JR北海道の電車として711系電車が最初に頭に浮かぶのは,もう相当のベテランファンだろう.JR発足後に開発された721系ですらデビューしてから25年以上が経過した.
その後に登場した731系や733系は,711系の後継車であるとともに,電車の需要拡大に応じた増備車という意味合いも強い.だからこそ,711系も後
期車は今日まで現役として活躍を続けているわけだ.とはいえ,流石に命脈が尽きようとしている.その具体的な姿として去る16日に披露されたのが,733
系3000番代.地元のベテラン,奥野和弘さんに取材をお願いしたので,まずは速報.
711系も721系も,当初は3輛ユニットで企画製造
されたが,721系の途中から6輛固定編成が登場し,札幌都市圏での鉄道輸送需要の旺盛さを感じさせてくれたものである.731系や733系では3輛ユ
ニットに戻ったものの,今回の3000番代では再び6輛固定が登場した.
その理由は,この3000番代が主に使われるのは札幌と新千歳空港を結ぶ快速“エアポート”だから,ともいえる.
快速“エアポート”といえば,全国でも数少ない“普通列車の指定席車”の需要が旺盛であることでも知られる.自由席車の混雑率が高く,大きな数多い荷物を
持った飛行機からの,飛行機への乗客が安心して乗りたいという要望に応えるため,というのが,主な存在理由といえるだろう.
ということで,“uシート”と名付けられた指定席車は存続する一方で,自由席車はロングシートとなった.もとより,731系以降の電車はロングシート車だから,なんら不思議はない,ともいえるが.

旭川及び苫小牧向き先頭車であるクハ733-3101を先頭としたB3101編成.モハ733-3101+サハ733-3101+サハ733-3201+モ
ハ733-3201+クハ733-3201と続く.サハ733-3201以降の3輛はB3201編成とされている.札幌運転所 平成
26/2014-6-16 写真全部:奥野和弘
車体はステンレス鋼製.側扉は片開き式で片側3枚.“uシート”車であるサハ733-3201~の2枚の扉以外は戸袋窓はない.側窓は扉間2枚の固定式.ガラスの内側に日除けのための細い柱がある.
ざっと眺めて気がつくのは,極寒地の電車に欠かせない装備といわれてきた“雪切室”のルーバーが姿を消していること.これは,主電動機を全閉式とした結果である.雪切室がなくなったことで,客室スペースが拡大している.

“uシート”車サハ733-3201~.窓下の帯が濃い青であるのが自由席車との識別点.側扉の2枚戸袋窓があるのも他の車輛とは違う点.

“uシート”車の客室.回転クロスシートを備える.車端部には車掌室と業務用室を設備.

自由席車はロングシート.吊り手と腰掛け表地がオレンジの部分が優先席.照明にはLEDを採用.“uシート”車と共通の直管式.
トイレはクハ733-3101~に通常サイズの,サハ733-3101~に車椅子対応サイズのものを設備している.サハ733-3101とクハ733-3201~には車椅子スペースを設けている.
運転室は733系1~と基本的に同一の機器配置で,左手操作式ワンハンドルのマスコン・ブレーキが採用されている.
編成重量は218.4t,編成定員は821名と発表されている.
今年秋までに5編成30輛が投入されることになっており,これによって,これまで快速“エアポート”で使われていた721系が一般運用に転じ,その結果として711系が完全に引退する予定である.