タイトルが“東武鉄道”だから,先週のエクストラ版の続報と思われた方も,多いだろう.実は,僕もそのつもりでいた.

でも実際には,同じ“新しい”でも,4月26日に発表された,本当に(?)最新のN100系情報となった.
 このところ,新しい構想や計画,そして報道公開が立て続けで,嬉しい悲鳴というのが実感である.先週,南栗橋から長駆の移動で撮影した“新車”のことも,いましばらくお待ちいただくことにしたい.すみません.

さて,その“N100系”については,昨年11月11日のここで“東武鉄道に次世代スペーシア N100系登場!”と題して第一報をお届けしている.ただ,その時点では6輛編成であることや定員が212名であること,アルミ合金製で製造担当は日立製作所であること,そして製造されるのは4編成であること,などをお伝え出来ただけで,風変わりな先頭車の窓形状の理由などは,明らかにされなかった.
N100パース
前回お目に掛けたのと同じイメージイラスト.先頭車に配された六角形の側窓が注目された.後でお目にかける平面図から,描かれている先頭車は東武日光方,1号車ということが判る.写真:東武鉄道

その六角形の側窓は両先頭車に共通で,6号車となる浅草方の運転室直後は定員7名の“コックピットスイート”,1号車である東武日光方は1輛全部が“コックピットラウンジ”と命名された特別スペースとなっている.浅草方先頭車の連結面寄りは“コンパートメント(区分室)”.1室定員4名の部屋を4室設置している.
N100_コックピットスイート
プライベートジェット機をイメージしたデザインだという,コックピットスイート.運転室と客室との仕切りには大きな窓が設けられ,天窓こそないものの広い展望を満喫することができる.床面積は11平方メートル.定員は7名である.写真:東武鉄道
N100_コックピットラウンジ
東武日光方先頭車に設けられるのがこのラウンジ.日光金谷ホテルや外国大使館別荘のインテリアをモチーフにしたデザインを採用し,4,2,1名掛けのソファを配し,連結面寄りにしつらえられたカウンターから飲み物などが提供される.20名の定員が設定されている.写真:東武鉄道
N100_コンパートメント
浅草方先頭車の連結面寄りに設けられたコンパートメント.ソファは“コ”字状に配置されている.テーブルは折りたたみ方を変えるなどによりレイアウトと変更することが可能である.4名×4室で合計16名.写真:東武鉄道
N100_プレミアムシート
東武日光方から2輛目,2号車がプレミアムシート車.東側が1人掛け,西側が2人掛けの回転クロスシート.近鉄“ひのとり”などと同じバックシェルタイプを採用して隣接する席に気兼ねなく背摺を倒することができる.そのリクライニングは電動式で,ピッチは120cm.定員35名.浅草方には1台分の車椅子スペースを備えている.写真:東武鉄道
N100_スタンダードシート
今の100系“スペーシア”と同じ110cmのピッチを有する2/2人掛けシートを配置する.3~5号車が該当する.合計定員130名である.写真:東武鉄道
N100_ボックスシート
5号車の東武日光方に設けられるのが,固定向かい合わせで幅80cmの腰掛を配したボックスシート.通路を挟んで1組ずつ,合計定員4名である.
写真:東武鉄道
これで定員の合計は,212名となった.
 なお,1,3,4号車の浅草方デッキと6号車東武日光方デッキには機器室やパウダールーム風のスペースが,平面図に描かれている.
 2号車の東武日光方には洋式トイレが2室設けられている.
 5号車の浅草方には大形車いす対応トイレや多目的室,通常の洋式トイレ2室がある.
座席配置図

付属設備を含めたインテリアの配置状態を描いた平面図.左が浅草,右が東武日光方である.写真:東武鉄道

導入時期は,2023年と改めて発表された.また,使用線区は東武伊勢崎線,日光線,鬼怒川線で,列車は浅草と東武日光及び鬼怒川温泉間とも明記されている.

ということで,お伝えしたインテリアの概要である.昨年11月11日の第一報では,その追記で,次のようなことを記した.
---------
※2021.11.13追記:イラストの先頭車はラウンジではないかとのご意見をいただいた.異形窓の採用も,そのように考えれば納得できるような気がする.となれば,一番奥の車輛の窓配置が異なっているような気がするのも,そこが個室であると考えれば,納得できるかもしれない.
---------
と,なんだか結果的に,読者の方からのアドバイスによって,予測はほぼ正解に達していたようである.

さらに詳しくは,追っての発表を待ちたい.
S7C_4340
そして最後にお目にかけるのが,この3月に,100系“スペーシア”初の廃車となった104編成の,在りし日の姿である.撮影は姫宮と東武動物公園の間.2018年10月23日であった.