このところ毎年恒例となっている,元日の初詣と呑み初め(!?).
 昨年は豪徳寺参りと,北陸と栃木のお酒だった.

年明け早々,大地震と航空機事故と火災に見舞われた三が日だった.今年の日本は,いまのところ,おおむね平穏無事のようである.なんとかこのままずっと平和であってほしい.

さて昨日はどこへ行ったのかといえば,京王線小田急線から南へ下がって東横線.いや,東横線といえば去年のとりわけ後半には散々に通った路線である.その成果は,とれいん誌の1月号(おかげさまでの50周年記念号)で披露させていただいた.もうご覧いただいた方も多いだろう.
 だったらほかの沿線がよいんじゃないかと,一瞬だけ頭をよぎった.過ぎったけれど,次の瞬間には“でも,自由が丘に通ったといっても,駅の周辺の線路端をぐるっと回っただけじゃないか”とも思った.たしかに,氏神様である熊野神社も九品仏……浄真寺も,まったく影すら見ていない.今日は電車を抜きにして自由が丘を訪問してみよう.
 最寄り駅に向けて出かけたのは,昼の12時半過ぎであった.
 やってきた電車は各停の元町・中華街行き5160編成だった.急ぐ旅でもなしということで,そのまま副都心線から東横線に入って…….
DSCN0612
降りてから続行の“F ライナー”を待っていたら姿を見せたのは西武6000系6115編成だった.画面左に見えるのが自由が丘デパート,サンリキ,ひかり街と続く自由が丘駅前(横というべきか?)ショッピングモール.
DSCN0618
続いて渋谷に向かう4106編成の和光市行き急行を見送る.列車の左に大きく掲げられている“サンリキ”の看板を撮りたかったのが,ようやく果たすことができた.

さて,改札を出て向かったのはほぼ真北にのびる道.ちょっと先を右に曲がれば熊野神社……のはずが,そこは裏手であった.なんのことはない,自由が丘デパートの前の通りを線路沿いに歩いて自由通り(自由が丘駅周辺に建てられている歴史看板には平成16/2004年に命名されたのだと受け取れる記述があるが,もっと昔から自由通りと呼んでいたような……)の踏切横で左に曲がればすぐ.であった.いかに,線路以外を眺めていなかったかが知れる“方向音痴”であった.
DSCN0629
地域の氏神様と思っていたら,いや実際そうなのだが,思いのほかに行列が,長かった.幸いにして快晴で風もなかったので,おとなしく待つことに.

近年は,“普通の”氏神様にも初詣の人々が訪れ(いや,僕もその一人ではあるのだけれど),思いもかけない混雑に遭遇する.江古田にある浅間神社だって,かつては正月でも静かだったのに,境内にある富士塚が話題になって以来,すごい行列のようである.

参道の途中には,自由が丘や緑が丘一帯の耕地整理を強力に推し進め,スムーズな東横線開通に寄与したという栗山久次郎翁の像が.像そのものは昭和12/1937年の建立で,その50年を記念したという顕彰碑が脇に寄り添っている.
 とれいん誌では5050系と1000系がテーマだったはずなのに,なんで地域のことにこだわるのかって?
 その理由は,もうちょっとお待ちいただければ理解していただけるだろう……いや,とれいん誌にはもう予告している.今月発売予定のレイルNo.133のメインテーマが“自由が丘”なのである.
DSCN0641
社殿.由来書きに拠れば,少なくとも寛政8/1796年までには建立されていたという.東京神社庁の紹介欄には鎌倉時代には存在したという意味の記述もあるが,実際には,よく判らないということのようである.

さて,次に向かったのが浄真寺.僕たちには九品仏という,余所者には難読の,でもそれが故に印象に残る大井町線の駅名で知られる存在.自由が丘駅の旧名が九品仏ということもあって,訪ねてみることにしたのだった.
 ということで最寄り駅は九品仏なのだが,自由が丘の駅に戻ってひと駅電車に乗るぐらいなら,散歩がてら歩いたって,たいしたことはない.このあたり一帯の起伏を身をもって体験することもできるし.もっともその場合には,近年では貴重となった(?)ドアカットを体験することはできないが.
 実際,元のトモエ学園横を通って東門まで,所要時間は15分ほどであった.
DSCN0673
本堂.でもこのお寺にお参りする際には,向かい合って建つ3棟の仏堂……下品堂,上品堂,中品堂に収められた9体の阿弥陀様の表情やしぐさをじっくりと鑑賞するのが肝要と思う.
DSCN0682
陽が西に傾いてくると冷えてきた.自由が丘駅前の喫茶店で暖をとってから改札を入ったら,もう5時前だった.どうやって家に戻ろうかと思案していたら,目の前を東武の9000系第2編成が回送で渋谷方面に向けて通過して行った.

続いて到着したのは急行の渋谷行き.副都心線に乗り換えようと思ったら,反対側のホームで待っていたのは,なんとその9102編成!小竹向原で有楽町線から姿を見せたのは東京地下鉄10000系.ということで,ついに西武電車に乗ることのない旅となった.

さて,これも恒例(?)の今年のお酒.なにしろ去年は春に岡山出雲,夏には大阪奈良,そして秋には再びの出雲信州上田福島を訪れた.いずれも忘れ難い体験をしたが,唯一,地元のお酒を買って帰ることができなかったのが上田.ということで,折りよく酒屋さんの棚で,僕を待ってくれていたのが,お目に掛ける“月吉野(つきよしの) 赤 辛口純米酒”.
DSCN0597
上田市中野にある若林醸造という酒蔵の純米酒.おだやかな,癖の少ない飲み味であった.

買い求めてから調べてみたら,上田電鉄中野駅が最寄り……ほとんど駅前で,主に地元産の米を使い,10年前には自前の麹を使っての醸造を復活……地道に酒造りに勤しむ小さな酒蔵だという.
 次に上田へ出かけたときには,時間を作って立ち寄ってみたくなった.
DSCN0684
“厄”が寄ってこないように,そして食べることに困らないようにとの願いを込めて,九品仏浄真寺でいただいた絵馬とお札.なにしろ今年の我が家は年男とと年女の2人暮らしだから

ということで始まった令和7年.今年はどこの,どんなできごとをお伝えできるだろうか.車輛では既に京成3200形,東武80000系,西武40000系8輛編成,阪急2000系,伊予鉄7000系が出来上がっている.近鉄の最新一般車は大阪線用のお目見えが間もなくだろう.そういえば東急8637編成は?

楽しみの種は尽きない.

どうぞ変わらずお引き立てくださいますよう,お願いします.