2月も今日でおしまい.明日からは3月である.16日には各JRでダイヤ改正が予定されており,新しく走り始める車輛や列車がある一方で,去って行く列車や車輛も少なくない.
日ごろ,“日常の姿を捉えてこそ……”と偉そうなことをいってはいるものの,なかなか思うようにいかないのが世の常.興味感心がありながら,ついに一度もその姿を見ることさえ叶わなかった光景が,今回もいくつか消えてしまいそうである.
さて,今回ご紹介するのは,そんな“あとのまつり”の情景のひとつ.篠ノ井線村井駅の以降である.
この駅には油槽所があって,毎日貨物列車が停車し,タンク車が発着していた.最盛期には日本石油のほかに共同石油,大協石油の取り扱いもあったが,近年は日本石油…JX日鉱日石エネルギーのみとなりはしたものの,車窓から見る側線の規模は,16番のレイアウトにも充分い採り込むことができそうな,手頃な規模であり,“そのうちに”と思っていた.ところが2年前のダイヤ改正で,あっけなく廃止されてしまったのだった.
そんな村井駅への訪問が実現したのは昨年5月.長野地区の115系取材の折りだった.列車を待つ合い間に駅構内の様子を観察してみたら,線路こそ一部は撤去されたとはいうものの,多くが残っていて,入換動車の庫だったスレート葺きの小屋も健在.
一方で油槽所は売却のために更地にする工事の真っ盛り.あれから1年近くを経過した今では,既に次の建物の新築工事が始まっているかもしれない.

駅の塩尻方(南側)東側から見た,側線の跡地.画面右側の建物は入換動車の庫だった.線路は本線に繋がってはいるが,分岐器は乗り越しポイントに交換されていて,通常の車輛がそのままで通ることはできなくなっていた.

最初の写真とは,線路を挟んで反対側…西側から見た光景.発車して行くのは甲府行き.油槽所は1輛目の画面奥にあった.緑十字の旗が掲げられているのが見えるだろうか.

横から見た,入換動車の庫.今にもエンジンの音を轟かせて,動車が姿を現しそうな風情である.

長い長いホーム.一番手前の線路は,駅の西側(写真で線路のこちら側)にあった,一般貨物扱い用の側線だろう.

長いホームの真ん中あたり.地面に接するレンガ積みに始まって,まるで年輪か地層を見るような,ホーム扛上の歴史.ここまで鮮明なホーム側壁は,徐々に姿を消しつつある.