115系特集の 取材で30年以上ぶりに木曽路を訪問したのは,7月中旬のことだった.中央西線の中津川まで乗り入れている長野総合車両センターの115系を撮影するのが 目的.飯田線とともに運用数が少なく,列車の走る時間帯と太陽の向きを考えながら撮影ポイントを探したのだけれど,このあたり,電化や複線化に際して線路 を付け替えている箇所が多く,D51を撮影した頃の記憶は,ほとんど役に立ちそうになかった.
 おまけに,訪問を予定していた日の前夜から,信州は大雨.日回りを気にしなくてよくなったとはいうものの,雨の中でどのような情景が撮れるのか,いくら“木曽路は全て雨(違いますけれど)”とはいうものの,であった.
  それで夜明け前から国道19号線をウロウロして,朝一番の中津川行き822Mは,日出塩(ひでしお)と贄川(にえかわ)の間,奈良井川の鉄橋を対岸から撮 ることにした.ここも,D51が走ってた頃には線路は川のこっち側,まさしく撮影ポジションの足下を走っていたわけで,僕にとってはまったく初体験の場 所.列車がトンネルから飛び出してから鉄橋を渡るまで僅か1秒.タイミングを失わないよう,緊張感を維持するのに苦労したことである.

折り返しの松本行き829Mを,鳥居峠を越えて薮原と奈良井の間で出迎えたら,次は午後の松本行き834Mまで115系は来ない.その折り返しの843Mは日没後…….
 ということで,どこで昼ご飯にしようかと考え……るまでもなく,奈良井宿で蕎麦屋を探すことにした.
 それで奈良井宿といえばC12 199.これを見逃す手はない.

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奈良井駅の本屋.手入れの行き届いた木造.財産標を確かめそこねたので確たることはいえないけれど,近年の“木造風”ではなく,オリジナルであるようだ.

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昼前には雨が止んだので,奈良井宿をそぞろ歩き.たまにはこういうところを散歩するのもいいものだ,

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駅から奈良井宿を通り抜けて南の外れに置かれたC12 199.日本国内では希有の例とされる,デフレクタ付きのC12.煙室扉ハンドルとロッドの位置が惜しいけれど,ペンキも重ね塗りではなく,今のところ,いい状態が保たれている.

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平成20年度の整備事業で設置された説明板.製造所名が“日本車輌製造株式会社”と正しい字を使っているのはいいのだが,埼玉県蕨工場となっているのは,どこから出てきたことなのだろう.

このC12にデフレクタが取り付けられたのがいつのことなのか,まだ調べたことがないのだけれど,飯山時代にC56に合わせて設置,というのが常識的な推定といえるだろうか.
 そういえばこの機関車,木曽福島に移動してからも,冬になると飯山に貸し出されてスキー臨を牽いていた.その姿は多くの人が撮影,記録しておられる.

木曽路には,往年の木曽森林鉄道の車輛たちが各地に保存されている.しかし,それらを探索するのは,“そのため”に行程を組まなければ,である.いずれそのうちにとは思っているのだけれど…….

※2012.11.25:一部語句修正