一昨日10月21日,西武鉄道から新レストラン列車の構想が発表された.“なら,23日のブログはこれの紹介に決まり!”と思っていたのだが……昨日,22日になって嵯峨野観光鉄道とJR西日本から,それぞれ新造車輛の構想が発表された.嵯峨野観光鉄道のそれは既に今年の春に概要が発表されてはいたが,今回は一歩も二歩も踏み込んでの内容発表となった.そしてJR西日本は保守用車をハイブリッドの電気式気動車に置き替えるというもの.
いずれも意欲的な企画であり,現車の落成が待ち遠しい.しかし西武は2028年春,嵯峨野観光鉄道とJR西日本はともに2027年春なのだという.待っている間に,僕の首はどんどん長くなってしまいそうである…….
と愚痴(?)ばかり言ってもしょうがない.では発表順に西武鉄道の新レストラン列車からご紹介しよう.
※とっても長文です.写真も多いです.そのつもりでお読みくださいますよう.
まずベースとなるのは“Laview”こと001系.4輛編成で1本だけ新造される.うち1輛(3号車)は丸ごと厨房に充てられ,定員は約70名で,その中には1号車(飯能方先頭車)運転室に隣接する個室の8名程度を含んでいる.
Laviewベースの4輛編成となれば,構成は常識的なTcMMTcで間違いない.ただ,前面貫通路どうするのか,外部塗色は変更されるのか?……リリースには“さらに進化した鏡のように輝く車体”とあるから,本当に鏡面仕上げになるのかもしれない.
そして運用は? 発表では池袋線,新宿線,西武秩父線など,とある.さて“など”の中には,つい先日話題となったJR東日本への乗り入れは含まれるのか?あるいは東京地下鉄船から東急東横線への乗り入れは…….どんどん妄想は膨らむ.
堂々たる7輛編成……ではなく,4輛編成の新レストラン列車全容.2輛目にパンタグラフが見えるから,西武秩父から飯能へ向かう姿ということになる.車体は,確かに光り輝いている.写真:西武鉄道
1号車の運転室に接して設けられる個室.カラーリングが決まってなくてのモノトーン化と思ったら,そうではなくて“料理などの主役が強調されるようにグレーを基調としたトーン”なのだそうだ.写真:西武鉄道
2号車客室.テーブルは長円形.片側は2人席,反対側は2または4人席.1輛定員は30名?とすれば30×2+個室8+1号車一般席を足して70余名……?トイレなどを惹けばちょうど70名程度に収まるのだろうか.
現在の日本では最大面積を誇る,3号車全体を使った厨房.写真:西武鉄道
全体デザインは“Laview”と同じ妹島和世さん率いる妹島和世建築設計事務所,レストラン経営は佐藤裕久さんが代表,大筆秀樹さんが総料理長を務める株式会社バルニバービ.
どのような夢が紡がれるのだろうか.
さてでは現在の“52席の至福”はどうなるのかといえば,“2028年3月以降の運行形態は未定”とある.と,模様替えしての活躍が続くのかもと,期待させてくれる表現となっている.
僕が撮影した,もっとも新しい“52席の至福”4009編成.8輛編成40000系撮影取材が真っ盛りだった7月13日.この日は西武新宿発西武池袋行きでブランチ,復路がディナーという特別コースだった.写真はその復路列車の練馬駅通過というわけである 2025-7-13
複線電化のために廃棄された山陰本線の旧線路敷を活用して1991年に誕生した,保津峡観光のための鉄道である.開業を35年を経過し,トロッコ客車も牽引機のDE10も老朽化……ということでの置き替え構想である.
投入されるのは牽引車1輛とトロッコ客車4輛.うち1輛,4号車には運転室が設けられ,プッシュプル運転を行なう.
編成全体.JR西日本のキハ120にもちょっと通ずるようなデザイン.塗色は保津峡のもみじということなのだろう.写真:嵯峨野観光鉄道
牽引車と客車4輛の側面.画面左がトロッコ亀岡.客車の台枠に注目.なぜ,わざわざ魚腹台枠なのか.コンテナ車を想起させる……余剰といわれているコキ110の活用だろうか…….写真:嵯峨野観光鉄道
運転室の隣は特別室.48156編成.門出を祝うような秋の青空であった.写真:嵯峨野観光鉄道
一般席.孫にはガラスが入れられているように見える.もしそうなら残念.当世,やむをえないのかとも思うが.写真:嵯峨野観光鉄道
デザイン監修は京福電鉄モボ1も担当したGKデザイン総研広島と発表されている.仕上がりを期待したい.
営業運転開始は前述の通り2027年春の予定.現在の車輛は入れ替わりで引退する予定.
両運転台のハイブリッド電気式気動車8輛を新造するというもので,発想はJR東日本のGV-E197系と同じで,バラスト散布車は動力車の中間に4輛を組み込むというのも同じ.
異なるのは動力車の車体デザイン.運転室部分の台枠が,いやに強固そうに見えるのは気のせいだろうか.また気になるのは連結器が密連であること.並型自連や密着自連の客車機関車,気動車を牽引する際はどうする?GV-E197のように双頭連結器を備える?それともアダプターを用意する?
側面が嵯峨野観光鉄道の牽引車とまったく同じだし,形式もDEC743なので,あちらもハイブリッド電気式気動車であることに,間違いない…….
運転室の台枠が強固そうに見えるのが気になる.塗色は国鉄ディーゼル機関車を想起させる組み合わせである.写真:JR西日本
バラスト積載車はホキ800をベースとしたGV-E196と同じようにも見える.動力車の車体側面には“Hybrid DEC743”というロゴとDEC743-1という車号が記されている.ちなみに嵯峨野観光鉄道の牽引車も同番号だが,どちらかがダミーなのだろう.写真:JR西日本
ということで,とてつもなく長くなってしまった.2回に分けようかとも思ったのだが,ここは鮮度第一ということで,ご勘弁いただければ幸い.
