先週に続いて東急電鉄関連の話題.

4月19日,総合車両製作所から1件のリリースが発表された.題して
“東急電鉄5000系(初代)通称『青ガエル』の保存について”

確か,上田交通(現在は上田電鉄)で使われていたトップナンバーは20余年前に陸送で長津田へ移送されて整備保存,その後,山手線渋谷駅ハチ公広場前に車体短縮の上で移設,現在は秋田県大館市で保存されているはず…….
という,あなたの記憶は,正しい.

では,他に“青ガエル”はあったっけ?
あったのである.1980年に長野電鉄へ譲渡されモハ2510となって赤とクリームに塗られ“赤ガエル”として親しまれたデハ5015が.
 この,元デハ5015は,1997年に廃車の後に,長野県須坂市の“トレインギャラリー NAGANO”の敷地内で保存展示されたのは,とれいん本誌でもご紹介したからご記憶の方も少なくないだろう.
 その“トレインギャラリー NAGANO”は,昨年春に惜しくも閉館となって,“赤ガエル”の行方を気に懸けていたいたところへの,朗報である.

総合車両製作所が,創立10周年を迎えた記念事業の一環として横浜事業所へ引き取り,同地で保存するとのこと.
 リリースでは今年から来年にかけて横浜へ移送,復原整備の予定とされている.ということは長電時代のままではなく,東急電鉄時代の姿が甦ることになる.実際,リリースには,デハ5037の公式写真が掲載されていた.
11-東急5037-S32
昭和32/1957年製のデハ5037を先頭とする3連.この写真は,当時の東急車輌製造が撮影した,“青ガエル”生誕時の写真として,あまりにも有名である.当時,三井信託銀行(現在は三井住友信託銀行)の信託車輛制度が適用されたこともあって,三井信託銀行の社史にも掲載されたほどに.しかし,カラー写真であったとは夢にも思わなかった.それとも,現在のデジタル技術によるカラー復元の成果だろうか…….2022年5月27日追記:デジタル技術の成果ではなく,オリジナルがカラー写真だったそうである.詳しくはここをご覧ください.写真:総合車両製作所

なお,4月20日付けの“トレインギャラリー NAGANO”ウェブサイトには,“5月中に横浜へ旅立つ”と記されている.


さて,続いては同じ5000系列でも現在の車輛.そのうちの,東横線用5050系の話題である.
今年2月20日付けのここで,
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乗り入れてくる東急電車にも,5050系の60番代後半のうち1本に残っていた新形列車無線アンテナ未装備編成を見掛けなくなったし,さらに乗務員室との仕切壁の窓が埋め込まれた編成が出現しているのも見掛けている
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と記している.

そのうちの,アンテナ増設が未完了だったのは,5166の編成だった.写真は2月16日に石神井公園での出会い.
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石神井公園での折り返し列車に使われていたのに遭遇したのは,ラッキーだった.そしてこのあと3月16日から翌日に掛けて,なんと総合車両製作所へ甲種輸送されたとの目撃談が鉄道フォーラム(会員制)で報告された.

これで列車無線アンテナ未増設編成は僕の地元ではいなくなったと思っていたのだけれど,3月31日,元住吉検車区での“相鉄・東急新横浜線開業相互直通運転”開始1年前の,鉄道ネットワーク7社局車輛勢揃いという撮影取材を終えての帰り道,祐天寺のホームで東横線ウォッチングをしていたら……
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やってきた横浜高速鉄道Y500系の第5編成の屋根には,まだアンテナが増設されていなかった.

その存在は確認していたし,ときおり見掛けてはいたのだけけれど,まだ改造されていなかったとは.

この日は,先のブログに記した“乗務員室との仕切壁の窓が埋め込まれた”編成も,やってきた.5167編成である.同様の改造を施されているのは5167,5168,5169の3編成である.5166も同じ改造を受けるのだろうと思っていたのだけれど,総合車両製作所へ搬入されたということは,別の改造が施されるのかもしれない.もしかしたら中間車を挟んだ10輛編成化か……?
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改造の様子が一目でお判りいただけるだろう.窓を埋めたばかりではなく,客室側に張り出していることも判る.行先は……石神井公園だった.地元で待ってると,なかなか遭遇しないのに.

ということで,Y500の第5編成と5050系の5167~5619の4編成という,目を離せない存在が,また増えた.

そして今日はもうひとつ,特別な話題を次のエントリに記したので,続けてご覧いただきますよう!