ちょうど2年前の10月26日,“JR東日本の水素ハイブリッド電車FV-E991系“HYBARI”が東京ビッグサイトに登場!”と題してJR東日本の水素燃料電池試験車FV-E991系が展示された様子をお伝えした.
2年ごとの開催となっているこのモーターショー……ではなくてジャパン・モビリティ・ショー,今年はどうなのかと思っていたら,取材の案内をいただいたので,プレスデーの午前中にお邪魔してきた.
出展者一覧にJR東日本の名前が見えたので大いに期待して出掛けたのだが……今年は東京ビッグサイトの東1から東3までのホールが大規模改修のため使用不可とのことで,前回とは会場レイアウトが大きく異なる……とはいえ,僕がこの催しに取材として足を踏み入れるのは今回が2回目に過ぎない.だから,どっちみち迷うことにはなるのだが.
と戯言から始まってしまったが,最初に目指したのは自動車メーカーのブースではなくて,西展示場1階に展開する“Tokyo Future Tour 2035”エリア.
近未来の交通というテーマの展示であるわけで,燃料電池をはじめとする水素燃料に関する展示が大きな面積を占めていた.その中には,ちゃんと“HYBARI”の姿もあった.
模型である.いや,模型と侮るなかれ.インテリアも作りこまれた展示モデルとしては上質の“作品”である.鶴見線での走行試験の観察が叶わなかった僕にとってなにより嬉しかったのは,屋根上もちゃんと,全てのディテールがスケール通りに再現されていること.
ショーケースの前には6つのボタンがあって,“水素貯蔵ユニット”,“屋根上配管ユニット”,“床下配管ユニット”,“燃料電池装置”,“電力変換装置”,そして“主回路用蓄電池”を指し示してくれる.
屋根上の水素貯蔵ユニットは一部が切開されていて,水素タンクの実際を見ることもできる.
“水素チャンス!”と銘打たれた展示コーナー.手前には“WIND HUNTER”命名された船が展示されている.これは商船三井が開発中の,洋上風力で水素を生産し,併せて運搬も行なうことを目的としている.
このプロジェクトは着々進行中で,今年春には“ウインズ丸”という名前の実験船で水素を生産し,東京都の中央防波堤で陸上に供給することに成功しているという.
この,船や鉄道や,そして自動車などへの水素燃料開発を推進しているのがNEDO=国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構.さまざまな地球環境問題の解決に向けて技術開発を支援する組織である.
さて,その隣に小さく見えているのは大きなヘリコプター……ではなく“SKYDRIVE”.
10月14日に閉幕した大阪関西万博でも展示とデモを行なって注目された“空飛ぶ自動車”である.
飛行機とかヘリコプターとどう違うのか,僕にはまだその定義がよく解っていないのだけれど,展示を見て説明を聞いて理解したキーポイントはエンジンではなく電気モーターによって“飛行”すること.それによって,少ない部品点数で製造が可能であり,それに伴って重量も軽い,そして静かな乗り物であるということ.
展示されていたのは全長と全幅がそれぞれ約11メートル,重量は1,400キロ,最高速度は時速100キロ,定員は操縦士のほかに乗客が2名,そして航続距離は15~40キロとのこと.本当に“クルマのように日常的に利用できるエアモビリティ”として実用化されるのは,2028年頃の見通しだそうである.
鉄道会社とは,JR東日本のほかにJR九州,近鉄グループ,大阪市高速電気軌道と連携しており,JR東日本では盛岡と小岩井農場を結ぶライン,JR九州は別府・湯布院など大分県内,近鉄は伊勢志摩エリア,大阪市高速電軌は大阪市街地の4ヵ所(新大阪・梅田,森之宮,ベイエリア,そして天王寺・阿倍野エリア)を結ぶ……としている.
さて,どこがもっとも早く実現するのだろうか.
……本題である自動車の展示は,既にTVなどで大々的に報じられているし,あまたある自動車の専門出版社が詳報してくれるだろう.そこで?
タイムスリップガレージと銘打って,懐かしい乗用車を展示していたエリア.この写真に見えるのは米国のステンレス鋼製スポーツカー“デローリアン”,トヨタの初代セルシオ,いすゞのジェミニ,スバルのレガシィである.
もう1ヵ所,興味深かったのがここ.
ナンバープレートといっても,砲金製形式入りとか代用材としての鋼板プレス製とかの展示ではない.いや,プレス製というのは正解なのだが.
昭和20年代以降の,日本におけるナンバープレート(正式には自動車標板というそうだ)の変遷である.レイアウト上にアクセントとして自動車を配するに際しては,ナンバープレートの時代考証にも意を払いたいですね,という気持ちになる展示であった.主催は全国自動車標板協議会.
ということで,会期が10月30日から11月9日までという会期を考慮して,京王電鉄2000系報道公開や西武鉄道7000系デザイン発表などを差し置いての今回のブログなのであった.
いや,自動車の趣味と鉄道の趣味は,いにしえから極めて近い関係にある.それは,現在好評発売中のレイル最新刊,No.136の12~13頁に見開きで掲載されている,高橋志郎さんが撮影された赤坂見附交叉点の写真のネガフィルムの直前のカットは,日比谷公園で開催された,第1回モーターショーである第1回全日本自動車ショウの会場風景だったということからも明らかなのである.
一般公開の会期は10月30日から11月9日まで.当日券は1人3,000円.高校生以下と保護者同伴の小学生以下は無料.日曜日以外の午後4時以降に入場するなら1,500円.詳しくはオフィシャルサイトをご覧いただきたい.
