりがコンパクトデジカメの限界か?と,人のせいにしてしまおう.

山手線では昨年10月の山手線渋谷駅での運休を含む大規模工事は関西にいた……例えばDEC741のお披露目……ので観察できず,きちんとした観察もまだできていない.さらに12月には品川駅のホーム切り替えも実施された.そういえば山手線ではなくて中央本線だけれど御茶ノ水の跨線橋は,どうなっているだろうか.3ヵ月に1度の御茶ノ水通いは続いているものの,このところ,聖橋方面に出向いていない…….