好評発売中の月刊とれいん2023年12月号,もう見ていただけただろうか.
 この秋,新潟から奇跡の,そして衝撃的な配転を果たした,JR東日本のE127系電車を紹介するMODELERS FILEが,僕の主な担当だった.

構想28年……ではないが,1995年春の新潟を思い出しつつ,夏がたっぷり残る10月中旬の京浜工業地帯,浜川崎支線へ通った二日間だった.
 なにしろ所要3編成に対して,E127系は2編成だけ.そして昼間の運用は1つしかないから,“外れ”たら,その日はもう仕事にならない.実際,初日は第2編成が早々に引っ込んでしまって,6時半から始まった撮影は9時前にはゲームセットとなってしまった.
 2度目はどうしようか……少し考えて,すぐ翌日,再度の挑戦となった.翌々日だと,再び同じパターンになる可能性が低くない.すぐ次の日だったら,1本が205系だとしても,昼間の運用にはE127が充当される確率が高いのではないか……と,いうことで,二日連続での早起きとなった.
 その予想は的中…どころではなく,2運用ともにE127系だった!
 お蔭で無事に課題を果たすことができた次第.
 室内や近付かなければ撮れない床下クローズアップなどは,8月10日付のここでお伝えした通り,鎌倉車両センター中原支所(長いっ!)での報道公開で撮影済みだし,昔のネガを探し出すのは,企画が決まってからすぐに済ませていたから,あとは原稿を書いて割り付けするのみ……とはいえ,新年号のための作業が始まっていたし,1月に発売のレイルNo.129の編集はたけなわ.決して楽な仕事ではなかった.
 本当なら,12月に営業運転を開始する予定の鶴見線用E127系1000番代とセットでの紹介を考えていて,沿線取材はセットで……と目論んでいたものだから.

さて,愚痴(?)は措いといて.浜川崎支線の二日間での余録を…….
 初日の10月20日は平日だったから,それほどでもなかったけれど,21日は土曜日.大勢の同好の士に混じっての撮影となった.
 とはいえ.
 多くの人たちと僕とで,カメラを構えるタイミングが異なるのだ.僕は,15分に一度やってくるE127系を目指して気合を入れるのだが,多くの皆さんは違うのだ.
 いうまでもなく,貨物列車がお目当てなのである.
 そこで僕も……というのは,“こなすべき課題”を済ませてからでないと許されない.ようやく気持ちに余裕ができたのは,お昼を過ぎた頃だった.
 そこで,E127系を午後の光線で撮れるようになるのを待つ,という口実で,小田栄駅の尻手行きホームでしばしウォッチングに勤しんでみた.
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最初に姿を見せたのはEH200-11.連なる貨車の最初の3輛はコキ200.3輛とも大きなタンクコンテナを積んでいた.3輛目だけがUT17C-8101というJR形式番号を持っていた.その後ろの100系コキにも,たくさんの海上コンテナが積まれていて,ここが京浜工業地帯であることを実感させられた.
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しんがりは可愛い12フィートのタンクコンテナだった.オルガノシラン専用のUT4C-165.中央通運の所有.オルガノシランとは有機珪素化合物だそうである.近年は車票がないから,どこからやってきてどこへ行くのか,さっぱり判らないが.
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12分後(!)の13時26分に姿を見せたのはタキ1000を従えたEF65 2070.とれいん2023年7月号のMODELERS FILE EF65 1000番代”にはJR貨物色時代の姿が掲載されている.
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3番目は13時52分のEF210-348.セノハチや梅田貨物線での後補機にも使うことができる300番代.気がつけば50輛以上の大勢力.連なるのは海上コンテナを積んだ2輛のコキ200と1輛のコキ107と10輛ほどのタキ1000.
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コキ107に載ったコンテナがいやにピカピカ.UT10Cという形式で番号は-5だけを読むことができた.どうも新“車”ではなく検査上がりのようである.所有は日産化学で液化アンモニア専用とある.
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そろそろ日の向きがよくなっただろうと向かった浜川崎駅そばの跨線橋…産業道路の立体交叉橋……から屋根上を撮ろうというわけである.と,姿を見せたのが,さきほども出会ったEF210-348.浜川崎名物(?)の廃モーターカーも,“元気(?)”な姿がちらりと見える.

暑いとはいえ10月下旬である.太陽の向きは思った方向になったものの,建物の影が長くなってしまい,おもったような列車写真は撮れそうにないことが判ってしまった.そこで,本日はここでゲームセット!

で,朝のうちも全く貨物列車を見なかったのかといえば,そんなことはない.実は……
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9時37分の尻手駅での福山通運貸切(?)列車.牽引機はEF210-161.コンテナの高さが違っていたりロゴの文字が大きかったり小さかったり.

で,E127の顔を写して移動しようと思っていたら,横に居合わせた青年が“カラシが来ますよ”と.
 なら待つしかないではないか.そして5分後.
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新鶴見信号場からの短絡線を通って顔を出した.半年前に撮れてれば7月号に使えたのに……とは言っても詮のないことではある.

ということで,本当に久し振りに貨物列車をたくさんみることができて,ちょっと気持ちのリフレッシュがきた,僕の秋であった.