三線軌條……デュアルゲージの線路といえば,関西ならば往年の京阪電鉄膳所-浜大津間を思い浮かべる人が多いだろう.関東ならば箱根登山鉄道の小田
原と箱根湯本の間とか,あるいは京浜急行の金沢八景と神武寺の間を挙げることになるだろうか.京浜急行といえば,かつては大師線の味の素引き込み線にも存
在した.
今はもうなくなってしまったが,山形新幹線には蔵王と山形の間に三線軌條が存在したし,秋田新幹線には今でも神宮寺と峰吉川の間に三線軌條が存在する.そして来るべき北海道新幹線開業時には,青函トンネルが三線軌條になる予定…….
じっくり考えれば,ほかにもたくさん存在しただろう三線軌條だけれど,つい先日,僕の日常の行動範囲内にも立派な三線軌條があることに気付いた…再認識したのだった.
それはなんと,山手線の田端駅.山手外回り・京浜東北南行きのホームの,すぐ隣りに存在するそれは,在来線で運ばれてきたレールや資材を受け取るための,新幹線のための保線基地の敷地内に存在する.
田端にはJR東日本東京支社があるから,頻繁に乗り降りするのだけれど,いつもは待ち合わせの時刻に追われていたり,受け取った資料を一刻も早く事務所に持ち帰らなければならなかったりして,ホームでゆっくりということは,少ない.
けれど,つい先日,折りしも作業車の編成が傷移動していて,三線軌條の存在を思い出させてくれた.ほんの少し時間に余裕があったこともあいまって,いつも持ち歩いているコンパクトカメラで,三線軌條と作業車を,何枚かスナップしてみたのだった.

保線基地と三線軌條を見下ろす.撮影場所は男性用の洗面所(!).改札を出て横断歩道を渡れば,ゆっくりじっくり,観察することが可能だ.

レール移動用の門型クレーン二組.奥が上野方で,上野保線技術センターと記されている.手前のは“東京幹保技セ”とある.東京新幹線保線技術センターの略だろうか.

標準軌の作業用モーターカー.銘板を読むことはできなかったので,メーカーや製造年は不明.保有は交通建設.

ボギーのトロ.T-328-Uという番号が記されていた.連結器はもちろん(?)自連とピンリンクの二段構え.

田端駅のホーム上屋の柱は古レール製.2本のホームを結ぶ梁の装飾に特徴がある.単純な丸を3個組み合わせただけだが,シンプルで僕は好きだ.