9月8日,熊本市交通局上熊本の車庫で,新形電車2400が披露された.本来は9月1日に一般公開,8日に報道公開の予定だったそうなのだが,台風の影響で同日の開催になったとのことである.
 惜しいところで9月21日発売の,とれいん10月号に間に合わなかったので,ここで速報する次第.
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なにしろ約10年振りの新造車輛,しかも熊本としては初めてのアルナ車両“リトルダンサー”とあって,注目度は極めて高かった.写真:熊本市交通局

全体的に福井鉄道F2000形と近似性が高い.カテゴリーは同じ“new-L”に属する.それはスタイルも3車体で両端車体にボギー台車,中間車体には車体に固定されたボルスタレス台車が配されているという全体構成も同じである.
 しかし寸法を見れば,全長はF2000形の21,400mmに対して21,350mm,全幅はF2000形の2,600mmに対して2,380mm,床高さはF2000形では380mmで2400形では330mm…….側窓の配置だって,両端車体の前頭部は大きく異なっている.ということで“同形”ではない.
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白と黒を基調としたカラーリングも,熊本オリジナルである.写真手前から2301B+2401C+2401A.A車にシングルアームパンタグラフを搭載している.写真:熊本市交通局
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運転席.中央のメーターナセルは共通だが,ブレーキ・マスコンハンドルは右手操作タイプ.そのため,スイッチ類が左手に移動している.速度計の目盛は時速80キロまで刻まれている.写真:熊本市交通局

諸元表では最高速度は時速40キロとされているが,福井と同等邱殿性能を秘めているのではなかろうか.主電動機の定格出力は85kWであり,F2000形の60kWよりも高い.

客室に目を向ければ,収容力重視のオールロングシートであり,両端車体の連節部に“おひとりさま席”があることも同じである.ただし車椅子スペースの配置は違っている.なにより,腰掛表地の色遣いが違っていて,モノトーンのとてもシックなイメージに仕上げられている.
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F2000形では中間車体(C車)腰掛の前に出っぱりがあるのに対して,2400形にはない.これはひとえに1,067mm軌間と1,435mm軌間の違いによるものである.腰掛表地の柄は三角形で纏められた幾何学模様である.写真:熊本市交通局

ロングシートの採用により,編成定員は112名を確保している.うち座席定員は42名.
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2401Bの正面.前照燈はコイト電工製の花形を腰に配置,その内側に横長の尾燈を取り付けている.写真:熊本市交通局

形式の2400は,これまでの熊本市電の通例から,西暦の下二桁から採ったものに間違いなかろう.
 最初の開業から100周年となる記念すべき年にデビューした2400形が,ラッシュ時の混雑緩和に活躍し,構想されている路線の延長区間の輸送にも貢献することを祈っている.

熊本へ行きたい.