西武鉄道が創立110周年を記念して,池袋線の前身である武蔵野鉄道デハ5560形をイメージしたカラーを,2000系で再現した.
 近年は,1月26日付けのここでお伝えしたJR貨物DF200のように,車体へのラッピングが,当たり前のように行なわれるようになった.
 だから,今回の2000系もラッピングかと早合点していたのだが…….

デビューして3日めの1月26日,寒いながらも風のない日和に誘い出されての駅前散歩と洒落こんで“いつもの”線路脇に出向いた.2000系の異端車たち…インバータ制御試作編成や幕式行き先表示装置編成が廃車となってバリエーションが減ってからは出会うことが少なくなった,同好の士がいた.ということは,そろそろ来るのかもしれない…….
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スマートフォンを持っていれば“西武鉄道アプリ”の“列車位置情報”に,茶色い2000系のアイコンが表示されるのだ.詳細画面には運転時刻も示される.画面は,同好の士に見せていただいたもの.

ということで,待つことしばし.
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やってきました茶色いクハ2070.ステンレスの飾りがアクセントとなって,なかなか悪くないではないか.

で,武蔵野鉄道デハ5560形とはどんな電車だかといえば,全鋼製2扉セミクロスシートで,昭和3/1928年当時としては破格の1m幅の側窓がセールスポイント.
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外観はこの通り.製造は川崎造船所,最後は3扉化改造され,昭和34/1959年まで使われた.写真:西武鉄道
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翌日,電車を待っていたら,向こう側にやってきた池袋行きがこの編成だった.池袋線の2000系は,所沢方先頭車の番号を記すのが編成を示す一般的であるから,この場合は2000系2069編成ということになる.

それで,停車時間中にじっくり観察してみたら,ラッピングと思っていたのは,僕の思い込みで,どうやら…間違いなく塗装である.
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そして2月8日の昼過ぎ,踏切の向こうの銀行へ……茶色い2070だった.ここまで入り組んだ曲面を全てラッピングするのは,容易ではないかもしれない.

なんだか,いつも僕の目の前に登場しているようなこの編成,でも,実はまだ,一度も乗ることができていない.この塗装で走る期間は“当面の間”とだけ発表されている.だから,まだまだチャンスはあるはず.この編成を使ったイベントなども企画されているようだし.今後の展開に期待しているところである.