4月10日の昼12時20分,東急電鉄田園調布駅を“美しい時代へ - 東急グループ 100th”と記されたヘッドマークを掲げた列車が出発した.
 今年9月2日に,現在の東急グループの出発点とされている目黒蒲田電鉄の設立総会が開かれてから100周年となるのを祝う企画のスタートとして運転を開始した,“東急グループ100周年トレイン”である.

これからお目にかける写真は,田園調布駅での出発式に先駆けて催された,元住吉検車区での,車輛そのもののお披露目の模様である.
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ラッピングによって掲出されるヘッドマークには,2本のレールと数字の“1”を“安全,安心や環境を象徴する”緑で記し,続く“0”をコーポレートカラーの赤で,二つめの“0”を“お客様や豊かさを表す”黄色であがいたもので,それぞれが重なり合うことで,成長を続けてゆく決意を表現している,という.
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掲出された車輛は,目黒線用3020系の第1編成.3821は蒲田……日吉向きだが,演出のために最初は“目黒”を表示して据え付けられていた.
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車体側面にも,“100th”のロゴを散りばめたラッピングが施されている.

車内も,すべての広告枠が“100th東急グループ”に埋め尽くされている.
 幕板には,“TOKYU TRAIN HISTORY”として歴代車輛を紹介するとともに,“TOKYU百年絵巻”として沿線風景の変化を写真で綴っている.中吊りは“100th”ロゴの横にご挨拶を記した横長ポスター.車種によって,横長1枚タイプと通常サイズ2枚セットの2種類がある.
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写真は昭和20年代からの5000系や玉電200形など,僕の世代にとってあこがれの電車たちのセクション.古い歴史的写真には荻原二郎さんや宮田道一さんなど,お馴染みの名前が,撮影者としてちゃんと記されている.
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“TOKYU百年絵巻”は,渋谷地区再開発のイメージ図で締めくくられている.

目黒線の3020系には,独自の掲示として,“田園調布の100年”シリーズポスターが掲出されている.
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戸袋部などに掲示されているのは,田園調布の100年.写真は移築復元された旧田園調布駅本屋が竣工したときの写真.改めてみれば,もう22年も前の歴史となっていた…….

4月10日から目黒線で走り始めた“東急グループ100周年トレイン”は,2023年3月末まで走り続ける.
 第2陣は4月13日には池上線に登場.17日には田園都市線,20日には世田谷線,25日には東横線,27日には東急多摩川線と,次々登場する.そしてしんがりは4月29日の大井町線が予定されている.それぞれ,どの編成にラッピングが施されるのか.ウォッチして回らなければ.
 なお,ラッピングは各線区とも共通デザインで,室内の掲示も,“田園調布の100年”以外は同じ内容であるという.
 また,東急電鉄では4月8日から,100周年関連情報の場として,ウェブに特設頁を設置している.これから先,どんな情報が飛び出してくるのか,楽しみなことである.

※2022.04.16追記:池上線は7000系第10編成にラッピングが施されたようである.
※2022.04.19:追記:現在の田園調布駅舎は,移築ではなく新しい材料を使った“復元”であろうとのご指摘を高見彰彦さんからいただいた.出展は東急電鉄のニュースリリースである.感謝申し上げます.