新鶴見といえば操車場と機関区だけれど,操車場は廃止されてからもう四半世紀が過ぎた.大阪の子供には,どんなに鉄道地図を見ても出てこない,謎の場所だった.もっとも,大阪は大阪で,“宮原”という,やはり鉄道地図に登場しない駅がある.
さてその新鶴見.機関区は健在で,機関区構内と品鶴線を跨ぐ陸橋の一つ鹿島田跨線橋付近に新川崎駅が設けられて,機関車の,とりわけ屋根上の観察は至極便
利になった.一方で操車場跡は,長い間,広い空き地となっていたのが,この10年ほどで払い下げが進んだのか,会社の事業所や大型マンションが建設されつ
つある.新川崎の上り方も,隣接する三菱自動車のストックヤードとして使われていたのが,2年ほど前から大掛かりな工事が始まって,なにができるのかと
思っていたら,立派な歩道が新設されるとともに,細長い公園が完成していた.
新川崎ふれあい公園と名付けられたこの公園.近づいて観察してみれ
ば,敷地の南端(新川崎寄り)近くに蒸気機関車を模した遊具が据えられ,周辺にはいくつかのベンチが設けられている.その態から,本来の目的は子供連れで
あろうことが明白である.しかしながら,信号場との敷地との間は,高さ2メートル弱の金網で仕切られているだけ.“大供”たちにとっても,機関車や貨車と
の“ふれあい”の好適な場所であることがわかった.

新川崎ふれあい公園.中心的施設はこの蒸気機関車を模した遊具.ちなみに敷地面積は3,999平方メートルだそうである.

その遊具付近から新川崎方を見る.折りしも停車中はEH200が牽くタンク車の列車.画面右に見えるのは三菱自動車の工場.

同じ場所から上り方(公園の案内図では平間方)を見る.前方奥に見えるのは御幸跨線橋.公園の敷地は跨線橋のたもとまで続くが,途中で仕切られていて通常は立ち入り不可となっている.画面中央はトイレ.

低い脚立など,金網をクリヤーできる手だてを工夫すれば,このようにサイドビューを簡単に撮影可能.ただし,撮影に際しては本来の目的である子供たちの遊びの邪魔にならないよう,危険が生じないよう,充分に配慮する必要があるのは,いうまでもないこと.
この新しいウォッチングスポットが,心ない行動によって失われることのないよう,心から願う次第.
※新鶴見といえば,新しい橋への架け替えのために撤去された江ヶ崎跨線橋のトラス橋の一部が,保存,再活用されることになったという.再利用されるのはプラットトラスの一部で,横浜市中区新山下の霞橋に使われる.保存されるのはポニーワーレン橋の一部で,川崎市内としか判明していない.今後の横浜市や川崎市からの発表に期待したい.
※2022.07.06:公園名を訂正のため題名修正