今日12月14日は赤穂浪士討ち入りの日……主君である浅野内匠頭長矩の姓を名乗る駅を通る電車が報道公開された.まぁ,直接の繋がりは,なにもないけれど.

その浅野駅を通る電車の名はJR東日本E131系1000番代.7月24日にはその登場がリリースされ,9月号の“いちぶんのいち情報室”で概要をお伝えした.
  そして11月1日には運転開始日として12月24日が発表された.
 これまで,E131系の房総相模日光・宇都宮と全ての仕様を紹介してきた僕としては,お披露目はいつかいつかと心待ちにしていたものである.

そのポイントは,E131系としては初めての,裾絞りのない狭幅車ということだろう.鶴見線内に,幅広車が通過できない箇所(おそらくは弁天橋の車庫内だろうと,僕は思っているのだが)があるためと説明されている.
 編成はMc+M+Tc'.腰掛はオールロング.
 ということで,宇都宮仕様のマイナーチェンジだろうかと想像していたのだけれど,現地へ到着して室内に入って,大驚きとなった….いや,飛躍せず,順に説明していこう.
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鶴見方から見た編成全体.手前がクハE130-1001,中間がモハE131-1001,扇町方がクモハE131-1001である.中原支所の位置でいえば,クハが立川方ということになる.車体外板はストレート,そして側窓上下に継目はない.

併結運転は想定されていないので,先頭の連結器下には電気連結器が装備されていない.しかし,相模線や宇都宮地区用と同様,貫通扉はある.が……よぉく見ると,ドアノブが見えない.
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中間車モハE131-1001.パンタグラフは鶴見方に取り付け.電磁鈎外し方式で,ほかの番代と同じPS33Hかと思われる.

クモハE131とモハE131の山側に取り付けられた主制御装置は,600番代と同じ日立製作所製だが,形式は異なっており,ほかのE131系と同じSC123SC128とSC123Aである.


車体のカラーリングは,まず海をイメージしたスカイブルーを基調としている.
 正面のドット模様は,かつて鶴見線で活躍した車輛の塗色である茶,黄を採り入れたという.

さて室内.
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クモハE131の客室を運転室側から見る.腰掛の表地は座面が青基調,背擦は茶系の柄となっている.側扉や貫通扉の内張りはステンレス鋼の無塗装仕上げとなった.

側扉横の半自動開閉スイッチは,柱への埋め込みタイプから,E231系時代のような,柱の外側に取り付けるタイプに変更されている.
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そして運転室.貫通路を構成するために必要な仕切が一切存在しない.そればかりか,貫通扉があるべき場所には機器箱が配置されている.これでは扉を設置することは,全く不可能である.

では,この部分を外からもう一度,見てみよう.
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やっぱり,扉があるようにしか見えない.でも,さらに観察してみれば幌座のような部分は,ステンレス鋼無塗装ではなく黒に塗られている.窓の寸法が違う,HOロザの内側にもう1本,縦の切れ目がある.なにより渡り板が,ない.

なるほどね,である.おそらくは,先頭構体を非貫通タイプで新設計するのは手間が掛る.そこで,できるだけ旧来の構造を活かして非貫通タイプを仕立てあげた,ということなのだろう.

このE131系1000番代,8編成が令和5年度のうちに投入され,既存の205系1,100番代は9編成だから,1本足りないことになる.しかし,相模線のE131系も,八王子糊入れが亡くなったとはいえ,13編成の205系を12編成でまかなっている.検査期限の予備車の削減などで対処するのだろう.
 なお,8編成のうち7編成は既に落成済みだが,このE131系にも線路設備状況モニタリング装置を搭載の予定である.しかし落成済みの6編成には,これまでのような80番代は存在していない.最終の第8編成だけに装備で1081となるのだろうか.
 12月24日の営業運転開始で,改めて詳しく観察できる日が,待ち遠しい.

※2023.12.27:主制御装置形式訂正