きのう10月1日は,東海道新幹線が開業してから半世紀の節目の日.東京駅や名古屋駅,静岡駅や新大阪駅では,華やかに記念式典が開催された.
 折りしも…もちろん企図してのことだけれども…,東京のキヤノンギャラリー銀座では,日本鉄道写真作家協会,JRPSのメンバーによる写真展“新幹線半世紀”が,今日から始まった.
 7月の末には“今年の夏休みは品川のキヤノンSタワーでJRPS写真展“魂の鉄道写真”と題して,JRPSの写真展を紹介したばかりだというのに,メンバーの創作意欲はますます意気軒昂というところだろうか.なにしろ四面の壁全てが“二階建”.北から南まで,日本中の新幹線の全ての景色と全ての車輛が,凝縮されているのだ.

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二階建どころか,場所によっては三階,四階建の展示となった会場.列車の走る密度と速度を思えば,このぐらいの“ぎっしり”さこそ,新幹線の写真展にふさわしいのかもしれない.

各メンバーの個性が発揮されて幻想的な作品から迫力満点のものまで,さまざま.これも,再来年にはいよいよ北海道に達する日本の新幹線の多様さを表現していることになるのだろう.

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“とれいん”誌上でおなじみの松本正敏さんは,今年6月に撮影したばかりの,山形新幹線E3系を出品.降り付ける驟雨を弾けさせながら峠道を駆けるE3系の姿 は,この写真展の目玉作品のひとつといえそうだ.都築雅人さんは,意外な場所での意外な新幹線風景を出展.どんな写真なのかは,会場を訪問しての,お楽し み.

昨日の夜は,“前夜祭”ということでオープニングパーティーが催されたのだけれど,メンバーや関係者が会場に溢れんばか りに集まった中に,久し振りにお目にかかる方の姿があった.それは特別ゲストの大石和太郎さん.昭和39/1964年10月1日の,上り一番列車の運転を 担当した,栄誉の運転士さん.というよりも,ここの読者には,熱心な鉄道趣味人であり,ライブスチーマーとしての認識が高いかもしれないが.

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10 月1日に至るまでの各方面との連絡打ち合わせの連続と,当日の極度の緊張の中での運転.その中で,お客さんへの最高の演出“ただいま時速210キロで運転 しています”を,如何に実現したか,それらのエピソードが,50年を経て,ほとんど初めて公の場で語られた.写真は,永年のご友人である宮澤孝一さん (中),JRPS会長の猪井貴志さん(右)と並んで記念写真の大石さん.

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と いうことで,この写真展は,銀座は10月8日まで.続いて16日から22日までが大阪梅田,さらに30日からは福岡……,続いて札幌,名古屋,仙台と巡回 する.ぜひ足を運んで,これまでにない新幹線の世界を堪能していただきたいと思う.掲載した写真は写真展案内葉書より.

各会場のオープン時間などは,キヤノンギャラリーのウェブサイトでお確かめいただければ幸い.会期中にはJRPS会員によるトークショーなども企画されている.ちなみに銀座では10月4日に催される.

※ここに掲載した写真は,このブログに掲載するために予め許可をいただいて撮影したものです.会場内は撮影禁止です