北海道のニセコといえば……C62の重連を思い浮かべる人,スキーリゾートを想う人,JR北海道が初めて完全自作したリゾート列車“ニセコエクスプレス”を思い出す人……それぞれさまざまだろう.あるいは,とれいん誌の熱心な読者なら,荒川好夫さんの写真展などを催している有島武郎の記念館がある町,という認識もあるかもしれない.
5月の初め,その有島記念館の主任学芸員である伊藤さんから“ニセコは桜満開の季節を迎えております”という書き出しのお便りをいただいた.
内容は,今年度の“ニセコ鉄道遺産群の公開について”であり,雪解けの様子などを勘案しつつ,5月28日からの公開を考えている,というものであった.
ニセコといえば,折しも今年3月末に,北海道新幹線の札幌延長に際して,並行在来線となる函館本線の長万部と小樽の間の存廃に結論がだされたばかり.結論はといえば,残念ながら,余市以東は残るかもしれないという期待も虚しく,長万部から小樽まで,一挙廃止の方針が決まったばかり…….
転車台と木造の車庫と給水タンクと作業スペースの差し掛け……かつての駐泊所を思わせる造り.もしかしたらニセコには本当に駐泊所があったのではないかと思わせる情景である.5月の初め,その有島記念館の主任学芸員である伊藤さんから“ニセコは桜満開の季節を迎えております”という書き出しのお便りをいただいた.
内容は,今年度の“ニセコ鉄道遺産群の公開について”であり,雪解けの様子などを勘案しつつ,5月28日からの公開を考えている,というものであった.
ニセコといえば,折しも今年3月末に,北海道新幹線の札幌延長に際して,並行在来線となる函館本線の長万部と小樽の間の存廃に結論がだされたばかり.結論はといえば,残念ながら,余市以東は残るかもしれないという期待も虚しく,長万部から小樽まで,一挙廃止の方針が決まったばかり…….
反対側に回ってみれば,広々した空き地にはテーブルや椅子が適度に置かれ,本線を行く列車を,のんびりと眺めることができる.
転車台は,1989年に根室本線の新得から移設してきた“本物”である.当時運転されていた“SLニセコ号”の牽引機であるC62 3の転向が目的だった.実用品でもあったわけである.
20m下路式バランスト形のこの転車台,狩勝峠の無煙化後も長らく新得駅構内,機関区跡地に残されていた.1988年のキハ82系特集の取材に際して,当時のリゾートエクスプレスを北海道全域に追い求めた時が,僕の初めての狩勝越えだったかもしれない.新得の駅もおりた記憶があって,草生したなかの転車台も,見たような気がする.でも,今日のこのブログのためにネガを探索する暇は,なかった.
その次の新得訪問は2007年8月,261系の試運転撮影が目的だった.その時点では移設済みで,駅構内にはキハ40系がたむろするばかりだった.
閑話休題.ニセコ駅である.
保存されている9643は,かつてサッポロビール園の敷地内にあって,多くの人に親しまれた機関車.それが2017年にビール園が大改装されることになって保存スペースが……よくある事情である.困ったものではあるが……,ということで,ニセコ町にやってきた.ビール園の前はどこの機関区?ではなくて,…宗谷本線豊富から出ていた日曹炭鉱天塩鉱業所専用鉄道で働いていた.
移設実現に際しては,ニセコ町の熱意と,MODELS IMONの井門義博さんのご尽力が大きかった.今では立派な差し掛けの下で美しく整備され,ほっとひと息,といったところだろう.その次の新得訪問は2007年8月,261系の試運転撮影が目的だった.その時点では移設済みで,駅構内にはキハ40系がたむろするばかりだった.
閑話休題.ニセコ駅である.
保存されている9643は,かつてサッポロビール園の敷地内にあって,多くの人に親しまれた機関車.それが2017年にビール園が大改装されることになって保存スペースが……よくある事情である.困ったものではあるが……,ということで,ニセコ町にやってきた.ビール園の前はどこの機関区?ではなくて,…宗谷本線豊富から出ていた日曹炭鉱天塩鉱業所専用鉄道で働いていた.
そしてもう1輛,2020年11月に搬入されたのが,1988年の新造時に取材し,JR北海道の全面的協力を得て図面を描いたキハ183系5000番代,“ニセコエクスプレス”である.JR北海道のリゾート気動車は,それまでの改造車路線から,新造車路線へと舵を切ることになる.2017年の廃車に際して保存活動が行なわれ,念願かなってゆかりの地での保存が実現したというわけである.
濃い霧の中で転車台に載るキハ183 5000番代.30年前の冬に苗穂工場で初対面した時の美しさ甦っている.今回の写真全部提供:ニセコ町有島記念館さて,COVID-19ウィルス感染禍に悩まされながらも活動を続けている有島記念館の,今年の鉄道関連活動は,“ニセコエクスプレスを屋外でも公開すること,転車台の電動での稼働などを行ないたいとしている.
ニセコ鉄道遺産群
5月28日以降9月25日までの土、日曜日10時頃から16時頃までキハ183 5001の建屋の扉が開放される(荒天時は取り止めることもある)
ニセコ鉄道遺産群
5月28日以降9月25日までの土、日曜日10時頃から16時頃までキハ183 5001の建屋の扉が開放される(荒天時は取り止めることもある)
所在地は
ニセコ駅隣接地(旧殖民軌道真狩線狩太停留所跡)
北海道虻田郡ニセコ町字中央通144(JR ニセコ駅隣接地・ニセコ大橋側)
問い合わせ先 ニセコ町・有島記念館
北海道虻田郡ニセコ町字有島57 電話0136-44-3245