先週のPENTAX Qに続き,本日はOLYMPUSからミラーレス一眼カメラ“OLYMPUS PEN”の新世代モデルが発表された.というか,デジタルのミラーレス一眼カメラというジャンルは,このオリンパスが開拓したといえる.それは2年前に山中がレポートしているのだけれど,今回発表されたのは,早くも第三世代.正式な商品名は“OLYMPUS PEN E-P3”.
なにが進化したのかといえば,まずはオートフォーカスの合焦速度.続いて最高ISO12,800という高感度での美しい撮影を実現した撮像素子(LiveMOSセンサー)と画像処理エンジン.そしてボディのさらなるコンパクト化.
一方変らないのは50年前のハーフ判オリンパスペンの面影を今に伝える,ややクラシカルなデザイン.
7月22日発売予定で,予定月産台数は15,000台だそうである.
これも新発売の14~42mm(35mm判換算28~84mm)の標準ズームレンズと別売りの電子ビューファインダーを装着したOLYMPUS PEN
E-P3.ブラック.ビューファインダーを除く市場予想価格は約100,000円.ファインダーさえ外せば,ポケット…はちょっと無理があるにしても,カ
バンに忍ばせるには充分なサイズ.
今回は,この“本命”PEN E-P3だけでなく,2種類の姉妹機も同時に発表されたのが注目される点.
そのひとつは,基本スペックはそのままに,エントリーモデルとしてフラッシュを外付けにするなど機能をシンプルにして外形を一回り小さくし,重さを約265グラムに抑えた(E-P3は369グラム)“OLYMPUS PEN mini E-PM1”.
そしてもうひとつが,“OLYMPUS PEN Lite E-PL3”と名付けられた機種.
E-P3とE-PM1との中間に位置するモデルで,撮像素子やAF機構などの基本スペックは同じ.機能は“アートフィルター”と名付けられている画像加工
ソフトや水準器が省かれ,フラッシュが外づけとなっていることはminiと同じ.違うのは液晶モニターが可動式となっていること.残念ながら上方向に80
度,下方向に40度のチルトのみで左右方向には動かないけれど,車輛の屋根上や床下などを狙うには大いに便利.
OLYMPUS PEN Lite E-PL3.背面の3.0型液晶ファインダーは視野率100%,約46万ドットが3機種共通のスペック.Liteではこのように可動式となったのが特徴.
ファ
インダーを可動式にするためには,構造が複雑になるためコストが掛かることの他,スリム化を推進している現在,寸法的に不利があるのだそうだ.実
際,miniとLiteとでは,幅(109.5mm)と高さ(63.7mm)が同じなのに対し,奥行だけがminiの34.0mmに対して37.3mmと
3.3mm,約1割も厚い.重さも313グラムと,E-P3の369gには及ばないものの,やっぱり重い.
前回も記したとおり,“一眼”であっ
ても“レンズとファインダーの位置関係に制約されない”というのがデジタルカメラならではだと思うのだけれど,そう考えてくれるユーザーがどのぐらいいる
のか,もしかしたら,このモデルはオリンパスとしては,ある意味実験なのかもしれないと思ったことである.
真上から見たLite.確かに可動式にするために厚くなっているのが理解できる.実際には上端が斜めにカットされているので,分厚さは実感できないのだけれど.
こ
のLite,miniとともに秋頃の発売予定だそうで,今日は残念ながら手に取って操作を試してみることはできなかった.価格も未定だそうである.しか
し,フラッグシップであるE-P3の標準レンズセットの市場予想価格が100,000円ということから考えれば,それ以上であることは考えられない.
ちなみにRAWデータでの撮影も可能.シャッタースピードは最大1/4000秒.
手ブレ防止システムをOFFにした場合の連写速度は秒間最大5.5駒で,この点はE-P3の秒間3駒を上回っている.
先週に続いて魅力的なサブカメラの発表である.こちらは既にレンズも種類が豊富で,9mm(35mm判換算18mm)から300mm(600mm)まで,単焦点やズームなど7種類が用意されている(一部は7月22日の新発売).食指が動いてしまいそうではないか.
※2011.07.01:一部用語修正及び追記