今日,11月28日の午後3時,鉄道友の会のニュースリリースページに“2024年11月28日 2024年 島 秀雄記念優秀著作賞を決定”という項目が加わった.
いつも通り,部門別の受賞作が発表されているわけだが,そのしんがりに“芝浦工業大学附属中学高等学校「鉄道院403号(西武鉄道4号)機関車の保存」(『レイル』125号、エリエイ)および同機関車の保存活動”と記されていた.
ご存じの方はご存じの通り,昨年の1月に刊行したレイル No.125のトップに掲載の稿である.
選考理由として
“『レイル』誌に掲載された記事は、1886年に製造された同機の歴史を詳しく解説するとともに、復元工事中に撮影された各部の詳細な写真を掲載しており、その高い資料性は今後の鉄道車両保存活動にも益するところが大きいといえ、機関車の保存活動とともに特別賞に相応しいものとして選定しました。”
と記されている.
教育機関が歴史的価値の高い蒸気機関車を保存するという意義とともに,保存整備に関する過程が,対象機関車の選定から時代考証,整備作業,据え付けに至るまで綿密に記録されているということが評価されたということである.
その,得難い記録の発表の場を提供させていただいた“レイル”としては,この上ない喜びである.
除幕,お披露目は2022年11月12日の午前に催された.写真はデモンストレーションで煙突から煙を出し,前照燈を点しているシーン.実はレイルの表紙に使った写真なのだが,ほぼトリミングしてないオリジナルはこういう写真である,という種明かし.雲一つない晴天は,この機関車の整備保存をお祝いしていたとしか思えない.それにしても,もう2年が過ぎ去ってしまったわけである.
お披露目のあとも,豊洲に用事があるたびに,この機関車のことは気にしている.夏の国際鉄道模型コンベンションへ向かう途上では,“ゆりかもめ”の車中から,その存在を確かめている.もっとも,往路も復路も,“途中下車”して機関車の側に寄る時間の余裕は,あまりないけれど.
最近,近寄って機関車を観察したのは7月23日の夕刻だった.夏休み中とはいえ夕闇迫る午後7時前ともなればさすがに公園で散策する人も多くない.その分,ほんの僅かな時間とはいえ,存分に近寄って各部を眺めることができた.
ついさきほどまで,あたり一帯を熱し続けていた太陽も西に没し,僅かな光が機関車に残るのみだった.この季節の夕暮れ近くなら,なんとか機関車の右側に陽が当たることを確かめることもできた.高架線上を“ゆりかもめ”が通り過ぎてゆく.車内でカメラを構えれば,上方からの観察が可能.
2年近くを経ても輝きを失っていない銘板と痛みのない機関車本体の塗装面を見る.
来年,2025年はこの機関車を輸入,使用した川越鉄道の最初の区間である久米川(仮駅)と川越(現在の本川越)の間が開業してから130周年の記念すべき年である.
西武鉄道では,沿線6市と協力してさまざまな催しを計画しているという.本日,11月28日には,二つの企画が発表された.
一つ目は“沿線6市で記念のヘッドマークデザインを募集!”.
12月1日から,“川越鉄道開業130周年を沿線自治体で盛りあげるため、各自治体在住・在勤 ・在学で小学生以上の方を対象とした電車のヘッドマークのデザインを公募します 。”というもの.西武鉄道のウェブに詳しく説明されている.
二つ目は“小川駅開業130周年記念「4000系で行く小川駅回遊の旅&西武園駅での撮影会」”.12月14日に新所沢駅を出発する特別列車に乗車して昼過ぎに新所沢駅へ帰着するというツアーである.途中経路は“詳細な行程が分からないシークレットツアー”なのだそうである.こちらの申し込みは
EM ot オンラインチケット にアクセスいただき、「埼玉」エリアから「4000系で行く小川駅回遊の旅&西武園駅での撮影会」を選択の上、購入手続きを行ってください。
とのこと.
この2件とも,西武鉄道への問い合わせ先は,西武鉄道お客さまセンター(電話0570-005-712 営業時間 全日 9時から17時まで).
これから先,川越鉄道沿線のみならず,西武鉄道全体での催しが続々発表されるに違いない.大いに期待したい.
