とれいん11月号のMODELERS FILE,もうご覧いただけただろうか.テーマは久し振りの京成電車で,わずか2編成が残るのみとなった3600形である.

この3600形は,京成トラベルサービス主催の撮影ツアーが開催されるほどに,最近の京成ファンには注目の存在となっている.このツアー,3400形の回には僕も取材させていただき,6月16日付のここで“京成電鉄3400形乗車と撮影の旅”と題してレポートした.
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3400形ツアーの一コマ.3600形4輛編成も顔を見せた.リバイバルカラーの3688編成は屋根上を撮影することができた.その写真の一部は,今回の記事中でも使わせていただいている.

実は以前から3600形を採り上げたいという希望はあって,構想を練っていたところへのこのツアー.気運は一気に盛り上がったのである.
 真横写真撮影などには,沿線住民であり,大の京成ファンである平野の協力で,大いに助かったことである.
 しかし僅か2編成しか在籍しない電車だけに,車庫取材の手配には広報の皆さんのお手を,大いに煩わせることになってしまった.ようやく実現したのは9月14日のことである.
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残暑厳しい一日だったが,空にはほとんど雲もなくて,絶好の撮影日和.どちらの編成のステンレス車体も機嫌よく輝いてくれた.広報と検車区の皆さんには本当にご厄介おかけしました.心から感謝しております.

取材の締めくくりは沿線での列車写真撮影.天気図を睨みつける日が続いた.いくら天気がよくても肝心の電車が運用に入らなければ空振りということになる.この日ならどうか?と目星をつけて早起きして宗吾参道近くの線路端に出掛けたのが9月26日のことだった.
 日の出から20分,6時半には上野行きとして僕の目の前を3688編成が通り過ぎて行った.運行番号は09.この後は京成臼井と上野の間を往復する運用のようだというのが,いろいろ調べて得た情報である.ならばユーカリが丘と京成臼井の間で待ち構えるのがよいかも……ということは,少し時間に余裕がある.
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日の出直後というのは人間にもペットにも散歩に絶好の時間帯.電車と並走する人や犬が大勢いた.写真は3748と並走する少年と犬.でも犬の足や顔の向きが,なんか変だ……
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なんだか僕と遊びたかった様子.いつまでもこっちを見て,でもご主人様はそんなことお構いなく,どんどん前に進んでしまった…….

去年の秋,南海本線の沿線で撮影していたら,やっぱり散歩中の犬が近寄ってきて,いきなりの“へそ天”.犬や猫を飼ったことのある人なら,これがどういう場面なのか,ご理解いただけるだろう.見も知らぬ人間には,ふつう,見せない態勢なのに.犬っころには好かれるんだよなぁ.
 というような一幕をまじえながらの撮影が一段落したら,あとは一気に執筆と編集作業.途中で3668編成が宗吾の車庫でなにやら工事中…という目撃情報もあったけれど,自身の目で確かめに行く余裕はなかった.だから本文では確たることを書くことができなかったのだけれど.

11月に入って間もない2日の午後,日暮里方面に出掛ける用事があって,そのまま京成沿線に足をのばした.3668編成が使われていることの多い金町線目指して.

京成高砂にたどり着いたのは,もう午後4時.いそいそと金町線の中間改札へ向かったら,停まっていたのが3668編成.
 まずは屋根に目を向けたら,空調装置の間に,円筒形の真新しい無線アンテナが.
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これで,この編成は来年4月以降も京成線内を走ることができるわけである.
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乗務員室運転室の中には棒状のアンテナも取り付けられていた.

運転室は,しげしげと覗き込むわけににもいかないが,運転席の右手に,新しいモニターを確認することができた.
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11月号6頁の写真と見比べていただければ,どこが変化したかがご理解いただけるだろう.

そして降り立った柴又の駅……対向列車は
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芝山鉄道カラーの3500形だった.こちらは列車無線アンテナが運転室上部についているのが確認できた.

それともうひとつ……車掌室側の窓に,なにやら札が.
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芝山鉄道開業20周年記念ヘッドマークだった.

帰宅後に調べてみたら,10月27日から掲出を始めたばかりとのこと.運用予定は,芝山鉄道のウェブサイトで公開されている.
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さらに折り返しての金町行きで,ようやく編成全体を撮影することができた.

思わぬ収穫も得て,改めて駅構内を見渡してみたら,
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ワンマン運転開始のお知らせであった.このポスターでは開始日が未決定となっているが.10月24日のリリースで,2022年11月26日からと発表された
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僅かな時間であれこれ見聞して金町線を完走.初めて降り立った京成金町駅であった.

※2022.11.11:一部写真差し替え