先週の東急電鉄6020系に続き,今週月曜日の6月30日にJR東日本の仙石線用E131系800番代が公開された.さらにその翌日には東京臨海高速鉄道の71-000系も披露された…….
 ということで,今週はまず,インターネットメディアでのレポートが少なく,なおかつ僕が久し振りに仙台を訪問した取材結果をお話ししよう.
8FA_6917
石巻方から見たE131系800番代の第1編成.手前からクモハE131-801,サハE131-801,モハE130-801,そしてクハE130-901.編成番号はN1.車体四隅にはホーム状態監視カメラが備えられている.

主制御装置はクモハE131とモハE130に,補助電源装置と電動空気圧縮機はサハE131とクハE130の,いずれも山側(石巻に向かって左側)に搭載している.補助電源装置と電動空気圧縮機の並び順がサハとクハで逆になっているのが特徴.
 主制御装置は三菱電機製のSC129,補助電源装置は富士電機製のSC124.ちなみにこれまでのE131系では日立製のハイブリッドSiC制御装置だったのだが,今回は三菱製.もしかしてフルSiCに変更された?それとも?
8FA_7031
クハE130の台車間真横.電動空気圧縮機が石巻方に,補助電源装置(SIV)が仙台方に配置されている.屋根には通常の列車無線アンテナのほかにATACSアンテナも見える

なお,線路設備モニタリング装置は最終1本前のN13編成に実装,最終のN14編成は準備工事となる予定.この2編成は880番代となる.
8FA_6985
台車は動力台車がDT80,付随台車がTR273系.バネなどの違いで枝番が与えられている可能性があるが,海側を観察することができなかったので,全ての銘板による確認はできていない.写真はサハE130のTR273B.

客室はオールロングシート.クモハE130の山側に大形車椅子対応トイレを設けている.
N8A_4512
客室全景.腰掛の表地は座面が濃い青,背摺が淡い青.側扉上部には2面の情報表示装置が千鳥上に配置されているほか,防犯カメラを設置している.側扉ガラスは複層で内張はステンレス鋼無塗装.写真はモハE130.

今回は,残念ながら運転室内での撮影はできず,仕切り壁の窓ガラス越しの観察となった.
N8A_4486
写真は石巻方先頭車であるクモハE131.基本的にはこれまでのE131と変わりないように見えるが,速度計はATACS(Advanced Train Administration and Communications System=無線通信による車上信号方式の一種)対応タイプであり,周辺の配置も新しい.頭上にはホーム状態監視用モニターがあり,映像が映し出されている.

写真でお気づきと思うが,鶴見線用に続いて前面非貫通となったため,運転室は広々としている.

さてその“前面非貫通”だが,鶴見線用では貫通扉風にデザインされていたのに対して,今回は貫通扉の面影は完全に払拭された.クハニ67のようだという譬えは古すぎるだろうか.
 そして車体には裾絞りが.新しいパターンの登場である.
8FA_7020
クハE130の顔.まさに……と同意してくださる方はおられようか.なお併結運転は考慮されていないので自動電気連結器は備えていない.


さてこのE131系800番代,現在落成している第1編成と第2編成は総合車両製作所の新津製作所で製造された.配置は仙台車両センターの宮城野派出所である,用意されるのは前述の通り14編成56輛.205系3100番代の1615編成からは1本の減少となる(本来は19編成だったが大震災による津波で2編成が廃車,今年3月に“マンガッタンライナー”ラッピング編成が廃車となっている(さらに6月にも1編成が廃車となったようである).
 営業運転開始は今冬との発表されている.おそらくは年度内に14編成の製造が完了することになるだろう.E131系投入線区の前例からは,その後にワンマン運転が始まるのではないかと予想される.

※2025.07.13:205系廃車数を追記