11月29日,東武鉄道の南栗橋車両管区新栃木出張所(以下単に“車庫”)で634型展望電車を撮影した.速報は翌日のここでお伝えした通り.
当日の関東地方はあちこちの線区で運転支障が出て,ちょっとひやりとさせられたのだけど,時間に余裕をもって出掛けたので,定められた集合時間に遅れることもなく新栃木駅に降り立つことができたのだった.

どこにでもありそうな,しかし三角屋根が特徴的な,手入れが行き届いた新栃木駅の本屋.
駅 前の通りを県道との交叉点まで,散策しながら昼ご飯を食べることができそうな店探し.栃木の市街地から一寸外れていはいるものの,車庫があるし,東武宇都 宮線との分岐駅だし,なんとかなるだろうとの読みは,幸いにして当りで,こじんまりとした構えのそば屋さんで新蕎麦を味わうことができた.

これまたどこにでもありそうな構えの,小さな蕎麦屋さん.右隣りの民家とともに,昭和30年代のレイアウトに建ててみたくなるストラクチャー.
食後,また駅までぶらぶらと戻りつつ,車窓と駅の跨線橋から見かけて気になっていた建物へ.
壁になにやら丸い紋章があるその建物は,私有地に囲まれていて,全体を観察することは難しかったけれど,それでも壁面に大きな出入口があり,窓は小さいと
いう程度の観察はできた.どうも変電所的建築物なのだけれど,高圧の電線が出入りしている気配はない.既に現役を引退しているのか,それとも僕の見当が外
れているのか…….
壁面の丸い紋章は,“車輪に東武鉄道の東の字を図案化した”,歴とした東武鉄道の社紋であった.
歴史をちょっとだ
け繙いてみれば,宇都宮線の開業が昭和6/1931年,最初から電車運転を行なったので,もしかしたらその時に建てられたものか,それともその少し前,昭
和4/1929年に東武日光線の杉戸と新鹿沼の間が開業した(これも最初から電気鉄道だったようだ)時の建築物か…….
昭和の時代なら“どこにでもある”造りの建物だけれど,21世紀の現代にあっては,数を減らしつつある,風情のある建物といえるかもしれない.

新栃木駅の跨線橋からみた“気になる建物”.造りといい,位置といい,変電所だとは思うのだが,もし変電所だとしても現役かどうかは不明.
広報の方と待ち合わせて車庫へ向かう途中,今度は,周囲の様子からみて,明らかに変電所なのだけれど,でも変電所らしくない建物に出くわした.それが,下の写真.

フェ
ンスに東京電力の注意標識があったから,東京電力の所有物だと思うのだが,壁面が“なまこ壁”風の仕上げになっているのが異様.近付いてみれば単に描かれ
ただけのイミテーションと判るのだけれど…….なんで?と思ったら,栃木市は“蔵の町”というのが観光のセールスポイントなのであった.
そして車庫の入口に辿り着いて,門柱を見て,あれれ,であった.

真新しい表札が掲げられた門柱.柱そのものはコンクリート製と思しき,どこにでもありそうな柱なのだが,頂に載っている門燈は,どうみても,電車の室内燈カバー.7800か3200か,それとも……?
ということで,肝心の634型を撮影するまでの間に,すっかり楽しんでしまった,新栃木訪問である.
電車そのものの紹介は,新年号に詳しい記事と図面を掲載の予定.楽しみにお待ちいただきたい.