11月2日付のここで“僕は工事の週末,その情景を観察することはできるのだろうか.”と記した,11月18,19日のJR東日本渋谷駅の大工事,なんとか観察することができた.

工事に伴う山手線池袋と大崎の間の運休は,18日の土曜日が外回り,19日の日曜日が内回りだった.

青山方面への用事にかこつけて渋谷へ向かった僕は,最初に渋谷と恵比寿の間の跨線橋で撮影を開始した.
 この日だけの特別運転……いわずと知れた,相鉄直通列車の池袋延長を観察するのが目的.
 相鉄直通列車はおよそ30分に1本で,E233系と12000系が交互に充当されているから,チャンスは1時間に1度である.
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やってきたのは第2編成.晴れれば正面は影になるし,そもそも表示が“埼京線”ではいつもと変らない……“珍しく”少し翳り,“池袋”の表示で捉えることができた.ほっ.
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ちょっと余談だが,この跨線橋,名前を“四反道跨線人道橋”というのだそうだが,去年秋から架け替え工事が始まっていた.新跨線橋は50mほど渋谷方に移動するのだそうだ.完成予定は4年後.建設が進む過程では,渋谷へ向けての撮影が難しくなるかもしれない.

さて,跨線橋工事の影響だろうか縮小された保線車輛置き場を横目に見ながら渋谷駅へ.
最初に,山手線ホーム最南端で,現状の最終確認.
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待機する線路作業車を横目に到着する北行きの臨海高速線電車.画面右端の“PO撤去中”とはなんだろう.

…で,調べてみたら,POとはホームドアと車輛との連携システムのことで,その地上子を撤去している,という注意書きのようであった.
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振り返って山手線E235系との並びで高さの違いを…あれ?ヘッドマークが.

どこかで見た気がする,どころではない.先週のここでお目に掛けた,東急電車と同じデザインで色違いの,ハチ公生誕100年記念.編成番号はトウ08.やっぱり“ハチ公”のしゃれなのだろう.
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発車を見送ったら,こちら側には違うデザインのヘッドマークが

帰宅後に調べてみたら,これは渋谷駅勤務の社員がデザインしたものであると,JR東日本のリリースに記されていた.
 ちなみに京王井の頭線1000系にも12月29日までの予定で装着されているそうだ.そのうちいかなければ…….山手線は東急とともに2024年3月末までの予定.

閑話休題.ホームをきょろきょろしていたら(危ない!)内回りの南端は,11月6日には線路の扛上が実施されていたようで,ホームに“11月6日から18日終電まで内回り11号車は電車とホームとの段差が広くなっている”旨の掲示があった.

今晩のうちにホームを仕上げねばならない外回りはどうなっているのか.高い仕切壁を,チルトファインダーを利して覗き見れば…….
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大量の鋼材と木材が用意され,ともあれ扛上を,という工事の真っ盛り.もちろん綿密な図面は起こされているのだろうが,最終的には現場合わせの部分が生じるはず.限られた時間内での作業のご苦労には,頭が下がる.

北端も観察せねばと,移動.
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かつてのハチ公口改札への階段は閉鎖し,ホームが延長されていた.まさかグリーン車を組み込んで12輛編成化?中央快速線じゃあるまいし.

というところで,早くも黄昏が近づく渋谷駅をあとにして,地下鉄銀座線の客となった僕である.

そして2日後の月曜日.今度は日本橋での用事.再びの渋谷経由で向かうことにした.
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最初に向かったのが山手貨物線ホーム.山手線電車の停車位置が北へずれていた.そしてホームは扛上され,E235系の裾とホーム上面との位置関係は普通に….使用停止となった部分は従前通りだから,どのぐらい高くなったのか,一目で判る.
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2枚前の写真と比べれば,高くなっている部分が手前にせり出しているのが一目瞭然.上面は板張りで,あくまでも仮の姿.完成には程遠いが,さて.

ということで,山手線渋谷駅での派手な工事は一段落した.
 これまでに渋谷駅の様子は2018年7月5日2020年6月4日,そして今年1月19日などでお届けしているので,興味と関心のある方は,ぜひともご覧いただきたい.

そして向かった,銀座線渋谷駅も,変貌著しい.2日前には写真を撮れず,この日の記録となったが,引き上げ線が付け替えられていた.
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もちろん,ちゃんと計画されてのことである.変ったのは線路だけではない.画面左手に見える旧ホームが青空のもとにある……東急百貨店の建物が完全になくなった結果である.



とにかく,どんどん変わりゆく渋谷.その一齣をお届けした.