とれいん2023年1月号,もうご覧いただけただろうか.編集部が総力を挙げて制作した,東京の地下鉄道特集である.
 僕が担当したのは,3編のMODELERS FILE.東京都交通局三田線6500形と東京地下鉄有楽町線・副都心線17000系8輛編成,そして丸ノ内線2000系後期車である.そして東京地下鉄8000系では,写真撮影と資料提供手配のお手伝いをした.
 どれも準備万端,東京地下鉄の全面的なご協力を得ての車庫取材や資料,そして日常の記録写真などを整えて取り掛かったつもりなのだが…….
 結局は締め切り間際になって始まった新しい動きの追加や,新たに判明した事実の確認などに追われることになった.そのうちのいくつか……例えば17000系のローレル賞プレートや2000系のPQモニタリング台車の写真,そして6500形のスカートの謎解きなどは,かろうじて誌面に反映することができた.その影響で,既にまとまりつつあった誌面構成を大幅に変更する作業に追われたが,それなりに価値のある話題を提供することができたのではないかと思う(その一方で,いくつかの項目において誤記や誤植を修正しきれないままの箇所が発生してしまったのは,お恥ずかしい“内緒”である.申し訳ありません).
 ローレル賞受賞式は12月3日土曜日の朝に催された.そのご案内をいただいたのは11月24日のこと.その時点で式典またはプレートの写真を入れるべく,準備をすることは可能ではあった.
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受賞式の式典を終えた後に順光側に移動して17000系17101と18000系18001が並んだシーンを撮影させていただいたもの.両車で
車両の向きが異なっている.現車が落成して以来,恐らくは初めて実現したシーンだとのことである.


しかし,受賞式に参列した17000系は10輛編成のグループ.“間違い”ではないものの,今回のテーマである8輛編成の室内に取り付けられたプレートの方が,よりふさわしい.
 しかし12月3日以降,取り付けられているはずの17181編成と,一向に遭遇しない.そこでやむを得ず,10輛編成のプレート写真を掲載することにした.

ようやく17181編成と出会うことができたのは,今週の月曜日午後のことだった.
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和光市方先頭車17081の運転室と客室との仕切りに取り付けられたプレート.10輛編成では車号表示が仕切の左側なので,8輛編成の方が,1枚で“どの車輛か”というのを示すことができる.なお8号車17181にも同じプレートが掲げられている.
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外観には変更点はない.

続くは,8000系の東武鉄道線乗り入れ禁止表示.
 丸囲みの中に“K”の文字が記されているので,通称を“サークルK”というのだそうだ.かつては東急8500系に多く見られた表示である.7年前には,ほんのわずかな期間ながら5050系にも貼られ,それは2015年7月9日づけのここでレポートした.この時は,東武のデジタルATC未対応編成識別用だった.
 今回のは東武鉄道の列車無線がデジタル化され,その未対応車の正面窓に表示されたものである.沿線読者の方から目撃情報をいただいたのだが,掲示されている写真がない.
 そこで,山賀さんの記事中に,なんとかその写真を入れてもらうべく,チャンスを狙っていたのだけれど,貼られているのは8102と8114の2編成のみ,しかも平日朝夕中心の運用らしいとなると沿線住民でもない僕には,なかなかむつかしく,ただ空しく日は過ぎて行った…….
 18000系は既に11編成目まで営業運転に投入され,東武線への乗り入れが可能な,デジタル列車無線アンテナ装備の8000系も8編成が出揃った.ということは,乗り入れ非対応の2編成は,早々に廃車となるだろう……実際,8114編成は12月に入ってすぐに廃車,8102編成も急がねば!

実見できたのは,17181編成のローレル賞プレートを捉えた翌日の朝,だった.珍しく朝一番の渋谷に出掛けることとなったので,なんとなく待っていたら,現われた!
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露払い?で,こんな電車もやってきた.引き続いて元気で走っているようだ.
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待つことしばし,やってきた8102編成には,確かに表示が貼られていた.ベースが四角いので,一瞬,“スクエアK”か?と思ったのは,本当のことである.
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8102編成に貼られたものであるという証拠写真は,ピントがぼけてしまった.悔しい.でも判読はできるだろう.

そして今日の午後,少し時間をひねり出して出掛けた丸ノ内線.
登場を待ったのは2135編成.PQモニタリング台車装着編成である.本文締切時点では明確でなかったのでなにも記すことができなかった池袋方先頭車2035号の先頭側台車の形式確認である.中間寄り台車はPQモニタリング台車でよいとして,先頭側は,どう見ても普通の台車としか思えなかった.
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これが2035の先頭側台車.側枠の中央部に銘板が取り付けられている.これは通常のSC108と同じ位置と様式である.画面右端のPQモニタリング箱が2035号車であることの証し.
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そのクローズアップ.やっぱりSC108だった.
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これがPQモニタリング台車SC701の銘板.地色が青のエッチング板というのは,日本製鉄製台車の最新標準仕様.

まだほかにも,詳しく追加研究したい項目がいくつかある.それは今後の継続課題として,ウォッチングを続けようと思っている.

なお,今日の2035号車台車形式追補を含め,現在判明している誤記は次の通り.

40頁
本文左段
17000形 → 17100形
47頁
床下機器縮尺 1:150 → 1:200
49頁
上写真説明車号 2343 →2433
51頁表
ブレーキ装置 両先頭車駐車ブレーキ → 両先頭車駐車ブレーキ機能(準備)
2000形 備考 ※PQモニタリング台車.2035.→ ※PQモニタリング台車.2035の連結面寄り.先頭はSC108