沿線にお住まいの方以外は,なんのことやらと思われるだろう.
 実は3月から東急電鉄目蒲線ではなく目黒線3020系第3編成(3123編成)が,“新幹線ラッピング”を纏って走っているのである.
 そして5月中旬からは,東横線5050系4000番代第5編成(4105編成)が追加された.
 なんで東急に新幹線?と疑問に思うのが普通の反応だろう.
 昨年の3月に開業した東急新横浜線の存在が,その理由.
 この新線開業によって,東急沿線から新幹線への乗り換えが一挙に便利になった.JR東海も呼応して朝6時発の新横浜始発広島行きを設定して,新大阪に最初に到着する列車とした.
 その開業から1周年を迎えてのJR東海と東急電鉄が手を組んでのラッピング,という次第である.東海道新幹線開業60周年記念という意味もあるのだろうか.
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ということで,まずは3123編成.捉まえることができたのは奥沢駅の田園調布方.昼下がりの逆光ではあったが高曇りだったので,各部分,潰れずに撮影することができた.2024-5-25

通過に際して側面を見たら,戸袋部分に名古屋のテレビ塔や東寺の五重塔,生八橋などが描かれている.そして“enjoy! WEST”のロゴが.
 このあと4000番代のラッピング編成が来ないかと,多摩川の駅で待ち構えていたら……
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4105編成がやってきた!が……

この時ばかりは,普段大好きな相模鉄道21000系も,にっくき存在となった.

折り返しはうまく撮れそうな場所を思いつかず,自由が丘の駅はずれで見送ったら,幸いにして渋谷行きだった.
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その渋谷行き.でもこれではせっかくの側面ラッピングがほとんど見えない.

そこで渋谷からの折り返しを待つことにした.
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が,しかし.

ご覧の通りであった.意気消沈とはこのこと.

そういえばこの場所からの渋谷方面行きでは,電車の背景に“お菓子のホームラン王・ナボナ”という王貞治の広告で関東では有名な,亀屋万年堂の広告が見えたのだけれど,見えない.なんで?と思って帰り道に前を通ってみたら,店舗が移転してしまっていた.もっともそれ以前に,隣接して高いビルが建てられたから,でもあるわけだったが.

この4105編成は,当然のことながら西武線にも顔を出すはずなのに,一向に見掛けない.どうなってるの?と思っていたら,先週の日曜日朝に目撃情報が.
 そこで家事を切り上げて出向いた,富士見台駅.
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ようやく! しかも列車種別は“Fライナー 快急”,行き先は飯能である.晴れれば逆光の場所だけれど,曇りが幸いして綺麗に納まった.幸いにして普通電車と重なることもなく.2024-6-2

ということで,次は乗ってみよう,でも車内は普通の5050系4000番代なのだろうなぁと思っていたら.6月3日に東急電鉄からニュースリリースが発表された.題して
“新幹線ラッピングトレイン車内でなつかしの「ひかりチャイム」を使用します. ~JR東海とコラボレーションした車内広告のジャック(貸切)も行います~”
 本文によれば,7月1日から3123編成で,秋頃からは4105編成でもチャイムを使用することになっている.ただし,2003年まで車内で使われ,今では山陽新幹線区間の駅で使われているオリジナルのままではなく,向谷 実さんが現代風にリファインするのだという.どんな感じに聞こえるのだろうか.楽しみなことである.