7月22日,横浜地下鉄新横浜駅の,さらに深い地下で,東急電鉄相模鉄道のレールが繋がった.締結のセレモニーは,鉄道・運輸機構の主催.これから各種試験,検査,訓練運転などを行なって来年春の開業を目指すことになる.
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案内図に示されていた会場入り口は,まさに工事現場であり,この,完成予想イラストが,ほぼ唯一の目印だった.横浜市交通局のキャラクター“はまりん”も登場している.

横浜市内での相模鉄道線と東急電鉄線との相互乗り入れ計画については,2018年1月18日のここで,相鉄20000系電車お披露目に関連したことがらとして……どちらが主体なのかは,人によってそれぞれ捉え方が異なるだろうが……お伝えしたのが最初だと思う.
 その中で触れている通り,相鉄は羽沢横浜国大駅から新横浜駅までの新線を建設,東急電鉄は日吉から新綱島を経て新横浜駅までの新線を建設して列車を相互に直通運転するということになるわけで,この日は双方からのびてきた線路敷設が,新横浜駅で1本に繋がるめでたい日ということで,セレモニーが実施されたわけである.
 この工事には,横浜市交通局も深く関与している.なぜならば,工事案内の写真にもアルト織り,地下鉄新横浜駅の,さらに深い地下を掘って,新しい新横浜駅が建設されたわけで,そのためには地下鉄駅の構造物を大改造する必要があったから.ちなみに新線の新駅は,地上から33mの深さに位置している.


式典は開会の辞,挨拶,工事施工報告に続いて斉藤鉄夫国土交通大臣や黒岩祐治神奈川県知事などによる祝辞があり,いよいよレール締結へ.
 とはいえ,記念の“ゴールデンスパイク”打ち込みが行なわれたのは,もう昔の話.今回は,犬釘に代わるボルトですらなく,なにしろばねでレールを抑え込むパンドロールと呼ばれる,クリップ状の線ばねでレールを抑え込む方式であり,パンプーラーという専用の器具を使って“手前に引く”という作業になる.
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レール締結の儀式は,合計37名によって,2回にわけて実施された.写真は国土交通大臣をはじめ,国会議員が参加した第1回目の模様.

次は,実際に施工を担当した各社の実務者によるお清め.そしてテープカットとくす玉割りへと進む.
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左手でくす玉割り,右手ではテープカットが展開した.

そして締めくくりは,締結されたレールの上をモーターカーで“通り初め”.
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通り初めの誉れを担ったのは,作業用車らしからぬ洒落た(失礼!)カラーリングのモーターカーだった.

この洒落たモーターカー,どこが保有しているものなのか確かめ損ねてしまった……キャブに,東急電鉄の“のるるん”や相鉄の“そうにゃん”を載せてやれば,さらに壮観だったかもしれないと思うのは,外野ならではの感想だろう.あ,まだ施設は鉄道・運輸機構から各社に引き渡されていないのだから,無理な話というものかもしれない.

そういえばこの駅,改めて観察してみれば2面3線であることに気づいた.セレモニー会場となった線路は中線であり,両側にホームがあるから,主に折り返し列車が使うのだろう.駅そのものの管理は東急?それとも相鉄?

利用者として最大の興味と関心は,どこの電車がどこまで直通運転を実施するのか,ということ.どうやら東京都三田線と西武東武東京地下鉄は相鉄線内へは行かなさそうな……ということは,わが西武池袋線で相鉄20000系や21000系電車に乗る,ということも,なさそうな感じ…….いや,これはあくまでも,今のところの,僕の勝手な想像である.

この日,久々の東横線乗車ということもあって,朝,祐天寺の駅で少し電車ウォッチングをしていたのだけれど,やってきた17000系8輛編成は第13編成.すでに5月26日のここで遭遇をレポートしている.残念.
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僕がこの電車の第14,15編成に出会うことができるのは,いつになるのだろう…….

東急電車といえば,7月15日,半蔵門線の錦糸町駅に行ったのだが,約束の時刻にはまだ少し間があったので,ホームにいたら……
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現われたのは東急電鉄8500系8637編成だった.あれほどたくさんいた8500系も,いよいよこの1本だけ.今日はいいことがあるぞ!と思わせてくれた出逢いであった.

これから始まること,間もなく終わること,さまざま体験できた,7月中旬の1週間であった.

※2022.07.29:タイトルの一部変更及び駅の深さ追記