5月2日のここで,昭和初期から昭和30年代なかばまで使われていた塗り分けをイメージしたというラッピング車が西武池袋線に走りはじめたことをお伝えした.
 でもこのラッピング,両先頭車だけで中間にはなにも手が加えられていない.武蔵野鉄道創立110周年記念の2069編成が全面茶色に塗装したのに比べれば……と,実のところ,思わないではなかった.
 ところが5月23日,西武鉄道から“清瀬駅開業100周年記念事業を実施”というリリースが発表され.そこに掲載されたイメージ図から,このラッピングは“未完”であったことが判明したのだった.
 そのリリースによれば,ラッピングが完成状態になるのは6月11日.これは何の日?……清瀬駅の開業100周年記念日なのだそうである.西武鉄道と清瀬市が提携して企画したイベントの一環であるのだという.

なるほどそうであるのかと思いつつ,とれいん7月号蒸機の時代96号の追い込みが山を越した6月12日,帰宅しようと江古田駅のホームに上がったら,やってきたのが,当該の2071編成だった!幸いにして(?)豊島園行きだったから,練馬の駅で降りて折り返してくるのを待つことにした.
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でも,完全逆光…….10年選手のコンパクトカメラではこれが精一杯.
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振り返ってみれば,完全に上屋の影の中.でも様子は判る.

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各戸袋部には歴代清瀬駅の写真や,清瀬市のキャラクター,そして100周年記念ロゴで彩られている.
開業当時_提供:清瀬市
使われている写真のうちの1枚.開業時の清瀬駅だという.右端の無蓋車のアオリ戸の背が高いのが気になるところだが,それとともに,駅名標の最上段が“西武電車”というのが興味深い.写真提供:清瀬市・西武鉄道

なおこの編成の車内には公募された写真や絵画の入選作品を掲出している.

さて6月11日,当日の清瀬駅はどうだったのだろう.西武鉄道広報からオフィシャル写真などをご提供いただいたので,その一部をご紹介しよう.
14.中森明菜さんメッセージパネル除幕
清瀬市出身の有名人はあまたいるが,この人もその一人.ちなみにこの日から,清瀬駅の発車メロディは,池袋方面行きホームが“DESIRE-情熱”,所沢方面行きホームが”セカンド・ラブ”に変更された.写真:西武鉄道
記念トレイン出発式
12時48分,出発式.左は鈴川絢子さん,中が中川家・礼二さん.右は石神井公園駅管区長の香月さん.写真:西武鉄道
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そして今朝の練馬高野台駅.最新鋭の40000系や中堅の6000系に囲まれて元気よく“百寿”のヘッドマークを掲げて姿を見せてくれた.この姿で走るのは来年3月31日(月)まで.きちんと記録しておきたい.



そうそう,武蔵野鉄道の全通は大正4/1915年のことだから,清瀬駅は沿線の発展とともに誕生した駅ということになる.創元社から刊行されている“全国駅名事典”を繙けば,同時に中村橋,ひばりが丘,そして椎名町の駅が開業している.そして我が江古田駅は大正11/1922年11月1日……今年で102年だ! 大泉学園駅は大正13/1924年11月1日とある.100周年! “つい最近開業”の練馬高野台駅を別とすれば,豊島区と練馬区で最後に開業したのが大正14/1925年3月15日の富士見台駅だという.それでも来年には100年である!