今年も,僕の担当のひとつである,とれいん誌の“いちぶんのいち”取材が始まった.その最初は,一昨日15日に催された,宇都宮運転所での,JR東日本の日光線用205系であった.
 日光線用の電車といえば,このブログが始まってからまもない,平成21/2009年3月23日に“日光線用レトロ調107系電車”と題して,107系電車の模様替えをお伝えした.それから早くも4年が経過し,107系は205系に置き替えられることになったのである.
 日光線用として抜擢された205系は,先日まで京葉線で使われていた車輛たちで,前面のデザインが変更されたグループ.相模線用とともに異彩を放っていたが,E233系の投入に伴って転用されることになったものである.
 今回,日光線用として改造されるのは全部で4編成.当日“モデル”となったのは編成番号Y6で,宇都宮から日光・上野方へクハ205-606+モハ205-606+モハ204-606+クハ204-606.元番号はクハ205-108+モハ205-292+モハ204-292+クハ204-108(※下記参照).京葉線では“京1”を名乗っていた編成である.

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宇都宮方から見た,JR東日本日光線用205系Y6編成.手前からクハ205-606+モハ205-606+モハ204-606+クハ204-606.2輛目のモハ205のパンタグラフが増設され,シングルアームタイプに取り替えられているのが見えるだろう.

転 用に際しては各所が改造されたが,外観では,モハ204のパンタグラフがシングルアームタイプに取り替えられた上で霜取りパンタグラフが増設されたこと, モハ204の両台車外側軸に空転及び滑走防止用セラミック粉噴射装置“セラジェット”が取り付けられたことが一番大きな変化といえる.
 先頭車では密連の下に電気連結器が増設されたこと.これは,混雑時の2ユニット併結運転に際しての解結作業を楽にするのが目的.また,運行番号表示装置は幕式からLED式に変更している.
 全車に共通の変化は,各扉に半自動開スイッチ(客室側は開閉スイッチ)が新設されたことに気づく.
 仕上げとして,107系レトロ調から引き継いだブラウン,ゴールド,クリームの3色を正面窓下と側面窓下にあしらい,各戸袋部に,やはり107系と同じデザインのワッペンを取り付けている.

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クハ204の先頭部側面.商務員扉脇のワッペンは,107系では正面貫通扉に貼られていたデザインを踏襲している.配置は小山車両センター.

目 を客室に移すと,クハ205に車椅子対応のトイレと車椅子スペースが新設されたのがもっとも大きな変化として気づく.その他では日除けブラインドが新調さ れていたり,半自動開閉スイッチが新設されていたりするが,目に見えないところでは,寒冷地仕様らしく,腰掛け下のヒーターが増強されていたり,側扉の レールに凍結防止ヒーターが新設されていたりもする.側扉では,開閉時のチャイムも新設されている.

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車椅子対応トイレの外観.画面左側が車椅子スペース.クハ205の連結面寄りに設けられている.

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客室全景.写真はモハ204.側扉脇に取り付けられた半自動スイッチが目新しい.

この新しい205系は,3月16日からの営業運転を目指して,盛んに試運転が行なわれている.なお,日光線仕様となるのはY2,3,6,10編成.それぞれ,元の京9,8,1,3編成(※下記参照)である.
 一方,東北本線の宇都宮-黒磯間仕様はY1,4,5,7~9,11,12編成ということになる.こちらの完成も待ち遠しい.

※2013.01.18:テンションゲージ誤設定修正
※2013.02.04:日光線仕様新旧編成番号対照訂正
正しい新旧編成番号は
Y2,3,6,10 ← 京1,4,5,9
正しいY6編成の旧番号は
クハ205-112+モハ205-304+モハ204-304+クハ204-112