一昨日5月12日午後,神領電車区……ではなくて神領車両区でJR東海の中央本線特急用385系電車の報道公開が催された.
 現在の“しなの”は1994年に量産先行編成が,1996年から量産が開始された383系が担っている.だから32年目にしての後継車登場ということになる.
 各部の具体的な特徴などは東海鉄道事業本部の大庭車両課長から解説があり,全体のコンセプトなどは撮影時間終了後に清水車両部長から説明が行なわれた.
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383系と並んだニューフェイス385系.全体デザインやカラーリングなどに歳月の流れを感じるけれど,一方では前照燈の位置をはじめ,おでこや腰回りのライン取りに,なんとなく面影を感じるのは,僕だけだろうか.

この量産先行編成は8輛固定.長野方から順にクロ385-1~,モハ385-1~,サハ385-1~,モハ385-101~,モハ385-201~,サハ385-101~,クハ384-1~という構成.パンタグラフは4輛の電動車のうちモハ385-201~を除く3輛の名古屋方に搭載されている.
 主制御装置は電動空気圧縮機とともに山側(長野に向かって左側)に取り付けられているようで,この日の公開では製造所は外径を確認することができなかった.
 補助電源装置は三菱電機製のC-SC43を2輛のサハ385の海側床下に取り付けていた.
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写真は5号車モハ385-201.長野方にパンタグラフを装備している.なお側扉は長野方の1号車から5号車までは名古屋方に,6~8号車は長野方に設けられている.
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6号車サハ385-101は長野方に幅広の側扉があり,車椅子ペースや大型車椅子対応トイレを備えているようだが,残念ながら車内の公開はなかった.車体中央や屋左寄りの床下には三菱電機特有の黒塗りの素子放熱部を持つ補助電源装置を取り付けている.
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名古屋方先頭車クハ384-1と隣のモハ385-301はJR東海としては久し振りの川崎車両製.いや,川崎車両となってからは“初”かもしれない.あとの6輛は日本車両製である.

385系に限らないこととして信号炎管は廃止,所属標記も省略されている.315系の途中からだと思う.在来車も順次撤去,抹消されている.
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長野方から見た編成全体.2輛目のモハ385-1などの床下に主制御装置が見える.

なおクロ385-1の海側床下には,315系でも採用されている,非常時走行及び補助電源確保用インバータ装置(ESインバータ装置)を取り付けている.

さて,注目の振子システムは制御付自然振子で,傾斜格は最大5度.台車には自己宗田機能を設けている.
 車両側にジャイロセンサー……加速度センサーを搭載して位置把握の精度を向上,加えて高性能なアクチュエーターを使い,さらに加えて台車を自己操舵式とすることによって,これまでよりもさらにスムーズな振子動作を実現させている.
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台車形式はC-DT70とC-TR258(写真).C-DT70は踏面ブレーキ,C-TR258は各軸2枚のディスクブレーキである.

報道公開では車体傾斜の様子が実演された.
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平常時の姿.
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傾斜時.最大限の5度までは傾いていないと思う……3度だったようである..

383系では,当時のJR各社でほぼ同じような車体断面を採用していたが,独自の断面……コンタが採用された.今回は,一見して振子車輛と思えない“当たり前”に近い断面となった.車体幅や,383系では21mとした中間車の車体長を標準的な19.5mとするなどの工夫の結果である.


さて,ようやく室内.新聞TVを含む大勢の取材者を捌くため,いくつものグループに分けて,一つのグループが1ヵ所に滞在できるのを3分間として順に移動してゆく方法が採られた.その順は1号車の運転室,グリーン車,ナノミュージアム,そして2号車の普通車.なので,さっき記した通り,今回は6号車に設備されている車椅子スペースや大型車椅子対応トイレなどは公開の対象外となった.
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まずは運転室.基本的な機器配置は,315系などと同じ,JR東海の最新デザインである.異なるのは非貫通なのでとにかく広々していること.情報モニターの数が増えていることなど.
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グリーン車全景.吹き寄せには美濃焼のオブジェを取り付けて落ち着いた雰囲気を演出している.腰掛の小野手は北アルプスの朝焼けを思わせる朱と長野県の県花であるリンドウの青を組み合わせたカラーリングを採用.床にはカーペットを敷き詰めている.


腰掛そのものは東武や近鉄などの特急車で採用が増えているバックシェルタイプとして,後席の乗客に気兼ねすることなくリクライニングすることができるように配慮している.
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グリーン車デッキの洗面所.横の壁面にはナノミュージアムの一部として,南木曽ろくろ細工の置物が…….
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一般用のトイレ.手摺,ベビーチェアなども充実している.
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普通車の腰掛表地は木曽の深い木々の緑をモチーフとした柄となっている.


ということで,忙しいながらも充実した取材であった.お目に掛けたい写真は,まだまだたくさんあるのだが,もうとっくに紙数は尽き果てている.いずれのお楽しみにということで!

この編成は,目下性能確認試運転に勤しんでいるわけだが,いまのところ2029年度……令和11年度頃と発表されている営業運転開始と,そのための量産編成お目見えが待ち遠しい僕である.