先週の日曜日,用事があって川崎方面へ出掛けることになったのだが,この日は,とれいん7月号“甲種・特大運転情報”によれば,近畿車輌から東京都交通局三田線6500形の甲種輸送列車が通過するというので,久し振りに,JR貨物の新鶴見信号場に隣接する新川崎ふれあい公園での列車ウォッチングを楽しんできた.いや,ダイヤも貨物時刻表も持たず,しかも,ホンの1時間ほどだけなんですけれどね.
 この新川崎ふれあい公園,最初に訪問したのは,公園ができて間もない2011年はじめのことだった.
 その後も甲種輸送列車が運転されるたびに訪れ,列車観察に勤しんできた.
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僕が現地入りしたお昼前には,甲種輸送列車は既に到着済みで,EF65 2068に牽かれて静かに停車中だった.

隣りの線路には機関車交換待ちと思しき列車が1本停車中.僕の目を惹いたのは,その先頭のコキ104の積み荷.
 なんだか往年のワゴン・リの,中央にだけ荷室があって両側がフラットになっている荷物車みたい……,
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現実には中央に汎用の19Dコンテナを載せ,両端に無蓋コンテナを載せた,という積み付けなのだが.


両端の無蓋コンテナはUM16A-25007と25003.中部鋼鈑という会社の私有コンテナである.
 中部鋼鈑とは名古屋に本社がある会社で,圧延鋼板が主力製品とのこと.このコンテナもその鋼板を輸送するためのもので,30個程度は存在しているらしい.関東では宇都宮や熊谷への列車に積まれているとのこと.会社名の“鈑”が,なんとなく嬉しい.
 それにしても近年は荷票が姿を消してしまったので,発駅や行き先が判らなくて困ること夥しい.
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すぐ隣には芳賀通運の無蓋コンテナUM12A-105052が.宇都宮ターミナル常備のようなので,この列車は東北方面行きということになる.

UM12という無蓋コンテナは,産業廃棄物輸送が用途であることが多く,このコンテナもその仲間であるようだ.

12時20分過ぎ,機関区からEF210-151が姿を見せた.と,同時にEH500-15の牽く列車が到着.
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しかしこの列車の牽引機はEF210-125だった.けれど行先はやっぱり東北本線,それも宇都宮貨物ターミナル行きということになる.今では黒磯での機関車付け替えはなくなったから.そういえば交直セクション移動後の黒磯は,まだ訪問できていない.行ってみなくちゃ.

12時21分,しずしずと発車してゆくこの列車,主体は汎用有蓋コンテナだったが,後ろの方には,丸和通運のクールコンテナが積まれていた.
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“1コキ車3個積載限定”と注意書きがある.丸和通運は東京に本社を置く通運会社である.12フィート冷凍コンテナとしては新しい部類なのだそうだ.
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続いて到着したEF210-133牽引の列車が到着……と思ったら,向こう側にはEF66 119がやってきた.1輛目のコンテナ車が空荷だったのが幸いした.

今やEF66も,とれいん誌のMODELERS FILEで採り上げたEF66 27は定期運用から退き,JR貨物が発足してから新造された100番代も初期タイプは絶滅,後期タイプも数を減らしつつあるようだ.だから,このシーンは“ラッキー”というべきなのだろう.
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牽引機が,さきほどのEF210-151に交代.向こう側には引き上げて折り返し,機関区へ戻るEF120-133の姿が.旅客駅では絶えてみることができなくなった光景である.
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5分後には,またもやEH500が到着.今度は29号機.さきほどの15号機とは向きが逆である.“JRF”のサービスマークが撤去されているのは同じ.EF210がいずれも残されたままなのと対照的である.

北海道からやってきただろうこの列車……通過時刻的には,山手線を正午頃に通過する,あの列車だろう.
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積み荷は大形コンテナが主体.鮮やかな青に白い帯が印象的なのはUV54A-38026.ダイニチグループという通運会社所有で,数は多くないようだ.
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大形の冷凍コンテナUF45A-38003も.北海道からのお客さんである.上部に“コキ500000積載禁止”の注意書きが残っているのはご愛敬.
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そして13時20分,甲種輸送列車が発車していった.みんなで思い思いに工夫を凝らして撮影にいそしむ.

暑かったけれど,のどかな日曜日昼下がりの新鶴見信号場であった.