7月15日午前7時50分,東武鉄道の“SPACIA X”は浅草駅を発車し,一路東武日光目指して走りだした.
天候は曇.どこで待ち構えようかと散々悩んだのだけれど,“晴れた時には…”ということを考えて,複々線区間で高架でなく,ほぼ南北に走る区間ということで選んだのが,西新井と竹ノ塚の間だった.
都内で東武線を確実に撮ることができる有名ポイントだけあって,6時半過ぎに現地へ到着した時には,既に10人以上の同好の士が一番列車を待ち構えていた.
僕も邪魔にならないように混ぜてもらい,練習運転……7時13分には浅草へ向かうN100系第1編成が目の前を通り過ぎて行った.車外へのラッピングなど,特別な装飾は施されていない.こういう自然な装いでの一番列車というのも,悪くないだろう…などと思いつつ,待つことしばし.
そして8時9分,胡粉の白を纏ったこの日の主役が姿を見せた……あれ?
赤のラッピングが鮮やかな東武70000系が並んでやってきた!両列車,速度はほぼ一緒……うむ.
N100系“SPACIA X”にはLEDのヘッドサインなどはないから,当然のことながらシャッターは高速にセットしている.だから70000系のLEDは,ほとんど写らない.でも肉眼ではしっかりと“北越谷”の表示を読み取ることができる.
振り返ってみれば,僕の後方で待ち構えていた人たち……20人以上に増えていた……は,一様に落胆の表情.当然だろう.
二番列車は9時発である.こういうこともあろうかと,最初から同じ場所での撮影を考えていたから,まぁ,それほどダメージは大きくなかった…ちょっと負け惜しみ.二番列車のための回送は8時22分に通過.ということは,ここから10分ほど北上した地点で一番列車とすれ違ったはずである.さて,どこだろう.
晴れていたら,この時間帯のこの向きはほとんど完全に逆光である.浅草行きは12時半頃と13時35分頃の通過だから,光はほぼ真正面か.それも悪くはなさそうだ.
このあとしばらく,“SPACIA X”はやってこない.ここで上り一番列車を待ってもよいのだけれど,それは晴れた日に譲ることにして,浅草で到着を待ち受けることにした.
浅草駅の周辺は,去年までの長閑さは影を潜め,多くの観光客,とりわけ諸外国からのお客様でにぎわっていた.
“スペーシアX2号”は定刻から少し遅れて姿を見せた.今日から使用開始の新しいホームには多くの人が待ち受ける.その大部分は,一般の人たちのように見えた.
この新しいホームは5番線.東武鉄道が所有する林から伐り出された木材や栃木県産の大谷石や芦野石を内装に使って仕上げられている.
“SPACIA X”が到着した,その5番線は降りてくる人,インテリアを観察してみようという人々,記念写真撮影に興ずる家族連れ……それらが混ざり合い,“初列車”に特有の雰囲気が,いやがおうにも高まる.
多くの駅員や乗務員も,こころよく記念写真のリクエストに応じていたのが,とても印象的だった.
“乗りたいねぇ”と,コックピットスイートを,しげしげと覗き込む人々.
そういえば,ということでホーム先端まで見学に赴く.なにが“そういえば”なのかといえば…….
渡り板である.最新のモダンな特急車と,実用本位の渡り板の取り合わせ.これはこれで趣きある情景と,僕は思う.
ホーム先端への途上,ふと気づいたのが車外の液晶表示による列車種別・行先表示装置.号車も示しているのだけれど,なんだか様子が普通じゃない.
それぞれの号車のインテリアを写真で表示しているのだ.それも,いくつものシーンが順に映し出される.これは凄いこと! 報道公開では気づかなかった.いや,もしかしたら表示されていなかったかも.
折り返しの発車を見送り,そろそろ家に戻ろうかと思ったけれど,そういえば上り二番列車が13時45分に到着するではないか.
お馴染み隅田川橋梁.“とれいん”本誌では浅草駅から飛び出してくるシーンをお目にかけているが,ここではスカイツリーを後ろに従えて到着する“SPACIA X”を捉えてみた.
あぁ,早く営業列車に乗ってみたい!仕事を忘れて!
そうそう,この“SPACIA X”,構想発表から試運転の各シーン,試乗会とお伝えし続けてきた東武鉄道N100系だが,鉄道趣味誌での紹介記事の決定版を,MODELERS FILEとして,7月21日発売のとれいん8月号に掲載しています.この電車の全てがこの記事で理解できます.どうぞご覧くださいますよう.