いずれも意欲的な企画であり,現車の落成が待ち遠しい.しかし西武は2028年春,嵯峨野観光鉄道とJR西日本はともに2027年春なのだという.待っている間に,僕の首はどんどん長くなってしまいそうである…….
と愚痴(?)ばかり言ってもしょうがない.では発表順に西武鉄道の新レストラン列車からご紹介しよう.
※とっても長文です.写真も多いです.そのつもりでお読みくださいますよう.
まずベースとなるのは“Laview”こと001系.4輛編成で1本だけ新造される.うち1輛(3号車)は丸ごと厨房に充てられ,定員は約70名で,その中には1号車(飯能方先頭車)運転室に隣接する個室の8名程度を含んでいる.
Laviewベースの4輛編成となれば,構成は常識的なTcMMTcで間違いない.ただ,前面貫通路どうするのか,外部塗色は変更されるのか?……リリースには“さらに進化した鏡のように輝く車体”とあるから,本当に鏡面仕上げになるのかもしれない.
そして運用は? 発表では池袋線,新宿線,西武秩父線など,とある.さて“など”の中には,つい先日話題となったJR東日本への乗り入れは含まれるのか?あるいは東京地下鉄船から東急東横線への乗り入れは…….どんどん妄想は膨らむ.
堂々たる7輛編成……ではなく,4輛編成の新レストラン列車全容.2輛目にパンタグラフが見えるから,西武秩父から飯能へ向かう姿ということになる.車体は,確かに光り輝いている.写真:西武鉄道
1号車の運転室に接して設けられる個室.カラーリングが決まってなくてのモノトーン化と思ったら,そうではなくて“料理などの主役が強調されるようにグレーを基調としたトーン”なのだそうだ.写真:西武鉄道
2号車客室.テーブルは長円形.片側は2人席,反対側は2または4人席.1輛定員は30名?とすれば30×2+個室8+1号車一般席を足して70余名……?トイレなどを惹けばちょうど70名程度に収まるのだろうか.
現在の日本では最大面積を誇る,3号車全体を使った厨房.写真:西武鉄道
全体デザインは“Laview”と同じ妹島和世さん率いる妹島和世建築設計事務所,レストラン経営は佐藤裕久さんが代表,大筆秀樹さんが総料理長を務める株式会社バルニバービ.
どのような夢が紡がれるのだろうか.
さてでは現在の“52席の至福”はどうなるのかといえば,“2028年3月以降の運行形態は未定”とある.と,模様替えしての活躍が続くのかもと,期待させてくれる表現となっている.
僕が撮影した,もっとも新しい“52席の至福”4009編成.8輛編成40000系撮影取材が真っ盛りだった7月13日.この日は西武新宿発西武池袋行きでブランチ,復路がディナーという特別コースだった.写真はその復路列車の練馬駅通過というわけである 2025-7-13
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つづいて嵯峨野観光鉄道--------
複線電化のために廃棄された山陰本線の旧線路敷を活用して1991年に誕生した,保津峡観光のための鉄道である.開業を35年を経過し,トロッコ客車も牽引機のDE10も老朽化……ということでの置き替え構想である.
投入されるのは牽引車1輛とトロッコ客車4輛.うち1輛,4号車には運転室が設けられ,プッシュプル運転を行なう.
編成全体.JR西日本のキハ120にもちょっと通ずるようなデザイン.塗色は保津峡のもみじということなのだろう.写真:嵯峨野観光鉄道
牽引車と客車4輛の側面.画面左がトロッコ亀岡.客車の台枠に注目.なぜ,わざわざ魚腹台枠なのか.コンテナ車を想起させる……余剰といわれているコキ110の活用だろうか…….写真:嵯峨野観光鉄道
運転室の隣は特別室.48156編成.門出を祝うような秋の青空であった.写真:嵯峨野観光鉄道
一般席.孫にはガラスが入れられているように見える.もしそうなら残念.当世,やむをえないのかとも思うが.写真:嵯峨野観光鉄道
デザイン監修は京福電鉄モボ1も担当したGKデザイン総研広島と発表されている.仕上がりを期待したい.
営業運転開始は前述の通り2027年春の予定.現在の車輛は入れ替わりで引退する予定.
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そしてJR西日本の事業用車.--------
両運転台のハイブリッド電気式気動車8輛を新造するというもので,発想はJR東日本のGV-E197系と同じで,バラスト散布車は動力車の中間に4輛を組み込むというのも同じ.
異なるのは動力車の車体デザイン.運転室部分の台枠が,いやに強固そうに見えるのは気のせいだろうか.また気になるのは連結器が密連であること.並型自連や密着自連の客車機関車,気動車を牽引する際はどうする?GV-E197のように双頭連結器を備える?それともアダプターを用意する?
側面が嵯峨野観光鉄道の牽引車とまったく同じだし,形式もDEC743なので,あちらもハイブリッド電気式気動車であることに,間違いない…….
運転室の台枠が強固そうに見えるのが気になる.塗色は国鉄ディーゼル機関車を想起させる組み合わせである.写真:JR西日本
バラスト積載車はホキ800をベースとしたGV-E196と同じようにも見える.動力車の車体側面には“Hybrid DEC743”というロゴとDEC743-1という車号が記されている.ちなみに嵯峨野観光鉄道の牽引車も同番号だが,どちらかがダミーなのだろう.写真:JR西日本
ということで,とてつもなく長くなってしまった.2回に分けようかとも思ったのだが,ここは鮮度第一ということで,ご勘弁いただければ幸い.










