毎日通勤で使っている西武鉄道池袋線.
各停利用者にとって,もっとも馴染みぶかい車両はといえば新2000系.最近では更新車も増え,また,インバータ制御試作編成や客室LED照明試作編成もあって,“今日はどの編成?”と,日々楽しみが多い.
 昨日もそう思いながらホームに降りたら,なんだか正面のオデコが一段と鮮やかな編成がやってきた.さらに近づいて見たら,なんと,いわゆるフルカラーLEDを装着しているではないか.もっと近づいたら,側面の表示装置も,全部フルカラー.
 池袋線の8輛編成新2000系でただ1編成,幕式の表示装置を取り付けている,所沢方先頭車が2063の編成かと思ったら,2089.
 
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富士見台での停車中,とっさに構えて撮影したら,シャッター優先モードになっていて,やや露出不足.でも,結果として1/320秒でも文字が全部写るLEDであることが判明.

車体更新車でもない2089の編成に,なぜフルカラーLEDが装着されたのか,ちょっと考えてみた.すぐに達した結論は,新装置の試験ではないかということ.
  これまでの,いわゆる3色LEDは,西武に限らず,ややもすれば行先や列車種別がとっさに判別しづらいことがあった.フルカラーになれば,視覚…特に色認 識に障碍のある人たちにも識別しやすい表示が容易になるだろうし,写真に撮っても文字が切れないですむかもしれない.でも一方では装置の価格は格段に上昇 することだろう.鉄道会社には悩ましいところ.そこで,なんらかの新しい装置の試験をはじめタのではなかろうか…….さて.

一方で,見慣れ ているせいもあって,幕式の表示装置というのは,見ていて安心できる.写真撮影でもシャッタースピードを気にせずに済むというのは,僕たちには嬉しいし. けれど鉄道会社にとっては機械装置の保守や,字幕そのものの劣化対策に手間が掛かる.種別などに変更が生じた際には幕全体を取り替えなければならないし. 多彩な色を使いたい列車種別には幕を使い,行先表示だけLEDにした会社もある.これまで毎日のように乗車する東急電鉄でも5000系初期車や横浜高速の Y500系がそうだ.

これまた悩ましい問題……と思いながら,今日の夕刻,江古田駅で電車を待っていたら,到着したのが2063の編成だった.“これはきのうの2089の写真と並べれば比較できる”と,隣の桜台で少し抑止されたスキに,撮影.

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やっぱり安心感がある字幕式.幕の劣化を抑制と,見やすさの追及の両方の見地から,地色が白になったり黒になったり,これも変化を追うと興味深い.

と,思っていたら,練馬の駅で反対側の線路に入ってきた2000系の幕板が,やけに鮮やか.2089の編成ではないか.
 ということで,写真2枚を並べなくても,比較できる写真が撮影できてしまった.

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練馬での2089の編成(左)と2063の編成(右).雨のせいか,少しモヤのかかった写真になってしまったし,どちらも各停なので,鮮やかさの比較はできなかったけれど,でも,ラッキーだった.