締めくくりにお目に掛けるのが,昭和12/1937年4月1日の川越機関庫風景.7輛の2軸客車のほか,画面左端には背面ながら蒸気機関車の姿も見える.客車についてはレイルNo.129で藤田吾郎さんが解説してくださっている.写真所蔵:レイル編集部
いつも通り,部門別の受賞作が発表されているわけだが,そのしんがりに“芝浦工業大学附属中学高等学校「鉄道院403号(西武鉄道4号)機関車の保存」(『レイル』125号、エリエイ)および同機関車の保存活動”と記されていた.
ご存じの方はご存じの通り,昨年の1月に刊行したレイル No.125のトップに掲載の稿である.
選考理由として
“『レイル』誌に掲載された記事は、1886年に製造された同機の歴史を詳しく解説するとともに、復元工事中に撮影された各部の詳細な写真を掲載しており、その高い資料性は今後の鉄道車両保存活動にも益するところが大きいといえ、機関車の保存活動とともに特別賞に相応しいものとして選定しました。”
と記されている.
教育機関が歴史的価値の高い蒸気機関車を保存するという意義とともに,保存整備に関する過程が,対象機関車の選定から時代考証,整備作業,据え付けに至るまで綿密に記録されているということが評価されたということである.
その,得難い記録の発表の場を提供させていただいた“レイル”としては,この上ない喜びである.
除幕,お披露目は2022年11月12日の午前に催された.写真はデモンストレーションで煙突から煙を出し,前照燈を点しているシーン.実はレイルの表紙に使った写真なのだが,ほぼトリミングしてないオリジナルはこういう写真である,という種明かし.雲一つない晴天は,この機関車の整備保存をお祝いしていたとしか思えない.それにしても,もう2年が過ぎ去ってしまったわけである.
お披露目のあとも,豊洲に用事があるたびに,この機関車のことは気にしている.夏の国際鉄道模型コンベンションへ向かう途上では,“ゆりかもめ”の車中から,その存在を確かめている.もっとも,往路も復路も,“途中下車”して機関車の側に寄る時間の余裕は,あまりないけれど.
最近,近寄って機関車を観察したのは7月23日の夕刻だった.夏休み中とはいえ夕闇迫る午後7時前ともなればさすがに公園で散策する人も多くない.その分,ほんの僅かな時間とはいえ,存分に近寄って各部を眺めることができた.
ついさきほどまで,あたり一帯を熱し続けていた太陽も西に没し,僅かな光が機関車に残るのみだった.この季節の夕暮れ近くなら,なんとか機関車の右側に陽が当たることを確かめることもできた.高架線上を“ゆりかもめ”が通り過ぎてゆく.車内でカメラを構えれば,上方からの観察が可能.
2年近くを経ても輝きを失っていない銘板と痛みのない機関車本体の塗装面を見る.
来年,2025年はこの機関車を輸入,使用した川越鉄道の最初の区間である久米川(仮駅)と川越(現在の本川越)の間が開業してから130周年の記念すべき年である.
西武鉄道では,沿線6市と協力してさまざまな催しを計画しているという.本日,11月28日には,二つの企画が発表された.
一つ目は“沿線6市で記念のヘッドマークデザインを募集!”.
12月1日から,“川越鉄道開業130周年を沿線自治体で盛りあげるため、各自治体在住・在勤 ・在学で小学生以上の方を対象とした電車のヘッドマークのデザインを公募します 。”というもの.西武鉄道のウェブに詳しく説明されている.
二つ目は“小川駅開業130周年記念「4000系で行く小川駅回遊の旅&西武園駅での撮影会」”.12月14日に新所沢駅を出発する特別列車に乗車して昼過ぎに新所沢駅へ帰着するというツアーである.途中経路は“詳細な行程が分からないシークレットツアー”なのだそうである.こちらの申し込みは
EM ot オンラインチケット にアクセスいただき、「埼玉」エリアから「4000系で行く小川駅回遊の旅&西武園駅での撮影会」を選択の上、購入手続きを行ってください。
とのこと.
この2件とも,西武鉄道への問い合わせ先は,西武鉄道お客さまセンター(電話0570-005-712 営業時間 全日 9時から17時まで).
これから先,川越鉄道沿線のみならず,西武鉄道全体での催しが続々発表されるに違いない.大いに期待したい.
締めくくりにお目に掛けるのが,昭和12/1937年4月1日の川越機関庫風景.7輛の2軸客車のほか,画面左端には背面ながら蒸気機関車の姿も見える.客車についてはレイルNo.129で藤田吾郎さんが解説してくださっている.写真所蔵:レイル編集部