2年ごとの開催となっているこのモーターショー……ではなくてジャパン・モビリティ・ショー,今年はどうなのかと思っていたら,取材の案内をいただいたので,プレスデーの午前中にお邪魔してきた.
出展者一覧にJR東日本の名前が見えたので大いに期待して出掛けたのだが……今年は東京ビッグサイトの東1から東3までのホールが大規模改修のため使用不可とのことで,前回とは会場レイアウトが大きく異なる……とはいえ,僕がこの催しに取材として足を踏み入れるのは今回が2回目に過ぎない.だから,どっちみち迷うことにはなるのだが.
と戯言から始まってしまったが,最初に目指したのは自動車メーカーのブースではなくて,西展示場1階に展開する“Tokyo Future Tour 2035”エリア.
近未来の交通というテーマの展示であるわけで,燃料電池をはじめとする水素燃料に関する展示が大きな面積を占めていた.その中には,ちゃんと“HYBARI”の姿もあった.
模型である.いや,模型と侮るなかれ.インテリアも作りこまれた展示モデルとしては上質の“作品”である.鶴見線での走行試験の観察が叶わなかった僕にとってなにより嬉しかったのは,屋根上もちゃんと,全てのディテールがスケール通りに再現されていること.
ショーケースの前には6つのボタンがあって,“水素貯蔵ユニット”,“屋根上配管ユニット”,“床下配管ユニット”,“燃料電池装置”,“電力変換装置”,そして“主回路用蓄電池”を指し示してくれる.
屋根上の水素貯蔵ユニットは一部が切開されていて,水素タンクの実際を見ることもできる.
“水素チャンス!”と銘打たれた展示コーナー.手前には“WIND HUNTER”命名された船が展示されている.これは商船三井が開発中の,洋上風力で水素を生産し,併せて運搬も行なうことを目的としている.
このプロジェクトは着々進行中で,今年春には“ウインズ丸”という名前の実験船で水素を生産し,東京都の中央防波堤で陸上に供給することに成功しているという.
この,船や鉄道や,そして自動車などへの水素燃料開発を推進しているのがNEDO=国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構.さまざまな地球環境問題の解決に向けて技術開発を支援する組織である.
さて,その隣に小さく見えているのは大きなヘリコプター……ではなく“SKYDRIVE”.
10月14日に閉幕した大阪関西万博でも展示とデモを行なって注目された“空飛ぶ自動車”である.
飛行機とかヘリコプターとどう違うのか,僕にはまだその定義がよく解っていないのだけれど,展示を見て説明を聞いて理解したキーポイントはエンジンではなく電気モーターによって“飛行”すること.それによって,少ない部品点数で製造が可能であり,それに伴って重量も軽い,そして静かな乗り物であるということ.
展示されていたのは全長と全幅がそれぞれ約11メートル,重量は1,400キロ,最高速度は時速100キロ,定員は操縦士のほかに乗客が2名,そして航続距離は15~40キロとのこと.本当に“クルマのように日常的に利用できるエアモビリティ”として実用化されるのは,2028年頃の見通しだそうである.
鉄道会社とは,JR東日本のほかにJR九州,近鉄グループ,大阪市高速電気軌道と連携しており,JR東日本では盛岡と小岩井農場を結ぶライン,JR九州は別府・湯布院など大分県内,近鉄は伊勢志摩エリア,大阪市高速電軌は大阪市街地の4ヵ所(新大阪・梅田,森之宮,ベイエリア,そして天王寺・阿倍野エリア)を結ぶ……としている.
さて,どこがもっとも早く実現するのだろうか.
……本題である自動車の展示は,既にTVなどで大々的に報じられているし,あまたある自動車の専門出版社が詳報してくれるだろう.そこで?
タイムスリップガレージと銘打って,懐かしい乗用車を展示していたエリア.この写真に見えるのは米国のステンレス鋼製スポーツカー“デローリアン”,トヨタの初代セルシオ,いすゞのジェミニ,スバルのレガシィである.
もう1ヵ所,興味深かったのがここ.
ナンバープレートといっても,砲金製形式入りとか代用材としての鋼板プレス製とかの展示ではない.いや,プレス製というのは正解なのだが.
昭和20年代以降の,日本におけるナンバープレート(正式には自動車標板というそうだ)の変遷である.レイアウト上にアクセントとして自動車を配するに際しては,ナンバープレートの時代考証にも意を払いたいですね,という気持ちになる展示であった.主催は全国自動車標板協議会.
ということで,会期が10月30日から11月9日までという会期を考慮して,京王電鉄2000系報道公開や西武鉄道7000系デザイン発表などを差し置いての今回のブログなのであった.
いや,自動車の趣味と鉄道の趣味は,いにしえから極めて近い関係にある.それは,現在好評発売中のレイル最新刊,No.136の12~13頁に見開きで掲載されている,高橋志郎さんが撮影された赤坂見附交叉点の写真のネガフィルムの直前のカットは,日比谷公園で開催された,第1回モーターショーである第1回全日本自動車ショウの会場風景だったということからも明らかなのである.
一般公開の会期は10月30日から11月9日まで.当日券は1人3,000円.高校生以下と保護者同伴の小学生以下は無料.日曜日以外の午後4時以降に入場するなら1,500円.詳しくはオフィシャルサイトをご覧いただきたい.





