仙台の翌日は東京臨海高速鉄道の八潮車両基地を訪問して71-000形報道公開に臨んだ.
 趣味誌関係の取材メンバーは多くが連日の出動で“きのうはお疲れさまでした”が挨拶となった.
 さてその71-000(ななまんいっせん)形は,同線が開業してから初めての新造車投入とあって,公開のお膳立ては完璧であった.インターネットメディアの皆さんも大勢参加されていたので,既に速報をご覧になっている方も少なくないかもしれない.
 このブログでは,昨年11月21日のここで,最初の編成の甲種輸送の時に観察した結果をいち早くお目に掛けているので,ご記憶の方も多いだろう.
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30年の歳月を感じさせる並び.70-000形は209系がベースなので車体は裾絞りのない狭幅.まぁるい前面構体と多角形(と円弧を組み合わせた窓に独自性を展開している.

今回の71-000系は総合車両製作所のsustina S24(20m級で片側4扉)シリーズをベースにしており,JR東日本のE233系に極めて似ている.
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表情豊かな,オリジナルデザインのFRP製前面は措くとして,一般構体部は窓の上下に継ぎ目が見えない.ということは相模鉄道12000系と同じ工法であるということになろうか.

編成は大崎方から新木場方へ順に71-101(Tc')+71-102(M')+71-103(M)+71-104(T)+71-105(M')+71-106(M)+71-107(T)+71-108(M')+71-109(M)+71-110(Tc).11月の現車目撃からの推定からは,71-101をTcからTc’へ,-105をTからM’へと訂正している.失礼しました.
 ということで,編成の構成はE233系7000番代とも相模鉄道12000系とも異なっている.
動力台車は台車は銘板読み取りの通りTS-1050,付随台車は先頭がTS-1051,中間がTS-1051Aだった.

甲種輸送の時には見ることができなかった山側には,三菱電機製の主制御装置MAP-148-15V362,東洋電機製造製の補助電源装置RG4110-A-Mが取り付けられている.

さて客室.
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妻の壁や一般部の腰掛の表地,吊手などを青系に統一し,愛称である“りんかい(臨海)線”のイメージを強調している.情報表示モニターは全ての側扉上部に17インチワイドモニターを2面ずつ設置.照明は反射式直管タイプのLED.

側扉の窓は複層ガラスで内張は化粧板付きである.また床は灰色基調だが“お台場海浜公園のビーチ”をイメージさせるため黄色のチップを混ぜているという.

運転室.
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マスコンとブレーキは左手操作式のワンハンドル.各機器配置は直通運転先の埼京線用E233系7000番代と操作性を統一している.

報道公開では点検庫のピット線を往復するという行程が含まれているという.床下機器に強い興味を持つ僕……でなくても,モデラーの皆さんなら……には,この上なく嬉しいプレゼントだった.
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例えば,普段ならしゃがみこまないと確かめることが難しい高圧引き込み線の車体下部での処理の様子も,このように立ったままの目の高さで撮影することができるのも,ピット線での撮影ならでは.


最後には各種行先表示が披露された.
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川越や新木場など日常的に見ることができそうな行先のほか,このような表示も見ることができた.

ちなみにこのカットは1/60秒での撮影だが,1/500秒なら全く無問題.1/800秒で少し文字が欠け始めるという程度だった.“森尾電機製の新方式によるセレクトカラーです”とのことだった.これから,LED式表示装置を備える車輛の走行写真撮影事情が,大幅に改善されるかもしれない.

この71-000形電車は,現在納入済みの2編成ともに,E131系800番代と同様,総合車両製作所の新津製作所で製造されている.
 営業運転開始は今年度下期の予定と発表されている.第3編成以降第8編成までは令和9年度上期までに投入し,70-000形を置き替える予定である.
 なお70-000形については既に先頭車10輛をJR九州に譲渡することが明らかになっている.今後も別の鉄道事業者へ譲渡される可能性もあるとのことで,推移に注目したいところである.

※2025.10.02追記:詳細は,とれいん2025年10月号MODELERS FILEでご紹介した.せひご覧ください.