先週のここで,西武鉄道から消滅したグローブベンチレータのことを採り上げ,“ほかでは?”と綴ったところ,大勢の方からフォローをいただいた.それらは追記でしておいたが,ここでも改めて列挙すると…….
阪神電鉄7801系“経済車”,阪神救援車110形,東京都交通局10-000形,新京成電鉄の100形や800形,京王帝都電鉄2010系の多く…….
 そうこうしているうちに自分で思いだしたのは,阪急電鉄100形(決して新京阪デイ100ではない)が更新に際して,標準的なスタイルではないけれど,グローブベンチレーターに取り替えているのだった.“標準的なスタイルではない”を範疇に含めれば,さらに沼は深くなるかもしれない.ほどほどにしておこう.とはいえ,いずれ纏めたくなってしまうかもしれないけれど.

閑話休題

今週の関東地方は大雪で明けた.月曜日の昼間から本格的に降り出した雪は見る見るうちに地面を白く染め,日が暮れるころには一面の銀世界となった.
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雪にまみれながらも疾走,練馬駅を通過する6000系ステンレス鋼製グループの池袋行き急行.番号は雪に隠れて読めない.2024-2-5

これは積雪を予期して朝から持ち歩いていたカメラで捉えたものである.この前後と翌日の撮影譚と,僕がいかに雪と戯れて“犬は喜び庭駆けまわり”状態になるかは,今月発売の本誌Coffee Cupに記したので,発売されたお読みいただければ幸い.そういえばこのブログでも,西武池袋線で雪と電車を撮った話は数え切れないほどに記している…….最近では2022年2月10日のここである.最初に書いたのは……ちょっと検索してみたら2012年1月26日のここと出てきた.もしかしたら,もっと以前にも書いているかもしれないが.

で,再びの閑話休題

西武6000系といえば西武鉄道の本線では初めてのインバータ制御車であり,車体がステンレス鋼製になったはじめでもある.そして初の10輛固定編成,ボルスタレス台車の採用と,数々の新機軸を導入した,エポックメイキングな車輌である.
 長らく,最初の2編成は新宿線に,残りの23編成は池袋線で活躍を続けてきた電車である.デビューは1992年だから,気がつけば最初の編成は車齢が30年を突破した.
 この間には地下鉄乗り入れ対策や主制御装置の交換,アルミ合金製では戸袋窓の簡易埋め込みなどの改造が施されてきたが,概ね姿を変えずに西武鉄道を代表する電車のひとつとして君臨してきた.

様子が変わりはじめたのは,40000系が登場して増備車が増えた昨年初めごろから.
 3月20日のここでは6108編成の新宿線移籍を確認,その後,6103編成6104編成が新宿線に移動した.そして12月には6106編成が池袋線から姿を消した.
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西武新宿行き急行で運用中の6106編成.東大和 2013-12-10 写真:池添智和
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運転席頭上のホーム監視用モニターは撤去され,パンタグラフはシングルアームに換装されている.写真:池添智和

これで量産車は4編成が新宿線に転じたことになる.
 今年に入ってからは40000系の40163と40164が運用に入っているから,2000系のやりくりなどを経由(?)しての転属なのだろう.
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40000系40164.いつもの場所で初めて撮影できた日である.2023-12-21

今年度の新造車はここまでのはずだから,新年度の新製増備がどうなるか,その動向によっては,6000系にはさらなる動きが出てくる可能性がある.地元ならではということで,注目し続けたい.

※2024.02.10修正:シングルアームパンタグラフに換装されたのは6108で,6106編成は菱枠のまま