江ノ電……江ノ島電鉄の最新車輛である700形をご紹介しよう.報道公開は1月16日だったから1週遅れとなったが.
これまでの最新形は2006年に登場した新500形で,とれいん誌では……なぜかMODELERS FILEで採り上げ損ねていた.一方で2019年2月号では1979年デビューの1000形ファミリーを特集している.
それにしても,である.新500形の落成からもう20年が経っていたとは.そして僕が江ノ電を訪問するのは1000形ファミリーの取材以来だから7年振りということになる.
当日は山手線や京浜東北線が停電事故によって始発から長時間の運休,影響で東北本線や東海道本線も大幅遅延という事態に見舞われた.池袋から副都心線で明治神宮前へ出て小田急に乗り継いで藤沢から,あるいは大江戸線の新宿経由……などという迂回案も用意はしたが,幸いにして大幅遅れながらも湘南新宿ラインの電車から戸塚で横須賀線に乗り継ぐことができて,鎌倉駅の近くで観光客目当てでないお店を見つけ,ゆっくりと昼食を摂ることもできた…….
その後,おもむろに江ノ電の鎌倉駅に向かい,やってきた電車をみたら,なんと1000形の1101.
行先表示がLEDになり,塗り分けが変更されてゴールドのストライプがあしらわれた以外には,ほとんどオリジナルの面影を保っている.前照燈もLED化されていない.あ,空調装置は取り付けられた.このあと極楽寺まで,久しぶりの走行音を楽しんだことである.
極楽寺の車庫に到着した時には,お目当ての700形は車庫の中にいて,“外観撮影は……”とヒヤリとしたけれど,やがて庫外へ.杞憂であった.
藤沢方から見た編成全体.まぁるい500形から一転して,きりりと引き締まった表情がこの電車のポイントのようである.解説書にも“シャープなアイライン”と明記されている.車体は塩害防止効果を期待して,新500形に続くステンレス鋼製だが,全面的に塗装されているので,江ノ電の雰囲気は守られ,沿線風景にもマッチしている.
それにしても極楽寺の車庫は,日本の電車の車庫の中でも五指に入りそうな広さ.編成写真が正方形とか,ややもすれば縦長になってしまう.でも,これこそが江ノ電全体の個性でもあるのだから.
江ノ電といえば連節車.その伝統は守られた……というより,路線の特性から,大量輸送を維持するためには必須の構造である.各車体の幕板にはホーム状況確認用車外カメラが見える.先々週のエントリに示した例ではJR四国3600系のそれと同じであるように見える.
台車は車体と同じ総合車両製作所のTS-837CとTS-838C.前者がボギーの動力台車,後者が連節の付随台車である.
箱根登山電車の台車と同様,特別な条件下での使用を前提とした設計であり,それゆえ,1000形からの変化は,それほど大きくない.ただし駆動装置は吊り掛けからTD継手平行カルダンへと大変化.
ちなみに主制御装置は東洋電機製造のRG695-B-Mを鎌倉方先頭車である751の海側床下に,藤沢方先頭車の751海側に東洋電機製造の補助電源装置RG4092-A-M,そして山側にMH-3094-TC1000C形電動空気圧縮機を取り付けている.
さて室内.セミクロスシートである.クロスシートは全て海側に設けられている.対して山側はバケットタイプのロングシート.観光客と地元の人々との共存を図るための結論が,これなのだろう.
連節車ならではの眺めである.写真は751から701を見た情景.左が海,右が山である.
床は近年とみに採用例が増えているフローリング調だが,目新しいのはラメ入りということ.まるで七里ガ浜の砂浜のようである.
701の客室全景.運転室直後の“展望席”が魅力的.ロングシートのガラス製袖仕切には江ノ電の姿が…….
床下に吊るすのではなく客室に備えられた非常用梯子とスロープ.床下だと展開に手間を要する,線路脇が狭隘な区間が多いから,というのが理由.
運転室.ブレーキ・マスコンは右手操作のワンハンドル.腰掛はコンソールとともに中央に配置されている.
腰掛の色は今回の第1編成では緑のほかに“江の島ブルー”と“鎌倉ストーングレー”の2種が用意されるという.それらはいつ登場するのか…….
さて,営業運転開始は令和8年度と発表されている.最短で今年4月,もっとも遅くて来年3月ということになる.現実的には今年の春なのだろうが.
