27日のEH800に引き続いて,昨日は東武鉄道の 展望電車634形,本日は東京地下鉄東西線の05系電車大規模更新編成の報道公開が実施された.もっともこの2件は,EH800とは違って,鉄道趣味出版 社だけが対象の,こじんまりした公開であった.従って,集まったのは気心のしれたメンバーであり,鉄道の担当者に多少のわがままを許していただきながら (せっかくの新車なのだから,できるだけ格好よく撮影して掲載したいといことだけが,目的),和気藹々,撮影は進んだ.
さて,最初は東武鉄 道634形.種車は野岩鉄道の開業時に用意された6050系.車体肩部に窓を設けて車窓風景を上方へ拡張した,というのが最大のセールスポイント.いうま でもなく東京スカイツリーをおおいに意識した車輛である.形式の634も,東武鉄道が走る“武蔵”を意識するとともに,スカイツリーの高さ634メートル にあやかったものであることは,説明の要もないだろう.実際,東武鉄道でも634という数字に“むさし”という読みがなを振っている.

東武日光・鬼怒川温泉方から見た634形.正面の形は6050系と変らない.ハイライトはなんといっても側面である.南栗橋車両管区新栃木出張所
車号は浅草方から634-11+634-12+634-21+634-22.種車と同様,2輛1ユニットであり,それぞれ単独で運転することは可能だが,今のところ,4連での運転を基本としている.
車体塗色は白をベースにケ水玉模様とスカイツリーをあしらった装飾が施されている.両ユニットでデザインは同一だが,色遣いは浅草方の11+12が青空をイメージした青基調,21+22が朝焼けをメージした赤基調となっている.
側窓は,在来の窓を活かしつつ,その上方に曲面ガラスを使った展望窓を新設.腰掛け部の床は高床式として車窓風景をおおいに拡大した.
腰掛けの配置は“ペアスイート”“シングル”“ツイン”の3種類とし,客室端部には“サロン”を設けている.また,イベント列車として運転する場合にはカラオケ装置をセットすることも可能となっている.

従来の側窓の上方に設けられた展望窓.雨樋はその窓の上に設けられているので,この窓の上端までが“側面”ということになる.

634-11の客室.通路の右が“ペアスイート”,右が“シングル”.デッキとの仕切壁には大型モニターが設置され,各種情報,観光案内,前面展望などを表示することになっている.
この634形電車は,既に10月27日から団体専用列車として運転されており,今日,11月29日以降は臨時特急電車に就役している.詳しくは東武鉄道のウェブサイトをご覧いただきたい.
続いて本日撮影の,東京地下鉄05系第14編成.基本的には主電動機を永久磁石同期電動機(PMSM)に交換し,主制御装置もGTO素子を使ったインバータ制御からIGBTを使った方式に変更,というのが主眼.
併せて客室の内張り,床材,袖仕切り,情報表示装置などを一新しているので,利用客の立場からも“新しくなった!”と実感することができる更新工事となった.
編成の組み替えなども実施されているが,そのあたりの詳しくは,12月発売号に掲載の予定なので,楽しみにお待ちいただきたい.

中野方から見た更新車05系第14編成.車体外観ではなにより,スカートが装着されたのが最大の変化.続いて帯のデザインや,正面車号表示位置,行先・列車種別表示装置のフルカラーLED化などに目が行くだろう.屋根ではパンタグラフの形や位置が変更されている.
車内に入れば,内張りが白になり,腰掛け袖仕切りが大型化,側扉上方の情報表示装置がLEDからワイド幅の液晶に取り替えられているのに気づく.運転室も一新されている.

ほとんど全てが新しくなった客室.唯一,腰かけ本体だけが在来品.これは,他の部分と更新サイクルが異なっているためだという.
この05系第14編成は,引き続いて試運転が行なわれる.その後,定期検査のために入場することもあり,営業運転開始は年が明けてしばらく経ってからの予定という.沿線の人々には待ち遠しいことだろう.