先週に続いて,慶應義塾大学鉄道研究会関連の催し.前回は村樫四郎さんの版画個展だったが,今回は三田会あげての写真展.20回目となったわけだが,それにしても1年が経つのが早い……と思ったら,それもそのはず.前回は昨年10月だったから,まだ8ヵ月しか経っていない.自分の時間感覚が狂ってしまったかと,一瞬ながら心配してしまった.ほっ.
会場入り口に掲示された“ごあいさつ”と,いまや長老といっていい存在の齋藤 晃さん秘蔵のEF55牽引“富士”.昭和17/1942年秋の撮影だというが,齋藤さん何歳のころの作品ということになるのだろうか…….
会場は前回と同じ,東京四ッ谷のポートレートギャラリー.すっかりおなじみとなった感の深いギャラリーには,57点の写真が掲げられている.いつも通り,古今東西の鉄道情景が,撮影者それぞれの気持ちとともに訪問者を出迎えてくれる.
もっとも古い光景は,冒頭の昭和17/1942年秋の有楽町.最新は今年2月の東急多摩川線と釧網本線,そして中国遼寧省の鉄法炭砿と幅が広い.
この面に掲げられているのは,昭和30年代から40年代にかけての思い出.左から佐賀線の開閉橋,三重交通松阪線,都電三田車庫,函館本線の銀山,山陰本線の宇田郷,そして北九州市営鉄道.
今
回の特徴は,“御召列車特集”ともいうべきコーナーが設けられたこと.常磐線平駅でのC57 126に始まり,新津機関区のC57
1,花輪線と越美北線の8620,松浦線のC11,珍しくも東北本線で先頭に立ったクロ157,山陰本線でのDF50とDD54,篠ノ井線のEF64,常
磐線のEF80,そして昨年9月のE655系まで……あれ?EF58 61が見当たらない.“当たり前”過ぎるのだろう.
グループ展の一角でこのような小企画展を催すというのは,これから流行るかもしれないなぁ,と思ったことである.
“御召列車特集”のコーナー.EF58以外の,いろいろな機関車が牽引した一号編成の姿とクロ157の姿を一堂に見ることができる.
会期は6月2日から6月8日まで.毎日10時から18時まで開かれている(6月8日だけは14時閉場).
場所は,中央線・地下鉄丸ノ内線・地下鉄南北線の四ッ谷から徒歩数分.日本写真会館の5階(建物の1階は書店).