我が職場の最寄り駅,江古田駅の工事も,本体は完了した.今は周辺の区画整理というか再開発が本格的に始まって,あっちこっちの建物が取り壊しや改築中で,賑やかなことこの上ない.もちろん建物に入っていたお店も,お馴染みから存在しか知らなかったところまで,随分な数が閉店移転した.
そんな,町の変化を眺めるのもまた楽しく,週末の昼食時には,相変わらず駅の周囲を一回りしてから事務所に戻ることにしている.
そんなある日……といっても実際には早春のころだったと思うが……,所沢方の踏切警報機が新しくなっているのに気づいた.
何が新しいかを説明するには,まず,この踏切のシチュエーションを説明する必要がある.

画面奥が池袋方.線路を横断する道路は,線路に対して直角ではない.そして,線路に並行する道がある.線路の北側(画面左)の道は踏切で終わっているが,南側の道は踏切からさらに所沢方に続いている.だから,踏切の警報は,広い範囲から見える必要がある.
と
いうことで,踏切の南側の警報燈は,線路とほぼ平行に一組のほか,直角方向にも取り付けられていた.一方で北側は,通常通り一組だけ.線路と並行した道は
狭く,車はほとんど通らないし,そもそもこの踏切道は一方通行で,北から南へは車両は渡ることができないから,それで充分と考えられていたのだろう.
ところが駅の周辺の再開発計画では,線路の北側の道が拡幅されることになっている.となると,将来的には車の通行量が増える可能性がある.というのが,新型警報機を取り付ける動機になったのではないかと思うわけである.
で,その新型.2年ほど前に登場して,あちこちの鉄道への採用例が報告されるようになった.名前は“全方向踏切警報灯”という.その構造は……文字で長々と説明するよりも,写真を見ていただくのが手っ取り早い.

ランタン型の燈具が2個,柱の取り付けられているわけだが,その燈具はLEDを球形(?)に組んだもので,その外周に,円筒形のレンズが被せられている.その結果,どの方向からも赤い光が見えるという仕掛け.

上の写真から約90度回り込んで,線路と並行する道から見た警報燈.一部は柱の影になっているが,ちゃんと赤い光が見える.
ちなみに,製造所は東邦電機工業株式会社.
型式は“LED
II形”というのだそうだ.ということはI形もあるわけだ.どんな形なのだろう.降雪地帯では雪除けの笠をかぶったタイプが設置されているのもインター
ネット上で報告されている(世の中には踏切警報燈趣味の方もおられるという証しだ).そもそも,この会社のウェブサイトには,いきなりこの“LED
II形”の写真が登場する.
当分の間,このタイプの警報燈を使っている踏切に遭遇するたびに,銘板を確かめることになりそうだ.うむ.