11月12日午前,JR東日本首都圏本部企画総務部広報ユニットの主催により,鉄道趣味月刊誌各社向け報道公開が実施された.内容は,尾久車両センターでEF65 1115とEF81 80を撮影……が,しかし,僕自身はまさにこの日の午前,ほかの場所でのほかの車輛の撮影取材が予定されていて,なにが何でも参加することができない状況だった.なんということか.
 しかしせっかくのお誘いを欠席するのは,なんとも忍びないということで,レイルウェイズ グラフィック(RGG)の小林大樹さんに撮影を依頼した.それとともに,とれいん誌の原稿書きなどを手伝ってくれている若手の中で,車庫での車輛写真撮影に意欲的な青木啓悟さんが手を挙げてくれたので,二人での参加という申し込みをしたのだった.
全景_はくつるHM_田端看板
“田端運転所”の掲示とEF81 80,そしてEF65 1115.写真全部:青木啓悟

田端運転所という組織は,2年前の尾久車両センターへの統合で消滅している.だからこの掲示には,厳密にいえば“旧”という一文字を書き加えるべきなのかもしれない.でも,硬いことは抜き.いい情景ではないか.EF81とEF65の区名札挿に見える“尾”の文字が,現実をあらわしているのだから.
EF81-80
田端では,午前中なら機関車右頭が順光線になる.しかしそれにしても,絶好のポジションに最高の光線状態…….やっぱり行きたかった…….

初めて田端運転所で機関車を撮影したのは,いつだっただろうか.もしかしたら“北斗星”用のEF81かもしれない.その後,ベルギー国王来日に際して装飾されたEF58 61や“北斗星”“カシオペア”牽引用EF510も,ここで撮影した.現場の人々の,鉄道や機関車に対する“愛”のおかげで,それぞれによい記憶が残る撮影取材であった.
EF65-1115
一方のEF65はといえば,建屋のすぐ北側に留置されていたから,陽が当たると時間帯によっては日陰となるし,架線柱のすぐ横の線路だから,逆光での撮影になってしまう……と思ったら,にわかに雲が湧いて出て,ご覧の通り影に悩まされることなく撮影できたのだそうだ.なんたる幸運
EF65-1115-1_あさかぜ
EF65 1115は,EF65 500番代を置き替えるために新製され,東京機関区に配置された機関車.だから“あさかぜ”ヘッドマーク装着で,往年の姿が蘇ったことになる.正面からの撮影ではちゃんと日が射しているではないか.

東京機関区への新製配置機は,宮原機関区配置機とともにスノウプロウを取り付けていないのが特徴である.
EF65-1115-1_運転台全景
EF65はキャブ内の撮影も許された.保安装置や空調装置などが追加されてはいるものの,50年選手にしては,よく原形を保っていると思う.


JR東日本では,先月から今月にかけて,EF65やEF64,DD51の引退を惜しむ記念列車が盛んに運転されている.一方で田端,いや尾久に配置されている3輛のEF65と4輛のEF814輛ずつのEF65とEF81は,ひたすら地味な活動を続けている.
 レール輸送はキヤE195系が,バラスト輸送はGV-E197系が,そして検査のための入出場もE493系という,牽引に特化した事業用車が本格的な運用を開始した今,機関車の将来は明るくない.
 けれども,仕事がある限り,元気な姿を見せてくれることを願っている,今日の僕であった.撮影の機会は……きっとそのうち,一般公募の撮影会ツアーに当選する,と,いいなぁ.

※2024.11.18:EF65の配置数訂正および一部誤記修正