東京駅丸の内駅舎復原工事の最新情報は,先週のここだが,東京駅には,いまもなお立派に実用に供されている開業時からの構造物がある.
それは,5・6番線ホームの神戸方上屋とその一帯の架線柱の一部である.今回お目にかける写真は,4年前の平成20/2008年8月撮影.
どうしても,先週に引き続いて採り上げたくて,確認をかねて現場に出向くつもりをしていたのに,どうしても時間が取れなかった結果である.しかし恐らくは現在もなお,走っている電車の一部が入れ替わっている他は変化していないはずなので,ご容赦願いたい.
今月号の締切を乗り越えることができれば,まだ確認していない古レールの柱なども含め,改めてゆっくりと観察してみたいと思っている.

東京駅4番線から見た,5・6番線南端付近.画面左から3本目以降5本の上屋柱と,上屋上の架線ビームが,東京駅開業時の構造物.
現 在の東京駅5・6番線は,京浜東北線南行きと山手線外回り用.その神戸……有楽町方に古いホーム上屋と柱が残っていることは,長い間,知る人ぞ知る存在で あった.今回の丸の内駅舎復元に際し,保存や修復などの手立てが施されるのかと思っていたのだけれど,どうやらその気配はない.もっとも,あるがまま実用 に供されている姿の方が,僕は好きではあるけれど.

リング状の補強兼装飾が特徴的な架線ビーム.柱の頂部にはギボシ形の装飾も見える.

鋳鉄製の上屋柱.梁や方杖にも,当時としてはモダンな装飾が見られる.大部分はベージュに塗られているが,架線柱兼用の柱はやや太く緑色に塗装.各種掲示の取り付けや補強によって,全体がオリジナルのままという柱は少ない.

柱上部の装飾.巻き付けられた板には明治44年製を示す“M44”の文字がある.

鉄棒による上屋の梁.結合部はやはり装飾性豊かな鋳鉄製で,まるでメダリオン.
これらの構造物,これからもずっと大切に使われれ続けることを願っている.