7月29日東急電鉄のウェブサイトに“お知らせ”として,東横線への“Q SEAT”導入がアナウンスされた.
 “Q SEAT”とは,4年前の3月29日に“東急電鉄6020系にクロス・ロング転換シート導入 横浜高速鉄道Y500系第7編成登場”と題して最初の案内をお伝えし,11月15日付けのここで現車をご紹介した,大井町線の有料着席サービスの名称である.
 今回はそのサービスを東横線にも拡大する,ということのようである.
 案内には“2023年度以降に…一部の10両編成車両のうち、4号車・5号車をロング・クロス転換車両にいたします”“4号車・5号車には、「Q SEAT」の車体ラッピングを行います。”とある.

リリース用車両

大井町線の“QSEAT”車がオレンジのラッピングであるのに対して,東横線用は赤.ロゴは同じである.写真:東急電鉄

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今年はじめ,8500系撮影取材の途上で出会った,6020系の“Q SEAT”車.青葉台-田奈 2022-1-21

東横線で10輛編成といえば,5050系4000番代のことに間違いはない.4000番代は現在,11編成があって,東急から東京地下鉄を経由して東武東上線や西武池袋線への優等列車“F-ライナー”を主体に運用されている.うち1編成は特別仕様の“HIKARIE”編成だから,残り10編成が該当することになる.
 “HIKARIE”を含むこれらの編成には,かねてお伝えしている通り,運転室周辺に改造が施されていて,それはたぶん,相鉄乗り入れ対応改造だろう,目にみえる改造部分は今年5月26日のここで,“西武池袋線で見た東急電車と東京地下鉄電車の話題”と題してお目に掛けた.
 同様の改造は8輛編成の一部である5167から5169の3編成にも施されていて,その様子は4月21日にお話している.

リリースではこのあと,営業線での運行開始時期や詳しい運行区間,料金などについては“改めて”お知らせします.とだけ記されている.
 けれど,リリースが出たということは,現車のお目見えも近いだろうと思うのが自然だろう(本当か?).
 2月頃に本線上から姿を消し,3月に甲種輸送で総合車両製作所への入場が確認された5166編成が,7月に番号を4112と改め,10輛編成化を実施して出場した.組み込まれた2輛はまったくのステンレス鋼無塗装無ラッピングという出で立ちだったというのだから,これが“Q SEAT”編成というのは,間違いないことだろう.
 改造前の5166編成の姿は4月21日付けのここでもお目に掛けたが,今日は,東急8500系MODELERS FILEに際してたくさんの写真を提供してくださった深尾 丘さんからいただいていた写真を,ご本人の了解をいただいたのて,お目に掛けることにしよう.
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多摩川の駅に到着する5166…横浜方先頭だから5866…編成.2016-3-27 写真:深尾 丘

となると,“一部の10輛編成”と記された“一部”が具体的には何編成になるのか,どれが種車なのか…興味は尽きない.僕は,いまのところ,5050系の中で運転室付近の改造を施した5167~5169の3本ではないかと,勝手に妄想しているのだけれど.

運転区間については,元町・横浜中華街から渋谷は当然として,問題はその前後.副都心線を経由して東武東上線や西武池袋線にもやってくるのか?はたまた相模鉄道線にも乗り入れるのか?
 西武の“S-TRAIN”とのからみも気になるところ.
 いや,“Q SEAT”はやっぱり横浜方面行きとして,その代わりに,例えば今は西武線から菊名行きとなっている列車を,列車種別はともかく,日吉から新横浜へ乗り入れさせるとか……先週には悲観的な予想を記したばかりの,西武沿線から新横浜まで乗り換えなしの直通が可能になる?
 さらには,地下鉄乗り入れ仕様で登場させた西武の“Laview”の運命は……
 沿線住民の妄想は膨らむばかり……

そして8月6日,“Qシート”車のお披露目が実施された!


※2022.08.06:一部の写真撮影日と形式数字修正.