先週の永平寺口(東古市)に続いて,現在の越前本線の終点である勝山駅の,この夏時点での近況.
 かつては大野までの途中駅に過ぎなかったこの駅も,今ではえちぜん鉄道の終点として,この地域の交通の要所である.

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昼間時間帯でも1運用の折り返しではなく,“段落ち”で設定されているのは,ちょっと意外だったけれど,異常事の対応がしやすいということでは,好ましいと思った.車輛の所要数は増えてしまうわけだが.

で,気になったのは,駅本屋が鋼矢板で囲われていたこと.近づいてみたら立て看板があって,勝山市都市政策課の事業としての駅舎整備だということがわかった.

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どこまでオリジナルを保っての整備なのか,にわかに記憶を辿ることができなかったけれど,登録文化財に指定されている建築物であるのだから,少なくとも外観は大きく変化していないものと思う.

この駅で忘れてはいけないのが,構内の福井方に置かれた電気機関車テキ6と2軸無蓋車ト68の2輛の保存車.
  僕がこの駅を最初に訪問したのは,多分,昭和47/1972年の12月に越美南線に残っていた8620牽引の貨物列車撮影の途中だと思うが,次は,となる とよく思い出せない.いずれにしても路線が短縮されてから後のことに間違いはなく,雨のそぼ降る中,元の阪神電車をスナップしたような気がする.それはも しかしたら,今から20年ほど前,テキ6の図面を作成するために福井を訪問した時かもしれない.

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頭を大野に向け,ト68を従えた姿での保存.上屋が架けられていて,傷みは少ない.末長く,いい状態で保存されることを願っている.

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駅前というか駅横の町並み.いずれも近代化改装が施されているけれど,いずれも雪国特有の艶のある瓦で葺かれているし,“うだつ”すら上がっているのに,感心してしまったことである.

さて,看板によればこの改修工事,工期は平成25/2013年秋までとなっていた.そろそろ囲いも取れて美しい姿を取り戻している頃だろうか.