レイルで昭和40年代の蒸気機関車撮影記録を披露してくださっている……昨年10月発刊のNo.128では,福岡県の情景グラフを掲載させていただいた……蔵重信隆さん.
 その蔵重さんの写真展が1月13日から東京町田市の“町田フォトサロン”で開かれている.さっそく駆け付け……たいと思いはするものの,なにしろ極めつけの時間貧乏者には,町田は近くない.21日にはギャラリートークが催されるというか,その日にはぜひと思っていたのに,目先の仕事に追われて叶わなかった.なんとも悔しい思いをしていたら,荒木 徹さんから“行ってきました!”と,なんとも羨ましい知らせが届いた.
 そこで,せっかくの会場風景と感想を,ぼくの手元に置いておくだけではもったいないということで,ここでご紹介する次第.

まずは会場と会期など

蔵重信隆写真展「昭和の鉄道風景」-蒸気機関車の走っていたころ-

・会場 : 町田市フォトサロン
      
       住所:東京都町田市野津田町3272
       TEL:042-736-8281
・会期 : 2024年1月13日(土)~2月12日(月)
・開場時間 : 9:30~16:30(入館は16時まで)
・休館日 : 火曜日
・ギャラリートーク : 1月21日(日)14時~ 参加費無料
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会場外観.最寄りの鉄道駅はJR横浜線と小田急電鉄の町田駅.そこからバスで約15分.ちょっと手間は掛かるが,気分転換のお出かけには好適かもしれない.

ちなみにそのバスは東京都内ながら神奈川中央交通の路線で,町53系統の鶴川駅前行きまたは町55系統の野津田車庫前行き.15分に1本程度の運行頻度である.サロンの隣接地である薬師池には駐車場があって,ふつうの乗用車なら1時間以内無料,1時間半までなら100円,その後は30分ごとに50円の加算だという.
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会場風景 その1.九州地方の情景が集められた一角.筑豊本線や久大本線の写真は,レイル読者ならば,見覚えのある作品を見出すことができる.
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こちらは雪と冬の鉄道.北海道の炭砿鉄道も.機関車や列車ばかりではなく,昭和40年代半ばに,既に人と鉄道との接点を探る作品が多いのに,驚かされる.

それぞれの写真には,簡単ながら映り込んでいる往事の情景に触れる短いキャプションが付けられており,当時の貴重な生活情景に思わず時間を過ぎるのを忘れさせる工夫が凝らされている.

レイルではNo.101で関西本線105で久大本線の写真群を披露していただいている.,
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昭和40年代前半の日本各地の鉄道風景を,市井の人々の生活感を感じられる構図で切り取った作品,およそ60余点から構成された写真展です.
蔵重さんが大学生時代から撮り始めた,北は北海道,南は九州に至る各地の往事の情景は,国鉄のみならず,まだ盛業中だった炭礦鉄道の専用線なども盛り込まれており,とうの昔に潰えた貴重な情景を鑑賞することが出来る内容です.

当時,同じ年代を過ごしていた人には郷愁と追想を,そうでない方にも今では見ることが出来ない光景をある意味新鮮さを持って見て頂けるような写真展となっています.
数々の作品から感じさせられる温もりのある構図の数々は,後年,海外の現役で活躍する蒸気機関車の作品群に繋がる蔵重さんからではカメラ視線が,既にこの頃に華開いていたのだと感じさせられるものでした.
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とは,荒木さんの感想.
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そして21日に開催されたトークショーの一齣.

荒木さんは,その感想を,次のように綴ってこられた.

1月21日には展示作品を上映しての,撮影時の状況を説明頂くギャラリートークが開催され,鉄道は写ってはいるけれども列車が主体ではない構図を当時から意識していたということを話されておられました.
駅前から一歩離れるとまだ砂利道が普通だった頃,荷物は風呂敷で包んで運んでいた頃,専用線では冬期暖房はダルマストーブで暖をとっていた頃,改札越しに住民と乗務員が会話をすることが至って普通だった頃….
撮影旅行を通じて沿線住民との触れ合いなどもあったというエピソードなど,往事の撮影時エピソードも貴重な内容を伺うことができました.
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撮影途上の,蔵重さんの“勇姿”とプロフィール.写真は全てブログでの発表を前もってフォトギャラリーから得ての撮影です.写真5点:荒木 徹 

ちなみに昭和23/1948年のお生まれ.プロフィールにある“退職後は北京に滞在し,もっぱら中国の蒸気機関車を追いかける”は2010年前後の数年間のことであり,その成果は,ほぼリアルタイムで“レイル”にレポートしてくださった.
 そのレポートは,編集者が思ってた“単なる現地状況報告”とは全く異なり,それぞれの鉄道について,徹底した歴史探究を試みられていた.その第1回はレイルNo.61.河北省の炭砿鉄道の紹介.平成19/2007年7月のことであった.最終回はNo.81

これまで紹介してきた蔵重さんの作品は,ほんの一部に過ぎない.これからも機会を見てお目にかけたいと思っている.ご期待ください.