ここ数週間,いつになくドイツづいていた.だから(?)今週のこのブログは,長編である.
始まりは,5月15日からの,ドイツ観光局の観光広告キャンペーン.スタートは1994年だというから,もう20年の歴史を持つ催しなのだけれど,西武池袋線沿線住民の僕にとっては,親しい存在となったのは去年5月30日のここで記したとおり,東急東横線との相互乗り入れ運転が始まった昨年から.

ラッキーにも,運転開始の翌朝,この編成に乗り合わせることができた.8輛編成の東急5050系5169編成(去年と同じ!)の車内は,幕板も中吊りも,TOQビジョンも,全部が観光局と協賛企業の広告で埋めつくされていた.この写真では戸袋に岩塩“アルペンザルツ”,幕板にロマンチック街道,中吊りの手前がルフトハンザドイツ航空,奥がフォルクスワーゲン…….
このキャンペーン,今年は東急東横線,田園都市線,JR西日本の京阪神間の新快速で1編成ずつ,合計26両で6月1日まで実施中.ラッキーにも乗り合わせたら,ドイツに縁があったとして,ドイツへの旅行が当たる,この期間限定の“ルフトハンザで行くドイツの旅”に応募するしかないだろう.
なお,写真に登場した各社のほか,メルセデスベンツ日本,ゲーテインスティトゥート,高級キッチンフェアのフィスラー,ドイツ・ユネスコ世界遺産協会が協賛している.
続いては5月22日の夕刻から,東京赤坂のドイツ文化会館で開催された“黒い森高原 楽団と活動写真弁士による無声映画上映会”.本来は高地シュヴァルツヴァルト観光局の プレゼンテーションであるわけなのだが,その目玉として,シュヴァルツヴァルトの古今と四季を題材とした無声映画が上映されることになったもの.旅行業界 やメディア関係者ばかりではなく,ドイツ観光局のメールマガジン購読者にも参加を募り,会館の大ホールが埋めつくされる盛況ぶりだった.

上映直前のスクリーン前.単なる上映会ではなく,生の弦楽五重奏と,弁士による語りという演出が,格別であった.画面左端が指揮者のギュンター・ブーフヴァルト氏.
プロデューサーはライナー・ミュルベルト氏,指揮はギュンター・ブーフヴァルト氏,弁士は片岡一郎氏,演奏は第1バイオリンが益子 侑,第2バイオリンが小寺里枝,ヴィオラが飛澤浩人,チェロが横山 桂,コントラバスが小幡奈緒美の各氏.
“Schwarzwald
- Klangfarben und Lichtblicke(黒い森 -
音色と明るいスポット)”と題された映画の内容といえば,19世紀後半に始まり,20世紀初頭を経て現代に至るまでのシュヴァルツヴァルト各地の自然や
人々の営みが活き活きと描かれていて,僕の頭の中には,23年前に1度だけ訪問した時の,さまざまな思い出が鮮明に甦ったのだった.
フライブル
ク(Freiburg
iBr)からドナウエシンゲン(Donaueschingen)への山岳鉄道ヘレンタール線(Hoellentalbahn)の建設の様子や,アプト式蒸
機が走るシーン,有名なラヴェンナ橋梁(Ravennaviadukt)が鉄橋から石橋に架け替えられる過程など,鉄道好きには見逃せないシーンも含まれ
ていた.
残念なことにこの映画,今のところ日本国内で上映する具体的な計画はないとのこと.僕のこの文を読んで興味を持った方は,ぜひ,ド イツ観光局へ要望をお寄せいただきたい.実現のために.なお,7月26日シュヴァルツヴァルトの中の湖ティティゼー(Titisee)での上映が計画され ているという.なお,現在,高地シュヴァルツヴァルト観光局のウェブサイトでは,この映画のごく一部を鑑賞することができる.
さてその翌週の5月27日,今度はベルリン観光局のプレスコンファレンス.テーマは“壁の崩壊から25年”.
5年前の20周年に際しては,ドイツ文化会館のエントランスホールで当時を偲ぶ夕べが催され,12月号のとれいんで
はCoffee
Cupで“あれから20年 ベルリンの壁崩壊”と題する思い出話を書いた.あれからもう5年が経ったのかと,感慨一入であるが,それはドイツ人にとっても
同じ思いのようで,来日したベルリン観光局局長のブルクハルト・キーカー(Burkhard
Kieke)氏のプレゼンテーションでは“あの壁はどこにあったのかという問いが,年とともに増え……”という意味の一節があった.そこで彼らが企画した
のが,11月7日から9日にかけて,市内を東西に分断していた約12キロの壁の跡に沿って,光の風船を設置し,9日の午後7時半に,空へ解き放って“壁が
なくなった”ことの象徴的シーンを演出するのだという.

「ベルリンの壁崩壊25周年記念プロジェクト」の象徴的シーン.ブランデンブルク門を横切る,光の風船.これが一斉に空に放たれる瞬間,見てみたい.Photo:BerlinTourismus&KongressGmbH
主
催するのは,ベルリン市文化振興機関(Kulturprojekte Berlin).総裁であるモーリッツ・ファン・デュールメン(MORITZ
VAN
DULMEN)氏が語るところによれば,約8,000個の,自動車のBMWに使われているLEDを内包し,ヘリウムガスを詰めた風船で,11月の3日間,
昼も夜も,ベルリンを縦断させるという.
実際に壁があった時には叶わなかった,“壁の存在を両側から同時に自由に感じる”ことが,この3日間に限って可能となるのだ.
この風船群,律義に端から橋まで辿るもよし,思い定めたポイントでじっくりと観察するのもよし.そして空に放たれる瞬間は,市内の各所に設けられるパブ
リックビュースクリーンで,1ヵ所に居ながらにしてさまざまなシチュエーションを楽しむことができるという.ちなみに,僕が頭に思い浮かべたベストビュー
ポイントは,アレキサンダー広場のTV塔.その展望台はまだオープンされている時間帯だから.もっとも,収容人員は限られるから,なんらかの制限が実施さ
れるかもしれない.その辺りを質問したら“まだ決まっていない”とのことだったが.