本線での試運転は既に始まっている
※2026.01.30:一部文言修正,削除および追加.
これまでの最新形は2006年に登場した新500形で,とれいん誌では……なぜかMODELERS FILEで採り上げ損ねていた.一方で2019年2月号では1979年デビューの1000形ファミリーを特集している.
それにしても,である.新500形の落成からもう20年が経っていたとは.そして僕が江ノ電を訪問するのは1000形ファミリーの取材以来だから7年振りということになる.
当日は山手線や京浜東北線が停電事故によって始発から長時間の運休,影響で東北本線や東海道本線も大幅遅延という事態に見舞われた.池袋から副都心線で明治神宮前へ出て小田急に乗り継いで藤沢から,あるいは大江戸線の新宿経由……などという迂回案も用意はしたが,幸いにして大幅遅れながらも湘南新宿ラインの電車から戸塚で横須賀線に乗り継ぐことができて,鎌倉駅の近くで観光客目当てでないお店を見つけ,ゆっくりと昼食を摂ることもできた…….
その後,おもむろに江ノ電の鎌倉駅に向かい,やってきた電車をみたら,なんと1000形の1101.
行先表示がLEDになり,塗り分けが変更されてゴールドのストライプがあしらわれた以外には,ほとんどオリジナルの面影を保っている.前照燈もLED化されていない.あ,空調装置は取り付けられた.このあと極楽寺まで,久しぶりの走行音を楽しんだことである.
極楽寺の車庫に到着した時には,お目当ての700形は車庫の中にいて,“外観撮影は……”とヒヤリとしたけれど,やがて庫外へ.杞憂であった.
藤沢方から見た編成全体.まぁるい500形から一転して,きりりと引き締まった表情がこの電車のポイントのようである.解説書にも“シャープなアイライン”と明記されている.車体は塩害防止効果を期待して,新500形に続くステンレス鋼製だが,全面的に塗装されているので,江ノ電の雰囲気は守られ,沿線風景にもマッチしている.
それにしても極楽寺の車庫は,日本の電車の車庫の中でも五指に入りそうな広さ.編成写真が正方形とか,ややもすれば縦長になってしまう.でも,これこそが江ノ電全体の個性でもあるのだから.
江ノ電といえば連節車.その伝統は守られた……というより,路線の特性から,大量輸送を維持するためには必須の構造である.各車体の幕板にはホーム状況確認用車外カメラが見える.先々週のエントリに示した例ではJR四国3600系のそれと同じであるように見える.
台車は車体と同じ総合車両製作所のTS-837CとTS-838C.前者がボギーの動力台車,後者が連節の付随台車である.
箱根登山電車の台車と同様,特別な条件下での使用を前提とした設計であり,それゆえ,1000形からの変化は,それほど大きくない.ただし駆動装置は吊り掛けからTD継手平行カルダンへと大変化.
ちなみに主制御装置は東洋電機製造のRG695-B-Mを鎌倉方先頭車である751の海側床下に,藤沢方先頭車の751海側に東洋電機製造の補助電源装置RG4092-A-M,そして山側にMH-3094-TC1000C形電動空気圧縮機を取り付けている.
さて室内.セミクロスシートである.クロスシートは全て海側に設けられている.対して山側はバケットタイプのロングシート.観光客と地元の人々との共存を図るための結論が,これなのだろう.
連節車ならではの眺めである.写真は751から701を見た情景.左が海,右が山である.
床は近年とみに採用例が増えているフローリング調だが,目新しいのはラメ入りということ.まるで七里ガ浜の砂浜のようである.
701の客室全景.運転室直後の“展望席”が魅力的.ロングシートのガラス製袖仕切には江ノ電の姿が…….
床下に吊るすのではなく客室に備えられた非常用梯子とスロープ.床下だと展開に手間を要する,線路脇が狭隘な区間が多いから,というのが理由.
運転室.ブレーキ・マスコンは右手操作のワンハンドル.腰掛はコンソールとともに中央に配置されている.
腰掛の色は今回の第1編成では緑のほかに“江の島ブルー”と“鎌倉ストーングレー”の2種が用意されるという.それらはいつ登場するのか…….
さて,営業運転開始は令和8年度と発表されている.最短で今年4月,もっとも遅くて来年3月ということになる.現実的には今年の春なのだろうが.
本線での試運転は既に始まっている
※2026.01.30:一部文言修正,削除および追加.







