2月初旬からこのかた,ドイツ語フランス語イタリア語ロシア語ポーランド語英語チェコ語スペイン語…欧州圏各国語を駆使した仕事が続いている.いや,駆使だなんて,それは大違いで,実際のところは四苦八苦.毎年恒例の,ニュルンベルクでのシュピールヴァーレンメッセで発表された各国各メーカーの新製品情報の書き出し作業のことである.
汽車好きにとっては,結構楽しい作業には違いないのだけれど,なにしろ1年のうちでもっとも時間の経つのが早くてひと月の日数も少ないこの時期のお仕事.夜なべ続きでいささか疲れるのも,また事実.
そんな日々が続くある夜,食卓に見覚えのある形のチーズが並んでいるのに気づいた.口に入れて思い出したのが,“尼さんのおっぱい”.一気に元気が回復した.えええっ?とおっしゃるなかれ.
フランス観光開発機構主催のプレス関係の催しで得た“幸せのチーズ三昧の半年”のチャンス.その最初の回である8月に届いた4種のチーズがすべてスペイン産で,そのうちのひとつがその“尼さんのおっぱい”だったのだった.
ちなみにフランス産チーズのうちの2種類については,10月23日のここでご紹介している.

“幸せのチーズ三昧の半年”の最初に届いたうちのひとつが,このケソ テティージャだった.口に含んだときの蕩ける味わいに魅了されたが,つい先週,再会が叶った.写真は8月に届いた時の撮影.
このチーズ,とても柔らかくて,口に含むやいなや,とろっと融けてしまう.まさに“おっぱい”.産地はスペイン北西部の,大西洋に面したガリシア地方なのだそうだ.原料は牛乳.
で,その名前のうちの“ケソ”は地元のガリシア語で“チーズ”,テティージャは同じガリシア語の幼児語で“おっぱい”なのだそうだ.まさに名は態を表すというかなんというか.
いつの日にか再会を…と願っていたのだけど,たまたま渋谷に出掛ける用事があった,うちの奥方が,“チーズ三昧”を届けてくれたフェルミエの渋谷店を見つけ,そのケースの中からこのチーズを見いだして買って来たのだという.
ひとかたまり全部を買えば,態だけでなく“体”も“おっぱい”であることがわかるだしいのだが(最初はそれを意識したものではないのだそうだが),“とりあえず手が出る単位”でカットされたものだったので,全体像は,また次の楽しみとなった次第.
合 わせたワインは…ということを下手に記すと,その道のオーソリティから茶々が入りそうなので敢えて語らないが,たまたまストックにあったアルゼンチンのト ロンテスというぶどうによる白ワインが,僕にとっては,ほどよい取り合わせだったということだけ,記しておくことにする.
ということで,その夜は,夏以来の味わいとの再会を祝し,まだ見ぬ“ピレネーの南”に思いを馳せつつ,ElectrotorenやMABARのカタログとにらめっこし,スペイン語と格闘したことであった.