天候は曇.どこで待ち構えようかと散々悩んだのだけれど,“晴れた時には…”ということを考えて,複々線区間で高架でなく,ほぼ南北に走る区間ということで選んだのが,西新井と竹ノ塚の間だった.
都内で東武線を確実に撮ることができる有名ポイントだけあって,6時半過ぎに現地へ到着した時には,既に10人以上の同好の士が一番列車を待ち構えていた.
僕も邪魔にならないように混ぜてもらい,練習運転……7時13分には浅草へ向かうN100系第1編成が目の前を通り過ぎて行った.車外へのラッピングなど,特別な装飾は施されていない.こういう自然な装いでの一番列車というのも,悪くないだろう…などと思いつつ,待つことしばし.
そして8時9分,胡粉の白を纏ったこの日の主役が姿を見せた……あれ?
赤のラッピングが鮮やかな東武70000系が並んでやってきた!両列車,速度はほぼ一緒……うむ.
N100系“SPACIA X”にはLEDのヘッドサインなどはないから,当然のことながらシャッターは高速にセットしている.だから70000系のLEDは,ほとんど写らない.でも肉眼ではしっかりと“北越谷”の表示を読み取ることができる.
振り返ってみれば,僕の後方で待ち構えていた人たち……20人以上に増えていた……は,一様に落胆の表情.当然だろう.
二番列車は9時発である.こういうこともあろうかと,最初から同じ場所での撮影を考えていたから,まぁ,それほどダメージは大きくなかった…ちょっと負け惜しみ.二番列車のための回送は8時22分に通過.ということは,ここから10分ほど北上した地点で一番列車とすれ違ったはずである.さて,どこだろう.
晴れていたら,この時間帯のこの向きはほとんど完全に逆光である.浅草行きは12時半頃と13時35分頃の通過だから,光はほぼ真正面か.それも悪くはなさそうだ.
このあとしばらく,“SPACIA X”はやってこない.ここで上り一番列車を待ってもよいのだけれど,それは晴れた日に譲ることにして,浅草で到着を待ち受けることにした.
浅草駅の周辺は,去年までの長閑さは影を潜め,多くの観光客,とりわけ諸外国からのお客様でにぎわっていた.
“スペーシアX2号”は定刻から少し遅れて姿を見せた.今日から使用開始の新しいホームには多くの人が待ち受ける.その大部分は,一般の人たちのように見えた.
この新しいホームは5番線.東武鉄道が所有する林から伐り出された木材や栃木県産の大谷石や芦野石を内装に使って仕上げられている.
“SPACIA X”が到着した,その5番線は降りてくる人,インテリアを観察してみようという人々,記念写真撮影に興ずる家族連れ……それらが混ざり合い,“初列車”に特有の雰囲気が,いやがおうにも高まる.
多くの駅員や乗務員も,こころよく記念写真のリクエストに応じていたのが,とても印象的だった.
“乗りたいねぇ”と,コックピットスイートを,しげしげと覗き込む人々.
そういえば,ということでホーム先端まで見学に赴く.なにが“そういえば”なのかといえば…….
渡り板である.最新のモダンな特急車と,実用本位の渡り板の取り合わせ.これはこれで趣きある情景と,僕は思う.
ホーム先端への途上,ふと気づいたのが車外の液晶表示による列車種別・行先表示装置.号車も示しているのだけれど,なんだか様子が普通じゃない.
それぞれの号車のインテリアを写真で表示しているのだ.それも,いくつものシーンが順に映し出される.これは凄いこと! 報道公開では気づかなかった.いや,もしかしたら表示されていなかったかも.
折り返しの発車を見送り,そろそろ家に戻ろうかと思ったけれど,そういえば上り二番列車が13時45分に到着するではないか.
お馴染み隅田川橋梁.“とれいん”本誌では浅草駅から飛び出してくるシーンをお目にかけているが,ここではスカイツリーを後ろに従えて到着する“SPACIA X”を捉えてみた.
あぁ,早く営業列車に乗ってみたい!仕事を忘れて!
そうそう,この“SPACIA X”,構想発表から試運転の各シーン,試乗会とお伝えし続けてきた東武鉄道N100系だが,鉄道趣味誌での紹介記事の決定版を,MODELERS FILEとして,7月21日発売のとれいん8月号に掲載しています.この電車の全てがこの記事で理解できます.どうぞご覧くださいますよう.