レイル86号が出来上がっています.
本当は先週のテーマのつもりだったのだけれど,その前に85号をご紹介せねば,ということで,1週遅れとなった.

今回は,前回のC60重油併燃に続いて,正村修身さんが国鉄制式機について寄せてくださった.形式はC12.

C12といえば,関東地方の人なら足尾線,関西の人なら加古川線だろうか.北海道では今はなき手宮線,東北ではやはり廃線となった川俣線や日中線だろうし,四国なら宇和島.九州は筑豊炭田地帯か指宿枕崎線か,それとも南薩鉄道か島原か…….
 いずれにしても,全国各地で広く活躍していた機関車なのだけれど,同類機であるC56に比べて華やかさに欠けるような気がするのは,僕だけではないと思う.
 だから,これまでC12に関する記述といえば“長期にわたって形態の変化がほとんどないままに量産され……”という調子が主流だった.
 大改良の必要がないというのは,実用的に見れば優れた設計であったことの証しでもある訳だが,趣味的には,ちょっと違う評価に繋がるのだろう.

そんなC12にスポットライトを当ててくださった正村さんには大いに感謝している次第.
 それで,グラフの中に,僕自身が撮影した舞鶴のC12を紛れ込ませてもらっている.“この機会に”というわけでもないのだが,加古川線はレイル51号で 山本雅生さんや兼先 勤さん,坂本守夫さんによる優れた写真をたくさん披露していただいているので,これまで,少なくともレイルでは纏まって登場したこと のない,舞鶴を採り上げた次第.それにしても撮影してから40年以上を経過し,当時の記憶が曖昧になりつつあることに気づいて愕然としたというのは, ちょっとした“ヒミツ”である.

MT-20130509-01
どこでどうやって知ったのか,舞鶴港にあった可動橋が目的のひとつでもあった舞鶴詣で.岸壁には大きなテルハも存在した.今なら細部写真をたくさん撮影したところだが,どうやら近づきもしなかったようだ.写真:前里 孝

続 く“駅の今昔”では,関西本線の島ヶ原駅と越後線・弥彦線の吉田駅を採りあげた.特に前者は,本文中にも記している通り,僕がこの趣味に浸り始めた頃に鉄 道模型趣味誌に発表された“冬の島ヶ原”という記事を見て以来の,憧れの駅でもあった,というか,だからこそ,出張の時間を盗んで,訪問したのだけれど.

それで,幸いなことに,オリジナルの記事を掲載された機芸出版社と,撮影者である河田耕一さんのご厚意を得て,昔の写真を改めて掲載できた.こうなると,仕事をしているのか趣味を楽しんでいるのか……とにかく,“この仕事をしていてよかった”という思いをさせてもらった.

MT-20130509-02
50年前とほとんど変らない佇まいの島ヶ原駅構内.なによりも関西鉄道時代からの建物だという駅本屋が大切に維持されているのが嬉しい.写真:前里 孝

そ して,外国ではあるのだけれど,日本国内にも大きく関わっている稿が,大穂孝悦さんの“旧満洲における森林鉄道の蒸気機関車”.日立の銘板をつけたCタン ク機の写真を見せていただいてから何年経っただろうか.つい先日まで…いや,ごく一部では今もなお蒸気が現役で働いている中国大陸の森林鉄道.昭和初期に そこで働いていた蒸気機関車は,どんな顔触れだったのか,それが今回初めて,活字になった.印刷所への入稿間際になって,汽車会社製Dタンク機のメーカー 写真が姿を現わすというドラマもあったりして,編集作業は大いに盛り上がったのだった.

MT-20130509-03
大穂さんを満洲の森林鉄道に働いた蒸気機関車の歴史探求にのめり込ませた,“日立”の銘板が見えるCタンク機の写真.写真提供:河内 虹(レイル86号より)

満数の森林鉄道に関しては,発刊後も,新たな情報提供があったりして,まだまだ掘り下げが続くように見える.いずれ区切りがついた段階での纏めをお願いしている.お楽しみに.